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「下水くらい、通してくれてもいいのに」頼みを断ってから挨拶もしない隣の施主に、工務店の担当者が返した正論

  • 2026.11.6

隣の空き地に家が建つことになって

私の家の隣に、長い間空き地になっていた土地があります。あるとき、そこに家が建つことになりました。

ある日の昼、工務店の担当者と、隣に家を建てるという男性が、うちの玄関先にやってきました。

「突然すみません。ちょっとご相談がありまして」

担当者はそう言って、持ってきた図面を広げました。

説明によると、隣の土地はうちより少し高いものの、土地の前の道路よりは低く、下水道につなぐにはポンプが必要になるそうです。

ところが、うちの駐車場の下に管を通し、裏の道路につなげば、ポンプを使わずに済むというのです。

「それで、お願いなんですが……こちらの駐車場の下に、下水管を通させてもらえないでしょうか」

「うちの駐車場の下を、ですか?」

「はい。そうできれば、工事費用もかなり抑えられるんです」

隣の施主も、横から口を開きました。

「急なお願いで申し訳ないんですが、考えていただけませんか」

突然の話に戸惑った私は、その場では返事をせず、家族と相談させてほしいと伝えました。

その晩、妻と息子に事情を説明しました。

駐車場とはいえ、自分たちの敷地の下によその家の下水管が通ることには、やはり抵抗があります。

何か問題が起きたときのことも気になり、家族全員が反対でした。

数日後、再び訪ねてきたふたりに、私はお断りすることにしました。

「家族で話したんですが、申し訳ありません。今回はお断りさせてください」

すると、施主の表情が曇りました。

「そうですか……。何とかなりませんかね。うちも予算がぎりぎりでして」

「お気持ちは分かるんですが、敷地の下のことなので……。すみません」

私がそう答えると、施主は大きくため息をつきました。

そして、担当者と門を出ていくとき、ぼそっと言ったのです。

「下水くらい、通してくれてもいいのに」

小さな声でしたが、私にははっきり聞こえました。

正直、あまりいい気分ではありませんでした。

点検の日、工務店の担当者が伝えた一言

それからしばらくして隣の家が完成し、施主の一家が引っ越してきました。

ところが、あの件以来、施主の態度はよそよそしいままでした。

道で顔を合わせて「おはようございます」と声をかけても、こちらを見ずに車へ乗り込んでしまいます。

下水管の件を、まだ気にしているのでしょうか。

こちらも次第に、顔を合わせるのが気まずくなっていました。

そんなある日の昼、隣の家の最後の点検に、あの工務店の担当者がやってきました。

私が門の前で郵便受けをのぞいていると、すぐ隣から施主の声が聞こえてきました。

「いやあ、結局、工事費が結構かかりましたよね」

担当者が何か答えると、施主は続けました。

「お隣が下水を通させてくれてたら、もっと安くすんだのにね」

そう言いながら、こちらに顔を向けたのです。

聞こえないふりをするのも不自然で、私は思わず顔を上げました。

すると、担当者が落ち着いた声で答えました。

「ただ、それはお隣の方が悪いわけではないですよ」

「えっ?」

施主は少し驚いた様子でした。

「ご自分の敷地の下に管を通す話ですからね。断られることもあります」

「まあ、それはそうですけど…」

「それに、ポンプが必要になる可能性は、契約前にもお話ししていましたよね」

そう言われると、施主は黙ってしまいました。

ちょうど向かいの家の奥さんも庭先にいて、話し声が気になったのか、こちらを見ていました。

施主は私のほうをちらりと見ましたが、何も言わずに視線を戻しました。

私もそれ以上、何かを言うつもりはありませんでした。

それ以来、少なくとも私の前で、施主が下水のことを口にすることはなくなりました。

今でも道で会うと、気まずそうに目をそらして家へ入っていきます。

ご近所付き合いがよくなったわけではありません。

それでも、担当者があの場で事情をはっきり伝えてくれたことで、私の気持ちは軽くなりました。

家族で話し合って決めたことです。今はもう、断ったことを気にしていません。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた60代以上男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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