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落ちる雷と落ちない雷!違いはどこに?

  • 2026.11.2

写真提供:Adobe Stock

雷は条件が整えばいつでも起こる可能性があり、被雷すると命を落とす可能性がある恐ろしい気象現象です。

「雷=地上に落ちるもの」というイメージがあるかもしれませんが、すべての雷が地上に落ちているわけではありません。

雷には、雲の中だけで起こる「雲放電」と、地面との間で起こる「落雷(対地放電)」の2種類に分けられます。

雲放電と落雷にはどのような違いがあり、私たちはどのように身を守ればいいのでしょうか。

この記事では、雷の仕組みやそれぞれの違い、雷対策について解説します。

雷の仕組み

雷は、雲の中であられや氷のつぶが激しくぶつかり合い、プラスとマイナスの電気がたまって、その偏りが限界を超えて一気に電流が流れる現象です。

雷の光の現象を「雷光」、音が鳴る現象を「雷鳴」と呼びます。

雷を発生させるためにはあられや氷のつぶが必要となるため、雷は上空高くまで発達した積乱雲の中で発生します。その積乱雲の背丈は、夏なら7km以上、冬でも4km以上に達します。

雷日数は地域によって大きく異なる

雷は年間を通して発生しますが、発生しやすい時期には偏りが見られます。

以下の画像をご覧ください。上が全国各地の年間の雷日数の平年値*、下が太平洋側の宇都宮と日本海側の金沢の、月別の雷日数の平年値*です。

*1991~2020年までの30年間の平均

出典:気象庁「年間の雷日数」

※観測方法が各地で順次自動化されましたが、図中の金沢、高知、宇都宮の平年値はそれ以前の目視に基づく参考値となっています。

雷の多い時期には次のような特徴が挙げられます。

・日本海側:年間を通して雷が多く、特に冬に急増する

金沢の年間雷日数は全国的にも非常に多く、11月から1月にかけての冬を中心に、年間を通して発生が見られます。これは日本海側に多くみられる「冬季雷」と呼ばれるものです。

・太平洋側や内陸部:夏に雷が集中する

宇都宮の年間雷日数は26.5日で、7月から8月にかけての夏場に集中しています。これは夕立やゲリラ豪雨などに伴う「夏季雷」と呼ばれるものです。

このように、同じ日本国内であっても、いつどこで雷が発生しやすいかは地域や季節によって大きく異なります。

雲放電と落雷の違い

イラスト:筆者作成

雷の放電は、電気の流れる場所によって、大きく「雲放電」と「落雷(対地放電)」の2種類に分けられます。

・雲放電

雲の中や、雲と雲の間で発生する放電のことです。雲の中で分かれたプラスとマイナスの電気が引き合うことで起きており、空全体が激しくピカッと光るように見えます。

・落雷(対地放電)

雲の下部にマイナスの電気がたまることで、地上にプラスの電気が引き寄せられ、雲と地面の間で一気に電気が流れる現象です。

人がいる場所や建物に直撃すると大きな被害をもたらすため注意が必要です。

このように、すべての雷が人や建物に直接影響を与えるわけではなく、雲と地表の間で放電が起きた落雷となった場合に、地上の私たちの生活に大きな影響を及ぼすことになります。

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冬は雷発生数が少ないものの、落雷が発生したときの災害率は高い

まずは、近年の雷の観測データ(2021年~2025年の月別日平均放電数)を見てみましょう。

出典:気象庁「放電数の月別日平均(2021年~2025年)」

グラフからも分かる通り、放電の回数は、落雷も雲放電も夏季にかけてもっとも多くなり、反対に冬季にかけては少なくなるという特徴があります。

「日本海側は冬の方が雷日数が多かったのでは?」と疑問に思うかもしれません。

雷日数は1日に1回でも雷が起これば1日とカウントするため、冬の日本海側では雷が鳴る日数自体は多くなります。しかし、1日あたりの放電回数を比べると、夏の方が圧倒的に多いのが特徴です。

実際、夏のゲリラ豪雨では、短時間で何度も雷が発生しているのをよく見かけますが、冬の雷は連続して起こることが少なく、数発程度の雷で収まることが多くなっています。

しかし、落雷数に対する災害発生確率で見ると、夏季よりも冬季の方が高いという特徴もあります。

さらに、冬の落雷は夏と比較して大地に流れる電流が大きくなることが多く、地上の構造物などに大きな被害を及ぼすこともあります。

そのため、発生頻度や回数が少ないからといって油断せず、冬の雷に対しても十分な警戒が必要です。

雷に備えるポイント

雷に備えるためには、以下のポイントを意識することが大切です。

状況 とるべき行動
避難できる場所がある場合 ・鉄筋コンクリート建築、自動車、バス、列車に避難する

・木造建築の場合は、電気器具や天井・壁から1m以上離れる

近くに安全な建物がない場合 電柱や建築物などの高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4m以上離れた場所に身を隠す
樹木の近くにいる場合 高い木は危険なため、木の幹、枝、葉から最低2m以上離れる
屋外でやむを得ず待機する場合 姿勢を低くし、持ち物を体より高く突き出さない

なお、電柱や建築物、木から離れていても、落雷地点の近くで地面に座ったり、寝転んだりしていると、地面を伝う電流によってしびれや火傷などの被害を受けることがあります。

そのため、屋外では姿勢を低く保ちつつも、地面に直接身体をつけないように注意する必要があります。

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<執筆者プロフィル>
田頭孝志
気象防災アドバイザー(国土交通大臣委嘱)

田頭気象予報士事務所代表。愛媛の気象予報士・防災士。防災や気象関連の記事執筆をはじめ、テレビ番組の監修、防災教材開発などを行う。BS釣り番組でお天気コーナーを担当したほか、自治体、教育機関、企業向けに講演を多数、防災マニュアルの作成に参画。

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