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映画『高校教師』で主演…遠山景織子さん(49歳)が「他の女優さんを羨ましく思った時期」とは

  • 2024.6.21

「南アルプスの天然水」のCMや映画『高校教師』で、視聴者に鮮烈な印象を残した女優・遠山景織子さん。今年49歳になる今も、当時の透明感や儚げな雰囲気は健在。デビュー間もなくのブレイクで多忙を極めながらも、20代で妊娠を機に休業を経験。その後復帰するも、実は思うように女優業に邁進できなかった時代があると語ります。「平坦ではなかったし、いつも笑っていたわけじゃありません」。ようやく階段を一段ずつ登るような実感を得た今現在に至るまでを、美ST ONLINEでじっくりと語っていただきました。

お話をうかがったのは…遠山景織子さん(49歳)

《Profile》

1975年5月16日生まれ、東京都出身。1992年「南アルプスの天然水」の初代CMガールに起用され注目を集める。1993年に映画『高校教師』でヒロインに抜擢され、日本アカデミー新人賞など多数受賞。以後、多数のドラマ、映画、舞台に出演。また、バラエティ番組『笑う犬の生活』(フジテレビ)では、コントにも挑戦し人気を博す。お弁当レシピを紹介する著書『遠山さんちの明日のお弁当』(竹書房)を出版するなど多方面で活躍。

ドラマもバラエティもNGの厳しい家庭から、中学生で芸能の世界へ

今年49歳になり、芸能生活は31年目になります。ありがたいことに、今はドラマのほかに舞台を多くさせていただいていて、稽古などで充実した日々です。ようやく女優として階段を上がっている実感がありますね。

芸能界デビューのきっかけはスカウトでした。中学2年生になる春休みだったかな。生まれて初めて行った原宿の竹下通りで声をかけられました。実はうちは父がとても厳しくて、地元の町田から出ることすら許してくれなかったんです。父に内緒で友達と遊びに行って、「原宿でスカウトされた」なんてもってのほか(笑)。「地元でスカウトされた」と言い訳しようかと、本気で思いました。

そんな父だったのでドラマやバラエティを見ることも禁じられていたのですが、当時はアイドル全盛期。中山美穂さんの大ファンでCDは全部持っていましたし、同世代だと宮沢りえさんや後藤久美子さんが憧れで、父がいない時にこっそり見ては憧れを募らせていたのだと思います。まさか自分が芸能人になれるとは思っていませんでしたね。

演じる楽しさの目覚め、そして高校中退してまで女優を極める覚悟を

事務所に所属してからはしばらくモデル活動が中心でした。雑誌に出たりしながら、たくさんのオーディションを受ける中で出演が決まったのが「南アルプスの天然水」のCM。思えばこのCMが「モデルじゃなくて女優になりたい」と思うきっかけでした。15秒、30秒の演技なんですが、テイクを重ねるたびに楽しくて、演出家さんの意図に応えるのに夢中でしたね。だから気持ちがドラマや映画に向いていったのはごく自然なことだったんです。もっと長くお芝居で表現がしたい、と。

それからほどなくして映画『高校教師』のオーディションに受かって、撮影漬けの日々に。あまりに忙しくなってしまったので、実生活での高校の授業日数が足りなくなり、進級できなくなってしまったんです。1年留年して高校を続ける選択もありましたが、私自身は、これからもっと演技の仕事をしていく心づもりでしたから。高校は中退を選んだんです。
あんなに厳しかった父は賛成してくれましたが、母からは最期まで反対されましたね。母は看護師をしていて、手に職をつけることには賛成でしたけど、何せ芸能界は不安定ですから…。今でこそ当時の両親の気持ちは痛いほどわかりますが、私も頑固だったので(笑)。「私は決めたから!」と啖呵を切ったんです。とはいえ、両親は私が本気でたくさんのオーディションに受け続けている姿を見てきていたし、最終的には認めてくれました。

“普通の生活”の繰り返しに焦っても、自分がどうありたいかはブレませんでした

今振り返ってみると、女優デビューし高校を中退してから、20代前半にかけて、年間でずっとドラマや映画に出演させていただいていましたね。でも、芸能の仕事は水ものというか、浮き沈みは誰しもにあって、仕事が減って辞めていってしまう人達がとても多いんです。私も実際にそういう時期を経験しました。

26歳で出産し、休んで復帰してからの数年後、35歳くらいの時は役の転換期もあり、中々役にハマれない時期がありました。2、3年くらいは続いたかな。自分がいかにチャンスやタイミングに恵まれていたか、あの頃ほど痛感したことはないですね。

まだまだ階段を上がれていない思いに焦ったり、子育てをしながら普通にごはんを食べて寝ての繰り返しがすごく嫌で、他に活躍する女優さんを羨ましく思ったり、葛藤していたことも。
でも、その先どうなるかはわからなくても、どうありたいかは明確でした。それは、出会ったことがないステージや、見たことのない世界を経験して、上に上に登っていける自分。思い返せばそうした気持ちは女優を始めたときから自分の中に芽生えていて。だから、周りの人に「今はしょうがないよね」と励まされながらも、毎年芸能の神様を拝みに行ったり、映画やドラマを観てインプットしていつ声をかけていただいても良いような準備をしたり、自分にできることを着実にできていたのだと思います。

昔も今も思いは同じ。真っ白なキャンバスのような女優であり続けたい

昔も、芸歴31年目を迎えた今も変わらずにあるのは、常に何色にでも染まれるように真っ白なキャンバスでありたいという気持ち。だから、イメージ通りのままを演じるのも好きだし、全く真逆を演じるのも、ギャップで人を驚かすのも楽しくて大好き!

例えば、私の女優としてのイメージを覆してくれたバラエティの『笑う犬』シリーズ。それまで幸薄い系の役が多かった中で、役柄を広げる貴重になりましたね。

同世代の女優さんやタレントさんに憧れを持ったこともありますが、誰にも真似できない存在感を持っていたいです。50代になったらどんな役がくるかなぁ。お母さん役を始め、幅広くお芝居をしたい。海外の作品にも、チャンスがあれば是非挑戦したいと思っていますね。

《衣装クレジット》

ジャケット¥31,000 チューブトップ¥8,000 パンツ¥15,000(すべてバナナ・リパブリック)靴¥17,600(ダイアナ/ダイアナ 銀座本店)ピアス¥14,700 チョーカー¥4,860 ブレスレット¥9,990 リング¥9,720(すべてアビステ

【お問い合わせ先】
アビステ 03-3401-7124
ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005
バナナ・リパブリック br_info@bananarepublic.jp

撮影/鈴木章太 ヘア・メイク/KIKKU(Chrysanthemum) スタイリスト/中村智香子 取材/キッカワ皆樹 編集/浜野彩希

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