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【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】レス10年…興味本位で参加した「既婚者限定サークル」の実態

  • 2024.7.26

日本では半数以上の夫婦がセックスレスに陥っているといわれています。レスになったときの対処法は人それぞれですが、看護師のえみさん(仮名、45歳)は「外に出て新たな出会いを求める」というかたちでストレスを解消。その結果、夫の外泊にも目をつぶることができるようになり、不平不満が激減したといいます。

■合コンで出会った美容師と流れで付き合うことに

看護師のえみさんが3歳年上の美容師の夫、洋さん(仮名)と出会ったのは約20年前。
「結婚式では『友達の紹介で出会いました』と言いましたが、本当はかなり大規模な合コンの席でした。合コンというか……お偉いさんの接待のために女の子を集めたんじゃないの? と思うくらい高級なお店で、たくさんの女の子が来ていました」。
飲み会の場所は代官山の半地下にある高級レストランバーで、ドレスコードはピンヒール。普通の合コンだと思って参加したところ、銀座のホステスやモデル、女子大生など美女揃いだったそう。
「声をかけてくれた女友達は少しアテンダー風味のある広告代理店美女。私は普通の看護師ですが、美容業界の飲み会だったのでカットモデルをやっていたことで声がかかったのかもしれません。ヘアサロンのオーナーやカリスマ美容師、脱毛サロンの社長さんや、広告代理店の男性もいました。若手からミドル世代まで年齢もバラバラで、確かめたわけではありませんが独身じゃない人も少なくないように見えました」。
幸い年齢層が高い「お偉いさんたち」はモデルや女子大生などキラキラした女子をロックオンしていたので、えみさんは若い洋さんと話すことに。
「彼は当時若手の美容師で使いっ走りみたいなポジションでしたが、おしゃれで笑顔がかわいらしく、気が利く人たらしぶりが好みでした。偉い人にからかわれながらも上手にご機嫌をとっている感じも『出世しそうだな』と感じました」。

共に福岡県出身の2人は年齢も近く、その日のうちに連絡先を交換。初デートでは「地元の共通の知り合いを探す」トークで盛り上がり、3回目のデートの時には彼氏彼女の関係になっていました。
「自然消滅、って言葉がありますけど、私達は自然交際って感じでした。『付き合ってください』という言葉もなく関係ができましたが、別に『遊ばれている?』という葛藤もなく、彼の部屋でいちゃいちゃしていて実家から電話があっても『あ、今彼女来ているから』というように、交際関係にスッと入っていました」。

■10年セックスレスだけど「家庭円満風」だった?

そんな空気に流されがちな2人だっただけに、結婚も自然の流れに任せたかたちだったそう。
「彼がウェディングのヘアメイクもしていたので『ウエディングフェアであのレストランのコースが2000円で食べられるよ』とかそんな情報を持ってきて、参加しているうちにコーディネーターの人にのせられてその気になっちゃいました。私は28歳で彼も31歳とほどよい年齢でしたし」。
人気のレストランで挙式をしたえみさんと洋さん。新婚旅行先のハワイでハネムーンベビーを授かり、29歳で長男を出産。3年後の32歳で次男が誕生しました。
「勤めていた病院が産休も保育所も充実していたので本当に助かりました。彼のほうも仕事で大忙し。若い頃のカリスマ美容師ブームが終わってグループ全体の経営難があったりして……。幸い規模を縮小したことで難局を乗り越えて、今では店長として1店舗を任されて地道に成果をあげているみたいです」。

性交渉については、今はもうなく「10年普通にセックスレス」だというえみさん。
「逆に聞きたいんですけど、セックスレスじゃない40代ってそんなに多いんですか? うちの場合は次男出産後はケンカの仲直り後に何回かあったなぁっていうくらいです。平均がわかりませんけど30代半ばからレスっていうのは確かに少し早かったかもしれませんね」。
看護師と美容師という職業柄、休日が不規則ですれ違い生活になりがち。それでも男の子2人の子育ては協力しないと成り立たないので、不仲になっている暇もなかったといいます。
「たまに髪を切ってくれるのはスキンシップみたいで嬉しいですし、2人で子供をかわいがっている時は“家庭円満風”でしたね。でももう息子も思春期なのでそれもなくなりましたけど」。

■息子2人が思春期に入って不満に気がつく

小さな男の子を2人育てているうちは、セックスレスで悩むことは少なかったというえみさん。
「かわいい男の子に『ママ、ママ』ってまとわりつかれているうちは、オキシトシンっていうんですか? 幸せホルモンが出るって言いますよね。もちろん息子を夫の代わりにしちゃダメですし、友達夫婦がラブラブなのを見て『うちはレスだよ』と羨ましくなることもありました。でも深く悩むことはありませんでした」。
それでも息子2人が反抗期になり彼女ができ始めると、急に「一生セックスレスっていうのもな……」とありがちな不満が頭をよぎったそうです。
「夫は若いカットモデルと密着した写真をインスタグラムにあげたり、女性スタッフも参加するゴルフ旅行に付き合ったり、仕事とはいえ『なんで私だけ』という不満が募りました」。
ある時、夫の「女性客とのサシ飲み」に苦言を呈したところ、「美容師はホストほどではないけど女性ファンの指名が欲しいサービス業だからそこは理解してよ」と言われたそうです。
「だったら私もそのサービス業の恩恵を受けてやろうと、カットモデル時代にお世話になったイケオジ美容師のサロンに久しぶりに行ってみました。そこで紹介されたのが『既婚者同士の交流サークル』の存在です」。

■既婚者同士の飲み会に潜入して出会いが

久しぶりに会ったイケオジ美容師に夫のフラフラした態度を愚痴ったところ、彼は苦笑して「えみちゃんも遊びに行ってみれば。うちのお客さんでも既婚者で出会いを楽しんでいる人はいっぱいいるよ。昔の合コンみたいなノリで楽しめるみたいだよ」と、既婚者マッチングサービスを勧めてきたそう。
イケオジ美容師に教えられたサービスは、想像よりもライトなものだったそう。
「飲み会マッチングアプリみたいなものですけど、基本的な理念では、不倫を推奨するものではなく『男女問わず結婚しても異性の友達を作ろう。家庭を壊すことなく気軽に息抜きや相談できる友達の輪を広げよう』というもの。とはいえ、肉体関係を持ったら規約違反なわけもなく、普通に秘密の関係ができているようです」。
えみさんが参加したのは、「男女ともに40歳から50歳までのスイーツ好きの会」というもの。
「とあるイギリスのお菓子作り番組が好きな人、という縛りでした。会場は都内の個室のレストランで、アフタヌーンティーを食べながら、男女10対10で番組の話をしたり、昼からシャンパンを飲んだり。やっていることは若い頃の合コンと同じです」。
そこで出会ったのが、百貨店や金融など多角的に経営している企業に勤める高志さん。49歳という年齢よりかなり若く見えて大きな目がかわいらしい、おしゃれな男性でした。

「実は私、匿名でブログをやっていて、普通の主婦ブログですけど『看護師の実態』『PTAの闇』なんかをぶっちゃけてそこそこアフィリエイトで稼いでいるんです。なので、照れもあって『匿名ブログのネタになるかな?って参加してみたんです』って話したら、彼も『実は僕もうちの会社がマッチングアプリの企画を出していて調査なんだ』って。お互いスパイみたいで楽しい気分になりました」。
会話がはずんだ2人は夕食デートの約束をして、お酒の勢いでそのままホテルへ。
「性交渉自体は『下着がお腹まで隠れているダサいやつだ』『胸は垂れているのが目立たないようにしないと』とか、自分がどう見えるかばかり気にしていた気がしますが……。彼が『えみさん、美人だからすごく緊張する』『二の腕が華奢で折れちゃいそう』とか、いいところを見つけて褒めてくれたので、リップサービスだとしても嬉しかったです」。
高志さんにももちろん妻がいて、既婚同士。
「今の奥さんとは子供がいないらしいですが、前妻のところに女の子がいて、円満離婚なので定期的に会っていて溺愛しているみたいです。そういうことを聞いても全然嫉妬の気持ちが起きない関係というのが初めてで新鮮でした」。

■ゴルフ接待の後の飲み会でオールは怪しい?

高志さんからはその後、時折食事の誘いのLINEが入ってきますが、今のところスケジュールが合わずに行けていないそうです。
「予定が合えば、またご飯に行こうかな? と思っています。前回飲みに行った日は、たまたま夫が出張で外泊する日だったので『じゃあ私は友達と飲むから深夜になる』と家族には言っていました。息子たちは、喜んで2人でファミレスに行っていましたね。高志さんの方は『ゴルフ接待の後の飲み会でオールになるかも』と奥さんに言い訳したそう。『あ、その言い訳うちの夫も使っている』と苦笑しちゃいました」。
今回はたまたま深い関係になる相手がいたものの、「ただ合コン感覚でおしゃべりしに行く」だけでもストレス解消になるのではないかと分析するえみさん。
「そのほうが夫の外泊にピリピリしなくなりますし。家庭円満のためにアリっちゃアリなんじゃないでしょうか? 本当は「ただの友達作りのランチだけ」と割り切って参加するのが一番、ノーリスクハイリターンなんでしょうね」。
えみさんも最初はそのつもりでしたが、高志さんがかなり好みのルックスだったので、次回も誘われたら断る自信がないそうです。

※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。

取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA

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