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【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】レス夫から「衝撃の告白」…妻はその時

  • 2024.6.19

日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。性交渉はなくとも仲睦まじく暮らすレス夫婦も少なくありませんが、時に思いもよらぬ「要因」を知ることも。40歳のサラさん(仮名)は大学院で出会った男性と結婚し2人の子供にも恵まれましたが、コロナ禍に思いがけず夫の同性愛傾向を知ることになったそうです。

■大学院で出会った夫に自分からアプローチ

ニュージーランド人の父と日本人の母を持つサラさんは、日本生まれの日本育ち。
「子供の頃は今よりもっと金髪に近い髪色で、突然英語で話しかけられることも多かったんです。リスニングはそこそこできましたが、英語は苦手。学校での英語の成績はあまりよくありませんでしたし大学も理系です」。
そんなサラさんと夫の利一さん(仮名)は関西の大学院でともに物理学を専攻していました。
「彼のことは、初対面で『好みのタイプ』と思いました。私から何度か食事に誘い、2回目のデートで私の古いノートパソコンを譲ることになり、彼の部屋に上がって設定をしている時にキスされて、付き合うことに」。
修士課程を修了したサラさんが東京の学習塾に講師として就職した時、博士課程に進んだ利一さんとは一旦別れて疎遠に。しかし利一さんが研究者として東京の大手精密機器メーカーに就職すると2人の関係が再燃。
「お互い社会人なので今後もまた転勤で離れたら嫌だなと思い、28歳の時に結婚することに。新婚旅行にはNASAケネディ宇宙センターに行って宇宙食を食べたり楽しい時間を過ごしました」
サラさんは31歳と33歳で元気な男の子を授かりました。

■結婚から7年、35歳の時には完全なセックスレスに

「私の見た目が外国人風という個性はありますが、うちはごく普通の夫婦だと思っています」。
サラさんがプロテスタントのクリスチャン家庭育ちで利一さんが無宗教という文化の違いもありましたが、柔軟な考えの利一さんは教会のボランティアを手伝うことも。サラさんも利一さんの母親の葬儀では数珠を持参するなど、お互いの文化や背景を尊重しつつ、穏やかな毎日を送っているそう。
「性交渉は交際半年くらいのドキドキ期を過ぎると緩やかに減っていきました。結婚後、妊活中、と一時的に頻度が上がったこともありますが、35歳くらいにはなくなっていましたね。私には比べる元カレは2人しかいないんですが、どちらかというと夫も私も性には淡白な方だったかも」。
とはいえ学生時代には利一さんの部屋で人気セクシー女優のアダルトビデオを発見したことも。
「美人の先輩に見るからにデレデレしているのを見て私が嫉妬したこともありますし、彼はごく一般的な男の子でした」。

■推し活にハマって1人でライブに行くことも

「正直、どれだけ顔が好みでも、同じトイレを使い同じ風呂に入って、隣でおならをしながら寝ている家族とイチャイチャするのって気まずくないですか?私が少し変なのかも知れませんが、今までセックスレスだということを気に病んだことはないです」。
そうキッパリ言い切るサラさん。
「友人でもいろんなかたちで欲求を発散している人がいます。こっそりセフレを作る人、セルフプレジャーで解消する人、ヨガにハマる人、子離れができないほど子供と仲良くする人。私は推し活ですかね」。
サラさんはとある女性ダンスアイドルグループの熱心なファン。特にショートヘアでクールな瞳の美少女メンバーが大好きで、1人でもライブに参戦するほど。
「彼女はそのグループは脱退しちゃったんですけど、その後はソロとして歌を出していて最高にクール。今でも応援しています」

■次男のADHDがきっかけで、夫から思わぬ告白を受けることに

サラさんは、子供の頃から天真爛漫で忘れ物が多く自分の趣味の話をすると止まらなくなる、など個性的な性格だったそう。
「昔は特に気にしたことはありませんでした。見た目が外国人なので『外国人だから不思議ちゃん』で許されていましたし。ところが、下の息子が小学校1年生になると授業中の立ち歩きがひどくて特別支援室に通うようになり、そこで息子の特性を指摘されて……」。
次男は勧められて検査を受けたところ、ADHDの傾向が強いという結果を言い渡されます。
「そう考えると私も息子と同じだったなって思っちゃいました。立ち歩きこそ目立ちませんでしたが、ウンテイにハマりすぎて授業が始まっているのに気が付かず校庭で遊んでいて先生が呼びに来たことが何回もあったのを思い出しましたね」。

その頃、夫の利一さんは新型コロナウイルス感染症の流行により仕事上の危機に直面。進めていたプロジェクトが次々と中止になり、軽い鬱状態に陥っていました。
「そんな夫に私の悩みを相談することは気が引けましたが、夫と同じ心療内科に通ってみるのもよいかなと思って『私は次男と同じADHDかもしれない』と思い切って打ち明けてみました」。
そのとき利一さんがサラさんの膝に手を置き発した言葉は、思いもよらないものだったそう。
「人間みんな特性や個性がある。普通ってなんだろうね」。
利一さんにも発達障害の傾向があるのかと「なにかあるの?」と聞いたところ、「ずっと苦しかったから僕も言わせて。実は先月、男性の恋人ができた。不快な思いをさせたら本当に申し訳ない。僕はこのまま家族は大事にしたいけれどそれはワガママかもしれない。離婚したいのならそう言ってくれ」という告白を受けたそう。

■夫の告白に驚きや怒りは全く感じなかった

不思議なことに驚きや怒りはまったく湧いてこなかったとサラさん。
「なんとなく彼の行動に合点がいったので『なんだそうだったのか』と思ったことと、『秘密にしていたから悩んでいたのならこれで夫の鬱が治るかもしれない』という希望の方が大きかったです」。
利一さんは、コロナ禍で鬱々としていた時ネットサーフィンばかりしており、今まで見ることがなかった同性愛系のマッチングサイトに強い興味を持っている自分に気がついたとのこと。
「私は離婚なんかしたくない、とすぐに答えました。男性の恋人のことをどう捉えるのかは、子供のこともあるのですぐには言葉が出ませんでしたが、『悪い人ではないの?騙されていないか心配』と伝えると、『お母さんか!』と笑いながら手を取ってお礼を言われました」。
利一さんは、サラさんが即答で自分の傾向を肯定したことに驚いたのか「サラは女性が好きとかそういう傾向はないの?昔から女性アイドルが好きだけど」と聞いてきたそう。
「それについて真剣に考えてみたんです。確かに私は芸能人女性に対してルックスの好みで推しを作る傾向があります。でもどれだけ考えてもキスや性交渉をする図が浮かばない。まだ男性の韓流俳優のほうが妄想できました」。

サラさんと利一さんは、表向きは今までと変わらず仲の良い家族として休日はワンボックスカーでバーベキューに出かけたり釣り堀に行ったりするアクティブな生活を送っています。利一さんの彼氏は建築業の30代とのことですが、今のところ会う予定はないといいます。
「変わったことといえば、夫婦で心療内科に行って併設されているカウンセリングルームで定期的にカップルカウンセリングを受ける習慣ができたことでしょうか。特性や個性があるからこそプロのアドバイスに頼りながら生活する大切さを実感しています」。

※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。

取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA

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