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【2027年エアコン問題】賢い選択とは? 冷えすぎ・カビ発生・電気代問題…一挙に解決! 〔家電ライターがわかりやすく解説〕

  • 2026.11.2
cocreco写真:GINTA/イメージマート

今年の夏も酷暑が予想される中、家電量販店では「エアコン2027年問題」によりエアコンの需要が高まっていると報じられています。

エアコン2027年問題とは? 買い替えどきはいつ? 子育て家庭はどんなエアコンを選んだらよい? 家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。

エアコン2027年問題とは? 今が買い替えどきなの?

2027年4月から、エアコンに適用される省エネ基準が大幅に引き上げられることが、経済産業省から発表されました。これにより、社会全体での省エネ化が期待される一方で、ある心配事が消費者の間に広まっています。

これまで市場には「とにかく安く買いたい」という消費者ニーズに応え、省エネ性能が低い、安価で操作が簡単なエントリー/スタンダードモデルが多数存在していました。しかし新基準を満たさない低価格帯の製品が減少することで、エアコン全体の価格が上昇し、消費者の負担増につながると懸念されているのです。

果たして、エアコンは今が買い替えどきなのか? また、「省エネタイプのエアコンに替えたら電気代が安くなる」という話は本当なのでしょうか。

家電ライター・田中真紀子さんの答えは?

「疑問がわいたときにまず確認したいのが、今使っているエアコンの期間消費電力量(年間消費電力量)です」(田中さん・以下同)

エアコンは1年中使うわけではないので、製品カタログに『期間消費電力量』が数字で示されています。その期間消費電力量に、 新電力料金目安単価の『31円/kWh』を掛けると年間電気代を算出できます。参考までに、カタログ記載の期間消費電力量が1639kWhの場合、1639kWh×31円/kWh=5万809円が年間電気代です。他方、省エネ性能の高い最新のハイグレードモデルになると、年間電気代の目安が3万円程度となっており、その差は歴然。

「10年以上前のエアコンと比べれば、現行の省エネモデルへの買い替えで電気代が大幅に下がるケースは多くあります。一方で、10年以内に購入したエアコンであれば、2010年に省エネ基準が引き上げられていることから、買い替えによる節電効果はそれほど大きくない場合も。

自分のエアコンの省エネ性能を正確に知りたいなら、環境省の省エネ製品買い換えナビゲーションサイト『しんきゅうさん』を活用するといいでしょう。現在使用中の製品の型番などを入力することで、新しい製品との年間電気代の差が一目でわかります」

試しに「しんきゅうさん」のシミュレーションに入力して確認したところ、2015年に購入した4.5kw(12~19畳)のエアコンをダイキンの「うるさらX・RシリーズAN406ARP」(2026年発売、4.0kw(11〜17畳)モデル)に買い替える場合、期間消費電力量(年間消費電力量)は約603kwの省エネになり、年間電気代は1万8690円もお得になるとの結果に。

14年以上使えば、ハイグレードモデルの省エネエアコンを購入しても十分元は取れる算段です。

しかし、5~6年前に買ったエアコンなら、買い替えよりも定期的なフィルター掃除や適切な使用で電気代を抑えるほうが合理的です。まずは「しんきゅうさん」で自分のエアコンの実力を確認しましょう。

cocreco「しんきゅうさん」で、現在使っているエアコンと買い換え予定のエアコンの年間電気代などを比較した結果。エアコンの場合、「年間消費電力量」は「期間消費電力量」を表す。(編集部調べ)

なぜ安いモデルじゃダメなの?

メーカーにもよりますが、エアコンのグレードは大きく分けて3段階あります。

「標準モデル(スタンダード/エントリー)」は、冷房・暖房・除湿の基本的な機能のみを備えたシンプルなエアコンで、価格の安さが大きな魅力。しかし省エネ性能が低く、中・上位モデルに比べて電気代がかかります。

「中位モデル(ミドルグレード)」は、冷房・暖房・除湿の基本的な機能に加えて、「フィルター掃除機能(自動掃除機能)」がついているエアコンです。価格は10~20万くらいで、標準モデルよりも省エネ性能が高いのが特徴です。

そして最上位の「上位モデル(ハイグレード)」は、冷房・暖房・除湿機能、フィルター掃除機能に加えて、「AI機能」や「カメラ機能」、「温度調整センサー」や「空気清浄機能」などがついており、快適な環境をつくりだしてくれます。

一方で価格は20~30万円以上とかなり高額。しかし省エネ性能は一番高く、電気代がかなりお得になります。

購入後10年間使うことを考えると、「標準モデル」は購入価格は安くなりますが、省エネ性能が低いため電気代が高くなり、結果的に損をすることも。さらにもうひとつ、購入時にも損をすることがあるのです。次で詳しく説明しましょう。

お得にエアコンを買う方法

試算の結果、やはり省エネタイプに買い替えた方が電気代の節約になりそうなら、住んでいる都道府県・市区町村にエアコンの補助金制度がないかをチェックすることをおすすめします。

「省エネ性能3以上のエアコンを購入する場合、多くの自治体が独自の補助金制度を設けています。自治体によっては複数の補助金制度を組み合わせて申請できる場合もあり、条件次第では数万円の補助が受けられることもあります」

一例として東京都では、「東京ゼロエミポイント(家庭のゼロエミッション行動推進事業)」として省エネ家電の買い替えにポイントを付与して値引きしており、省エネ性能2.0〜2.9でもポイントが付与されます。自治体によって基準が違いますので、自治体のHPやエアコン購入時に販売店で確認しましょう。

ほか、省エネタイプか否かに関わらず、熱中症対策として児童扶養手当受給世帯、高齢者世帯、住民税非課税・均等割のみ課税世帯にはエアコン設置支援(購入費用助成)制度を設けている自治体もあります。この機会に高齢の親が猛暑下でエアコンを使えているかも確認したいところです。

例えば東京都豊島区では、65歳以上の高齢者世帯に加え、住民税非課税・均等割のみの世帯、児童扶養手当受給世帯を対象にした、エアコンの購入費・取付工事費・リサイクル料金の助成金があります。助成要件は1世帯あたり1台のみで、10万円が上限です(所得条件などで助成金額は変わります)。

支援内容や助成金額は自治体によって異なりますが、いずれも大きな助けになるのは間違いありません。帰省の際などに親の家のエアコンを確認し、古いものであれば補助金制度を一緒に調べてみましょう。

補助金や助成金は申請しないともらえません。しかも予算が尽きたら終了というケースも多いので、動くなら早めがベターです。

今のエアコンはここまで進化している

エアコンというと「冷やす・暖める・除湿する家電」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、田中さんによると、令和のエアコンは子育て世帯の“あったらいいな”をかなえる機能が続々と登場しています!

ママの“あったらいいな”をかなえてくれるエアコンとは?

【ママの声①】帰宅前に冷房を稼働させておきたい!

職場から保育園に直行して、お迎えから帰ってきたら部屋が蒸し風呂……。そんな経験をしたママやパパは多いはず。

「Wi‐Fi搭載モデルなら、スマートフォンのアプリから外出先でもエアコンの操作が可能です。例えば保育園に着いたタイミングでスイッチオンすれば、家に帰ったときには快適な室温に。

ハイグレードモデルだけではなく、最近はエントリー/スタンダードモデルでもWi‐Fi搭載機が増えており、手の届きやすい価格帯で選べるようになっています」

cocrecoスマホ操作ができるエアコンは、外出中に急に天気が変わったときや、子どもが先に帰宅するときにも重宝。アプリの使いやすさはメーカーによって差があるので、購入前に確認を。(写真はイメージです。提供:ダイキン)

【ママの声②】暑がりの子ども・パパと寒がりの私、同じ部屋で快適に過ごしたい!

「子どもとパパは暑がり、でも私は末端冷え性で冷房の風が苦手……」。夏の夜、同じ部屋でエアコンをつけると誰かが我慢することになる、という悩みを抱えるご家庭は少なくありません。こうした問題を解決するために、最新エアコンには高精度センサーが搭載されている機種もあると、田中さんは話します。

「一例として、手足の温度から1人ひとりの体感温度を検知し、暑がっている人には強めの風を、寒がっている人には弱めの風を送る自動調整機能があります。

また、センサーが人の位置を検知して『人に風を当てない』または『人に風を当てる』といった気流コントロールができる機種も登場しています。暑がっているパパにしっかり風を当ててもらう機種も。ただし、人は見分けていませんので、センサーで検知してもらう必要があります(日立ルームエアコンXシリーズなど識別できる機種もあります)」

家族それぞれの「ちょうどいい」を同時にかなえる、まさにワガママエアコンの時代が来ています。

以前は「エアコンの風が直接当たって体がダルい」という悩みがよく聞かれましたが、今は人に風を当てない制御ができる機種もあります。ただし、センサーが人を検知するには家具の配置などが影響することもあるため、購入前に設置場所と機能の相性を確認しましょう。

【ママの声③】フィルター掃除が苦手! 自動フィルターお掃除機能はやっぱり必要?

日々の家事・育児・仕事で忙しいご家庭では、エアコンのフィルター掃除が後回しになりがちです。

「しかし、フィルターが汚れたままだと冷暖房の効率が落ち、電気代が余分にかかってしまいます。3年間掃除をしないと、1ヵ月あたり約800円、年間約9600円ものムダが生じるという試算もあります。

『自動フィルターお掃除機能付きはエアコンクリーニング代が高くなるため、そうした機能はないほうがいい』という意見もありますが、フィルター掃除をしないことによる電気代の負担を考えると、定期的に掃除する自信がない方には自動機能を選ぶほうが総合的にメリットが大きい場合が多いです」

しかし、フィルターの自動お掃除機能はあくまでフィルターの表面のほこりを取り除くもので、熱交換器の内部まで洗浄するわけではありません。専門業者による定期的なクリーニングはやはり必要ですが、衛生的に使うことを意識すれば、その間隔を延ばすことも可能です。冷暖房効率に直結する自動お掃除機能は、忙しい家庭ほど相性が良いでしょう。

【ママの声④】空気もきれいにしてほしい、できれば花粉対策も

今は、空気清浄機能付きのエアコンも登場しています。

「空気清浄機能をうたうエアコンはいくつかあります。物理的に空気中の汚れを取り除く空気清浄機の機能とは異なり、パナソニックのナノイーXやシャープのプラズマクラスター、ダイキンのストリーマなど、有害物質を分解する作用のあるイオンやプラズマ放電により、お部屋の空気をきれいにしてくれて花粉の作用も抑制してくれます」

赤ちゃんから寒さに弱いママ、暑がりなパパや子どもたちまで。ニーズの異なる家族全員が今より快適な夏を過ごせるなら、ちょっと値が張っても買い替える価値はあるかもしれません。

後編では、戸建て向け、マンションのリビング向け、寝室向けエアコンの選び方とおすすめの機種を田中さんに教えてもらいます。

【まとめ】

・10年以上前に購入したエアコンは「買い替え」を検討する価値アリ!

・5~6年に購入したモデルは、掃除をすれば電気代が抑えられる可能性大! 「しんきゅうさん」で調べて現状と大差ない場合は、今すぐ買い替えなくてもOK。

・省エネ性能が低価格モデルは、購入価格が安くても電気代が高くなるので、長い目で見ると損。

・省エネ性能が高い中・上位モデルは、電気代が安くなる。

・省エネ基準を満たしているエアコンを購入すると、助成金や補助金がもらえる場合がある。

・助成金や補助金は、各自治体によって予算が決められている。予算が尽きると、助成や補助を受けられなくなる。

・現在販売されている高性能・省エネタイプのエアコンは、2027年以降も販売されるので焦って買い替えなくてもだいじょうぶ。

取材・文/桜田容子

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