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運動神経を左右するのは遺伝よりも環境です! 運動ができる子になる近道とは?

  • 2024.11.27

運動神経は悪いよりいいほうがいいけど、よくする方法がわからない……そんなママパパに朗報! 生活の中で体を使って遊ぶだけで、遺伝や時期など関係なく、子どもの力を伸ばせるんです。

たくさん動いて遊ぶことが 運動ができる子になる近道

わが子の運動神経が気になりつつも、「運動神経は遺伝だから」「能力を上げるには専門の教室に行かないと」など、自力で運動神経をよくするのは難しいのでは、というママパパの声も。ですが、「運動神経を左右するのは遺伝よりも環境です」と鈴木先生。

「遺伝要素が強いイメージの身長でも、親の身長の影響は限定的で、食事、睡眠、運動などの『育つ環境』が重要なんです。運動神経は身長以上に環境の影響が大きく、具体的には、よく運動する(体を動かす)機会があることがポイント。といっても特別なことは必要なく、特に幼児にとっての運動=体をたくさん使って遊ぶこと。それが運動神経を伸ばす最適な方法です。

運動ができなくてももちろん問題はありませんが、運動ができると、達成感から自己肯定感、自己効力感も育まれ、子どもが意欲的になるきっかけになるかもしれません。幼児のうちに伸ばせる環境を作ってあげることは、子どもの人生へのギフトになります」

運動神経のウソ・ホント

Q スポーツ教室などに入れれば 運動神経はよくなる

A ウソ
ある動きができることと運動が得意になるのは別
「例えば体操教室などでは、逆上がりや跳び箱など学校体育で習うような動きが多いですね。その活動が体育版の塾のようにテクニックを学ぶだけであれば、体を動かす日常の遊びが増えることにはなりません。勉強で言うなら『塾でしか勉強しない子』と同じです」

Q 運動神経は遺伝だから、 親が運動が苦手だと子どもも伸びない

A ウソ
遺伝よりも環境の影響が大きい
「筋肉など運動に関わる特徴は遺伝的に決まっている部分があります。ただし遺伝的に有利だから足が速くなったり運動が上手になったりするわけではなく、環境が備わってこそ。遺伝と思われがちなのは、親が運動が苦手だと子どもが体を動かす機会が減るからかもしれません」

Q 運動神経のよしあしは 小学生までで決まる

A ウソ
成長してからでないと上がらない力もある

「神経系の発達は小学校期に成人レベルに達するため、『伸びやすい時期』とは言えます。ですが、運動神経=運動能力は、総合力(下記参照)。動きの種類によっては成長して筋力が高まってからでないとできないものもあり、一概に小学生までで決まるとは言えません」

Q 運動ができる子は頭がいい!

A ホント
運動することで記憶力が高まる!
「習慣的な運動で、短期記憶をつかさどる脳の海馬が大きくなったり、集中力が高まったりすることが分かっています。運動場面での経験は、初めてのできごとへの自信もつちかいます。それが結果として経験を増やすことになり、頭のよさにつながっていくと言えるでしょう」

運動神経=運動能力は環境次第で伸ばせます!

運動神経を左右するのは遺伝よりも環境です! 運動ができる子になる近道とは?の画像1

運動能力は いろんな力の総合力!

運動神経=運動能力は、筋肉の量ややわらかさ、体の大きさ(体格)と、脳からの指令で体を巧みに動かす「神経の働き」を合わせた力。よく運動することで、それぞれの力がUP。


指令を体の各部位に伝える


・筋肉の量ややわらかさ
・体の大きさ(体格)

それぞれの力を伸ばすのは多彩な運動経験

「移動」「バランス」「操作」が含まれる、
体と頭を使った遊びをしよう!
いろいろな動きの中でも「移動」「バランス」「操作」が運動能力を高めるポイント。この3つの要素が含まれる遊びをすることで、楽しみながら運動のできる子に!

教えてくれてくれた人
鈴木宏哉さん

すずきこうや/順天堂大学スポーツ健康科学部准教授。専門は子どもの発育・発逹、体力・運動能力など。スポーツを発育・発達に活用する方法などを研究。3人の子どものパパ。

イラスト/meppelstatt(kodomoe2021年10月号掲載)

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