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石垣島で、「何もしない」という贅沢を。 ANAインターコンチネンタル石垣リゾート「ベイウィング」で過ごす休日

  • 2026.11.8

日本のプレミアムなホテル

ANAインターコンチネンタル石垣リゾート<br /> <br /> <br /> セントレジス<br />
ベイウィングのフロントスペース。

飛行機を降りると、空気が変わる。東京でまとっていた時間の速さが、少しずつほどけていくようだった。石垣空港から車に乗り、窓の外を眺める。低い家並みが過ぎ、鮮やかな緑の向こうに海が見えてくる。気持ちもゆっくりと、旅の時間へ切り替わっていった。

向かったのは「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」。
東京ドーム約6個分という広大な敷地に、宿泊棟やレストラン、プール、テニスコート、スパなどがゆったりと点在する。その先にはマエサトビーチ。海と空の青さに引き込まれていく。

石垣島まで来たのだから、離島にも行きたい。島の店を訪ねたいし、海でも遊びたい。出発前には、やりたいことをいくつも思い描いていた。それなのに、プールの向こうに広がる海を見た瞬間、気持ちが変わった。

今日は、ここにいよう。

あれほど考えていた予定を、こんなにあっさり手放せるとは思わなかった。何かをしに行く旅ではなく、ただそこにいるための旅。石垣島には、そんな休日も似合う。

海から見たホテルの全景。

海と空につながる宿泊棟「ベイウィング」

滞在先に選んだのは、2020年に誕生した「ベイウィング」。敷地内にはほかに「オーシャンウィング」「コーラルウィング」、そして「クラブインターコンチネンタル」があり、それぞれに異なる滞在の楽しみ方が用意されている。

ベイウィングへ足を踏み入れ、ふと見上げると、頭上にはサンゴを思わせる意匠が広がっていた。視線を前に戻せば、プール、その向こうに海、さらに空が続く。境目がわからなくなるほど、景色がひと続きになっている。
建物は8階建て。高くそびえるのではなく、空の広さを残すようにたたずんでいる。

エントランス
ホテルのエントランスには、南国らしい開放感と落ち着いた品格が漂う。
オーシャンウィング側から望む、ベイウィングとクラブインターコンチネンタル。

チェックインを終えて客室へ。白を基調にした明るい空間には、石垣島の自然や文化を思わせる意匠がそっと取り入れられている。ベランダへ出ると、眼下にはプール。潮の香りを含んだ空気を胸いっぱいに吸い込んだ。

この瞬間のために、日々を頑張ってきたのかもしれない。そんなことが、ふと心に浮かぶ。

2シングル ベイウィング オーシャンビューの客室。
2シングル ベイウィング オーシャンビューの客室。
プール
ベランダからはサンセットプールが見渡せる。

海を眺めて、島の味をいただく

荷物を置いて、まず向かったのはベイウィング1階のレストラン「SALTIDA(サルティーダ)」。ベイウィングとクラブインターコンチネンタルの宿泊者が主に利用する、ゆったりとした空間だ。大きな窓から差し込む日差しの中、芝生やプールを眺めながら食事をいただく。それだけで、幸せな気持ちに包まれる。

「SALT=塩」「TIDE=潮」、そして沖縄の言葉で太陽を意味する「てぃーだ」。その名のとおり、ここでは海と大地の恵みを料理で味わうことができる。

レストラン
まるで海中のような店内
ランチ
手前は「やんばる鶏のグリルバーガー 照り焼きグレーズ」、奥は「ベジタブルキーマカレー グリル野菜 ピタブレッド」。

この日のランチは、人気と聞いたハンバーガーとパイナップルジュースを選んだ。パイナップルジュースの甘酸っぱさが喉を潤し、ひと口かじったハンバーガーからは肉の旨みが広がる。照り焼きソースのコクも重なって、思わず「おいしい」と声がこぼれた。

厨房を率いるダワ・レプチャ料理長は、シックスセンシズやソネバ キリ、フォーシーズンズなどで経験を重ねてきた人だという。世界で磨いた感性を、石垣島や沖縄の食材に向ける。華やかさの奥に、この土地を大切にする思いが感じられた。

お腹が満たされると、次の予定を急ぐ気持ちはますます薄くなった。遠くへ出かける代わりに、水着に着替えてプールへ行こう。

写真左はダワ・レプチャ料理長。
写真左はダワ・レプチャ料理長。

石垣島の太陽が降り注ぐサンセットプールへ

ベイウィングとクラブインターコンチネンタルの宿泊者が利用できる「サンセットプール」には、落ち着いた時間が流れている。

少し泳いで、デッキチェアに戻る。冷たいドリンクを飲みながら水面を眺め、また泳ぎたくなればプールへ。プールサイドには予約制のカバナもあり、そこを一日の居場所にすることだってできる。

時計を見て何かを決めなくてもいい。次にどこへ行くか、考えなくてもいい。海を見て、空を見て、ただ気の向くままに過ごす。

何もしていないのに、少しも退屈しない。不思議なことに、何もしない時間にこそ、この場所の豊かさが満ちていた。

プール2
クラブインターコンチネンタルとベイウィングの宿泊者が利用できるサンセットプール。夏季は22時まで利用できる。

午後の小さな寄り道、忘れられないスイーツとの出合い

プールから客室へ戻る途中、1階の「Palette(パレット)」に立ち寄った。石垣島や沖縄の作家による琉球漆器、八重山諸島の自然石を使ったアクセサリー。並んだ作品を眺めていると、ホテルにいながら島のものづくりに触れている気分になる。

深い海のような青のアクセサリーに心が奪われつつ、そのまま奥のカフェへ。ショーウインドーに並ぶスイーツが、今度は目を離させてくれなかった。

パレット
デリ&カフェに加え、土産物が並ぶショップやワークスペースも備える「Palette」。

いただいたのは、お茶をベースにしたスイーツ。ひと口目には上品な甘さがあり、そのあとにやわらかな酸味や食感が重なる。派手な驚きではなく、食べ進めるほどに丁寧なおいしさが伝わってくる。

エグゼクティブペストリーシェフのテイ・ショウ氏は、パレスホテル東京の「エステール by アラン・デュカス」や「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」などで経験を積み、ル・コルドン・ブルー日本校でも学んだという。なるほど、とその一皿を前に納得した。

東京へ持ち帰れないだろうか。そんなことを真剣に考えたほど、忘れがたい味だった。旅の記憶は、案外、こんな小さな寄り道の中に残る。

スイーツ
「モンブラン・ほうじ茶」(写真左)、アールグレーを使った「ハイビスカス」(中央)、「アナナス・ジャスミン」(右)。

その先にある「クラブインターコンチネンタル」

ベイウィングの先には、通路でつながる「クラブインターコンチネンタル」がある。今回はそこに宿泊していないけれど、次に訪れる楽しみとして、心に留めておきたい場所だ。

一部の客室フロアだけでなく、一棟すべてがクラブカテゴリーという特別なつくり。全86室に対して専用ラウンジや専用プールが設けられ、専属スタッフによるサービスが用意されている。このように一棟まるごとクラブインターコンチネンタルとしたのは、日本で初めてだという。ラウンジでは朝食、アフタヌーンティー、イブニングカクテルまで楽しめる。きっと、そこにも別の「何もしない贅沢」があるのだろう。

ラウンジ
ゴルフ場やプールに面したラウンジでは、クラブインターコンチネンタル宿泊者向けに、朝食、アフタヌーンティー、イブニングカクテルが提供される。
クラブプール
ゴルフ場の横にある、クラブインターコンチネンタル宿泊専用のプール。
ゆったりとした時間を演出するアースカラーのインテリア。美しい景色も部屋の一部。

そして、このリゾートにはもうひとつ、心と体をゆるめる選択肢がある。オーシャンウィングにある「Spa Agarosa(スパ アガローザ)」だ。2020年の「クリスタルアワード」で日本No.1スパに選ばれた実績を持ち、島の自然を生かしたトリートメントをそろえている。

石垣島産のユーグレナ、沖縄県産の月桃(げっとう)、八重山諸島の海水。耳にするだけで、この土地の香りや風景が浮かぶような素材が使われているという。海で遊び、プールでくつろぐだけでなく、島の恵みに包まれながら自分をいたわる時間も選べる。予定を詰めない休日だからこそ、そんな過ごし方がよく似合う。

石垣島の自然の恵みを取り入れたトリートメントで、心身をゆったりと解きほぐす。
「スパ アガローザ」には、月の満ち欠けのリズムを活用したメニューや「石垣エクスペリエンス」などが用意されている。

夕暮れのカバナに、ふたりだけの時間が灯る

夕方、昼間を過ごしたプールサイドへ、もう一度戻った。この夜の夕食は、夏季限定のカバナで楽しむロマンティックディナーだ。

空の色が少しずつ深くなり、プールには灯りがともり始める。水面に映る光を見ていると、昼間とは違う静けさがあたりを包んだ。カバナの中だけが、周囲の時間からそっと切り離されたようだった。

1日2組限定のカバナディナー。開催期間は6月28日~10月31日。グラスシャンパン付きコースは2名60,000円(税・サービス料込み)。※内容・期間・料金は変更になる場合があります。

料理もワインもシャンパンも、ふたりのために運ばれてくる。ここでプロポーズをしたり、記念日を祝ったりする人がいると聞いた。確かに、この景色と時間なら、忘れられない一夜になるだろう。

コースには島魚や島野菜を使ったフランス料理が並ぶ。なかでも心に残ったのは、石垣牛ヒレ肉のステーキだった。ナイフを入れると驚くほどやわらかい。そこにフォアグラとポルチーニ茸のクロケット、トリュフソースが重なり、香りとコクがゆっくり広がっていく。

もう十分に満たされたと思っていたのに、気づけば皿はきれいになっていた。旅から戻ったあと、何度も思い出す味というのは、きっとこういうものなのだ。

島魚と島蛸のカルパッチョ 菜園仕立て シークヮーサーマヨネーズ
厳選石垣牛ヒレ肉のウッドファイアーグリル フォアグラとポルチーニ茸のクロケット トリュフソース
フロマージュブランのムース シトラスオレンジソース バニラアイスクリーム

一日の終わり、星空ツアーで出合った土星

ディナーのあとは、ホテルが開催する星空ツアーへ。昼間、海を映していた空は、すっかり夜の表情に変わっていた。

この日は空一面に星がこぼれるほどではなかった。それでも、東京ではなかなか出会えない数の星が見える。デッキチェアに身を預け、ガイドの軽快な説明に耳を傾けながら、ひとつ、またひとつと星を探した。

天体望遠鏡をのぞくと、そこには土星があった。遠くにあるはずの惑星が、突然、目の前の出来事になる。その小さな驚きが、妙にうれしい。

時期によっては、南十字星を観察できることもあるという。夜空を見上げながら、石垣島の一日が静かに終わっていった。

星空
ガイドの説明があるため、星に詳しくなくても楽しめる。

目覚めた時にも、海はそこにある

翌朝、カーテンを開けると、前の日と同じ海が、朝の光の中に広がっていた。昨日、夕暮れに見た海とも、夜空の下で想像した海とも違う。景色は変わらないのに、時間が変わるだけで新しく見える。

朝食は、再びSALTIDAへ。ブッフェには洋食や肉料理のほか、八重山そばなど沖縄の料理も並んでいる。せっかく石垣島にいるのだから、と島の味を中心に皿を満たし、最後にはフルーツもたっぷりいただいた。

朝食ブッフェには、洋食から沖縄料理まで、さまざまなメニューが並ぶ。
ロティサリーポーク、にんじんしりしり、もずく酢、ゆし豆腐、ぐるくんの唐揚げなど、沖縄料理を中心に。

コーヒーを飲みながら、今日をどう過ごそうか考える。マエサトビーチでシュノーケリングを楽しむのもいい。島へ出かけてもいいし、昨日と同じプールサイドに戻ったっていい。

 

 

旅先では、どれだけ多くの場所を訪れたかが思い出になることもある。でも、この旅で残ったのは、移動した距離ではなく、ひとつの場所で過ごした時間の手触りだった。日差しをたっぷりと浴びて、プールサイドでのんびりと過ごしたこと。思いがけず出合ったスイーツ。ロマンチックな夕暮れの食卓と、夜空に輝く星。

石垣島では、のんびりとした時間を過ごすことが、素敵な旅の計画になる。帰るころにはもう、またここへ来たいと思っていた。

ビーチ
左奥に見えるのが「マエサトオーシャンパーク」。施設面積を720㎡から2,448㎡に拡張し、3基のスライダーや、3歳から楽しめるキッズエリアなどを備える。

ANA インターコンチネンタル石垣リゾート

沖縄県石垣市真栄里354-1

Text by Yuko Taniguchi
Photos by Hidehiro Yamada


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