1. トップ
  2. 今田美桜だけじゃない! 新・朝ドラ『あんぱん』妹役に抜擢された2人の実力派女優の“豪華すぎる共演”

今田美桜だけじゃない! 新・朝ドラ『あんぱん』妹役に抜擢された2人の実力派女優の“豪華すぎる共演”

  • 2025.4.4

3月31日放送がスタートしたNHK連続テレビ小説『あんぱん』。『おかえりモネ』でも活躍した今田美桜がヒロインを務める本作は、東京NHK制作の朝ドラとしては2018年の『半分、青い。』ぶりに、オーディションにてヒロインが選ばれた。今田美桜はもちろんだが、ヒロインの妹役を演じる河合優実と原菜乃華にも注目したい。

第48回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞を経て、朝ドラへ

undefined
(C)SANKEI

ヒロイン・朝田のぶ(今田美桜)の妹、朝田家の二女・蘭子役を演じる河合優実は、どちらかといえば映画を主戦場とする女優だった。2021年、2022年は『サマーフィルムにのって』『ある男』『PLAN 75』などで、主演でないにもかかわらず、安定した演技力と圧倒的な存在感で、数々の賞を総なめ。2023年には、映画『少女は卒業しない』で主演を務め、NHKで主演ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』も放送された。同作では、東京出身にもかかわらず流暢な関西弁を操り、原作エッセイの雰囲気をまとった主人公像をユーモアを交えて体現した。

2024年には、主演を務めた『ナミビアの砂漠』と『あんのこと』、声優を務めた『ルックバック』が公開された。『あんのこと』では、第48回日本アカデミー賞 最優秀主演女優賞を受賞。これまで通り映画界で実力を発揮しつつも、ドラマ『不適切にもほどがある』で演じた主人公・市郎(阿部サダヲ)の娘役・純子の昭和スタイルが似合うビジュアルと繊細な演技力で注目を集め、知名度も一気に上昇した。

一つ一つの作品に向き合いつつ、シリアスな役もユーモア溢れる役も表現してきた河合がついに朝ドラへ。民放ドラマに出演したことで知名度が上がったといえ、朝ドラに出演することは特別な意味を持つ。これまでとは異なった視聴者層に知ってもらう機会になるだろう。国民的女優への一歩になるはずだ。

子役、話題作への出演を経て、朝ドラへ

undefined
(C)SANKEI

朝田家の三女・メイコを演じる原菜乃華は、2009年にデビューした子役としての経験もある女優。2021年には『真犯人フラグ』で、主人公・相良凌介(西島秀俊)の娘・光莉を、2022年には『ナンバMG5』で主人公・難破剛(間宮祥太朗)の妹・吟子を演じるなど、メインキャストの1人として活躍。年相応の可愛らしさとお茶目さを併せ持つ役柄を通して、抜群の存在感を発揮した。2022年には新海誠監督作品『すずめの戸締り』でオーディションにて1700人を超える中から声優初挑戦で主人公・岩戸鈴芽役に選ばれ、声の芝居でも注目を集めた。

また、2023年にはオーディションを経て掴んだ映画『ミステリと言う勿れ』で、家庭環境の影響で複雑な人間性を持った少女役を好演。映画『ミステリと言う勿れ』で描かれた広島編は、原作でも人気の高いエピソードであったが、そのハードルを易々と飛び越え、汐路の繊細な内面を表現した。この作品で第47回日本アカデミー賞 新人俳優賞を受賞している。

そして、原を語る上で欠かせないのが、2024年に実写化された『【推しの子】』で演じた有馬かな役だ。原作漫画の人気の高さから、実写化に対して厳しい目が向けられていた本作だが、配信が始まる前から原による“有馬かな”らしさを感じさせるセリフ回しには好意的な目が向けられていた。セリフ回しだけでなくふとした表情や所作も含めて、有馬の不器用さを愛おしく表現しており、原の芝居に対する絶賛の声が寄せられた。原は、B小町キャストの中で唯一アイドル経験がない。そのバックボーンは有馬と重なる部分もあり、ライブシーンでも有馬の姿として納得できるアイドル像を表現。何をしていても有馬かなそのものという異常なほどの親和性を見せた。

原は、その作品で求められているものに的確に答えていく対応力に優れている。それでいて、原が演じてこそと言いたくなる、求心力もある女優だ。朝ドラを経て、さらなる高みへと登っていくことだろう。

『あんぱん』のプロデューサーを務める倉崎憲のSNSによれば、河合も原もヒロインオーディションに挑戦したうえで、今回はヒロインの妹役として抜擢された形だという。

河合優実さん。ヒロインオーディションで初めてお会いして、正直とてつもない人に出逢えたと胸が高鳴りました。冷静でどこまでも自然体な佇まい、その一挙一動をずっと見ていたくなるような存在でした。 ちなみに、「不適切にもほどがある」が放送されるより前の話です。|倉崎憲 公式X(@kenkurasaki)より
ヒロインオーディションで「普段周りにどのような人だと言われるか」の問いに、「武士」と答えた原菜乃華さん。真面目でストイックな面もきっとありながらも、その場を一気に明るく幸せにしてくれる原さんが持つ天真爛漫さは、三女・メイコ役にピッタリでした。|倉崎憲 公式X(@kenkurasaki)より

ヒロインを演じる今田美桜はそれだけヒロイン・のぶにぴったりと判断されたということだろう。そして、河合と原の持つ雰囲気が、それぞれが演じる役柄にも作品の空気にも欠かせないという判断でのキャスティングであると予想できる。

すでに実力のある二人が朝ドラでどんな姿を見せてくれるのか。そして、いつか彼女たちがヒロインを務める朝ドラが制作されることも願ってしまう。



ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。X:@k_ar0202