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2026年冬、香水のトレンドが変わる!「静かな贅沢」を叶える5つの香り

  • 2026.11.2

冬の香水といえば、バニラやアンバーのような甘く重厚な香りが定番。しかし今年は、そのイメージが少し変わりそうだ。米Allureが調香師や香料メーカーの専門家に取材したところ、2026年冬のキーワードは「静かな贅沢」。遠くまで香らせるよりも、そばにいる人にだけ届くような、心地よく親密な香りが注目されているという。(フロントロウ編集部)

背景にあるのは「癒やされたい」気分

フランスの老舗香水ブランド、ゲランのフレグランス・クリエイティブ・ディレクターを務める調香師デルフィーヌ・ジェルクは、今のトレンドについて「慰めや安心を求める気持ちが広がっている」と説明する。目まぐるしく変化する日常の中で、香りは自分を優しく包み込むような、ささやかな安らぎを与えてくれる存在になっているという。

米Allureが引用した市場調査プラットフォームSpateのデータによると、ラグジュアリー香水の人気は前年比123.7%増加。しかし、求められているのはブランドのロゴや価格でぜいたくさをアピールすることではなく、上質なものを日常で楽しむ「静かな贅沢」だ。

2026年秋の香水トレンドでは、コーヒーやレザー、ダークフルーツなど深みのある香りが注目されていたが、冬はさらに肌なじみのよさや心地よさが重視されている。そんな今季を象徴する5つの香りを紹介する。

1. 冬の森を思わせるグリーンとウッド

ひとつ目は、雪の積もった森を歩いているような、澄んだ空気を感じさせる香り。シダーやパイン、モミ、ユーカリ、ローズマリー、ジュニパー、モスなどのウッド系やグリーン系の香料を組み合わせ、冬の森ならではの冷たさを表現する。

Spateの調査では、「ウッディな香水」の検索数が前年比243.8%増加。自然の香りが心身のリラックスにつながることを示した研究もあり、デジタル疲れを感じる人たちにとって、森を思わせる香りが心地よく感じられるのかもしれない。

ポイントは、モスやハーブに加え、サンダルウッド、ウード、パチョリといった深みのある香りを重ねること。そうすることで、単なる「クリスマスツリー」のような香りではなく、奥行きのある「冬の森」を表現できるという。

1912年に誕生した名香を新たに解釈し、2026年に発売されたゲランの「ルール ブルー」も、そんな冬の空気感を思わせる香水のひとつ。オゾンのような澄んだ香りを取り入れることで、冷たい外気が肌に触れるような感覚を表現している。

2. 焼きたてのパンを思わせる「ベーカリー系グルマン」

お菓子や食べ物を思わせる甘い香り「グルマン」も、今季は少し大人っぽく進化。砂糖たっぷりのキャンディーやケーキではなく、焼きたてのパンやバターの香ばしさが漂う、上質なベーカリーのような香りが注目されている。

スイスの香料メーカー、ジボダンでマーケティングなどを統括するアルノー・グッゲンビュールは、パンやバター、ほんのりローストしたような香りを、今季の安心感を象徴するものだと説明する。

ローストしたマカダミアナッツやハチミツ、もちを思わせるミルキーな香りなど、甘さだけに頼らない奥行きがポイント。焼き菓子を思わせながらも、甘すぎず洗練された香りが人気を集めている。

3. 軽やかで透明感のある「お香」

スモーキーで存在感の強いお香の香りも、今季はぐっと軽やかに。アルノーによると、香りに求められるものは「部屋の向こうにいる人に気づいてほしい」から「近くにいる人に気づいてほしい」へと変化しているという。

これまでのお香系フレグランスは、重厚で神秘的な印象が強かった。しかし今季は、乳香やエレミといった樹脂系の香りに、シトラスやフローラル、淡いウッドを組み合わせた、透けるような軽やかさが特徴だ。

瞑想やマインドフルネスへの関心の高まりも、このトレンドを後押ししているという。強い香りで存在感をアピールするのではなく、自分自身を落ち着かせるために楽しむ。そんな香水の使い方が広がっている。

4. カシミヤのような肌ざわりのムスク

まるで上質なカシミヤのブランケットや、洗いたてのリネンのシーツに包まれているような香りも、今季の主役のひとつ。カシミヤやスエード、ベルベット、コットンといった素材の質感を思わせる香りに、肌そのもののような柔らかなムスクを重ねるのが特徴だ。

Pinterestでは、肌に自然になじむ香りを意味する「スキンセント」の検索数が287%以上増加。華やかな香りをまとうよりも、肌からほんのり漂うような、さりげない香りに関心が集まっている。

こうした香りによく使われるのが、香料メーカーIFFが開発した合成香料「カシュメラン」。カシミヤそのものの匂いを再現するというより、カシミヤに触れた時の柔らかく温かな感触を、香りで表現するのが特徴だという。

5. 重たい冬の香りを軽やかにする「ピンクペッパー」

最後は、ピリッとした刺激と明るさを加えてくれるピンクペッパー。日照時間が短く、気分も沈みがちな冬に、香りで軽やかさを取り入れるアクセントとして注目されている。

ピンクペッパーは、ブラックペッパーに似たスパイシーさを持ちながらも、よりフローラルでフルーティーな香りが特徴。シトラスを思わせる爽やかさもあり、ウッドやアンバー、バニラ、お香など、重たくなりがちな冬の香りに軽やかさをプラスしてくれる。

甘く濃厚な香りで寒さに対抗するのではなく、冬の澄んだ空気や肌に触れるぬくもりを香りで楽しむ。2026年の冬は、そんな新しい視点で香水を選んでみるのもよさそうだ。

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