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スカーフ巻きに、蒸した春巻き? マダムが教える思いがけない日々の喜び【書評】

  • 2026.10.28

【漫画】本編を読む

旬の食材を使ったレシピとともに、日常をさりげなく楽しむ方法を教えてくれる漫画『季節が好きなわたしとマダム』(にいざかにいこ/KADOKAWA)。春から新しい街に引っ越したキコは、その街で出会ったマダムの節子さんと、料理を通じて交流を深めていく。本稿では、本作に収録されている描き下ろしエピソードから、心華やぐ春のひとときをお届けする。

シャツ1枚で過ごせるようになってきた、とある春の日のお話。キコはファッション小物の整理をしている節子さんの家へ。「気に入ったものがあれば持って帰って」と言われて手に取ったのは、色とりどりのスカーフだった。パッと華やかな雰囲気になるものに、個性的でおしゃれなもの。首に巻きつけたり、ヘアバンドにしたり、巻き方によって印象が変わり、気持ちが明るくなるキコ。

お昼ごはんも一緒に食べることになり、節子さんが作ってくれたのは、スカーフを巻いたのにちなんで春巻き。とはいえ、節子さんが作ってくれた春を感じさせる春巻は、よくある揚げた春巻とはひと味違っていて…。スカーフといい春巻といい、キコは思いがけない出会いに喜びを隠せない。

私たちの周りには新しくて便利なものがあふれていて、使い古したものをすぐに手放してしまいがち。けれども、使い古したものや、自分にはあまりフィットしないと思っていたものも、見方をすこし変えるだけで、かけがえのない存在になる――。私たちが知らない新しい日常の眺め方を教えてくれる節子さんなのだった。キコと節子さんが織りなす温かな物語は、ぜひ書籍を手にとってじっくりと楽しんでほしい。

文=吉田あき

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