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第39回東京国際映画祭、受賞者たちが喜びの声!成田凌は感謝のコメントを発表、最高賞『妹兄とマンホールの蓋』の俳優陣も会見

  • 2026.11.5

11月4日、第39回東京国際映画祭が閉幕。ミルチョ・マンチェフスキ監督による『妹兄とマンホールの蓋』がコンペティション部門の最高賞にあたる東京グランプリ/東京都知事賞を受賞し、華やかなフィナーレを迎えた。クロージングセレモニー後には審査員&受賞者記者会見が行われ、各賞の受賞者が喜びを語った。

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第39回東京国際映画祭が閉幕、各賞の受賞者が決定!
第39回東京国際映画祭が閉幕、各賞の受賞者が決定!

世界中から優れた映画が集まる東京国際映画祭。今年の「コンペティション」部門には、112の国と地域から1892本がエントリー。厳正な審査を経て選ばれた15作品が、10月26日から11月4日までの10日間にわたって上映された。「コンペティション」部門の審査委員長は、オーストラリア・タスマニアを拠点に、映画監督・脚本家・プロデューサーとして40年以上にわたり活動してきたロルフ・デ・ヒーア。審査員をアレックス・ロー、オ・ジョンワン、渡辺真起子、ヨブ・ムーアが務めた。

審査委員長を務めたロルフ・デ・ヒーア
審査委員長を務めたロルフ・デ・ヒーア

審査員は、それぞれ充実感を口にした。審査委員長のデ・ヒーアは「この作品は、私になにを与えてくれるのか」と考えながら、審査に当たったという。「そのような視点で映画を観ることは、とても楽しいものでもありました。膨大な数のなかから、集められた作品群。多様な作品群でした。作り手にとって重要なもの、大切なものをもとに作られていると感じました」と世界中の映画の豊かさを改めて感じた様子だ。

それぞれが各賞の結果を発表できたことに安堵するなか、渡辺は「フランクな雰囲気のなかで、よいことも悪いことも気兼ねなく、言葉にすることができました。それぞれが意見を言い合いながら、最後までたどり着いた。達成感があります」と有意義な話し合いができたと審査期間を振り返り、「皆さんと同じように、とても安心しています。受賞者の皆さんの喜んだ顔を見ると、うれしいなと。頑張って決めてよかったなと思っています」と笑顔を浮かべた。

トロフィーを掲げて笑顔!
トロフィーを掲げて笑顔!

東京グランプリ/東京都知事賞に輝いた『妹兄とマンホールの蓋』は、北マケドニアの首都スコピエの周縁部を舞台に、社会からこぼれ落ちた人々の尊厳をユーモアと寓話性を交えて描く物語。主人公となるのは、貧しい環境のなかで暮らし、銅製の胸像やマンホールの蓋を盗んでスクラップとして売って、生計を立てている兄妹ヴィクトルとマリナ。ある日、彼らが盗んだ国家的英雄の胸像がヴィクトルの足に落下し、ヴィクトルは大けがを負う。その事故をきっかけに、マリナとヴィクトルはスコピエの社会の底辺をさまようことになる。

お互いへの信頼感を口にした、サラ・クリモスカとフィリップ・トライコヴィッチ
お互いへの信頼感を口にした、サラ・クリモスカとフィリップ・トライコヴィッチ

会見には、妹と兄を演じた俳優のサラ・クリモスカとフィリップ・トライコヴィッチが出席した。審査委員長のデ・ヒーアは、異なる意見が交わされるなか、時間をかけて最高賞を決定した経緯を説明。「それぞれ異なる意見、想いを交わしているなかで、ある時点で、これならばみんながハッピーになれる、満足できるのではないか」という結論に至ったと明かした。

感無量の面持ちでトロフィーを受け取った
感無量の面持ちでトロフィーを受け取った

妹役を演じたクリモスカは、「大きな名誉で、とても光栄です」と感無量の面持ち。長い撮影期間、一生懸命に作品に取り組んできたといい、「予想を上回る、すばらしい結果をいただいた。特別な気持ちです。いまワクワクしていて、とてもハッピーです」とうれしそうな表情を見せた。兄役のトライコヴィッチは、麒麟像のトロフィーを手にした感想を尋ねられると「マンホールより、ずっと軽いです」とにっこり。ユーモアたっぷりの回答で会場の笑いを誘いながら、「このトロフィーが持つ意味合いは、とても重いものです。皆さんに認めていただいて、とても特別な気持ちです」としみじみと語った。

東京の滞在を楽しんだと語った
東京の滞在を楽しんだと語った

2人は、「以前も共演したことがある」とのこと。クリモスカは「お互いをよくわかっている。今回またご一緒できて、すごくうれしく思っています」とトライコヴィッチとの再共演に胸を躍らせながら、「人生の一部には、困難な時期があると思います。そういう時であっても、お互いがいることで、おかしみを見つけられることもある。演じるうえでも、そういったことを考えながらアプローチしていきました」と撮影を述懐。トライコヴィッチも「サラはパーフェクトなパートナー」と相思相愛の想いを打ち明け、「サラのような人がいれば、現場でも完璧なデュオができる。私とサラは、持っているエネルギーがとても似ている」と目尻を下げた。「日本でおもしろいマンホールを見つけた?」という質問には、トライコヴィッチが「東京にはすばらしいマンホールがたくさんある」、クリモスカも「美しいマンホールがたくさんありました!」と声を弾ませ、「日本はマンホールも道路もパーフェクト。マケドニアの道はでこぼこしているんです。私は東京に来たのは、2回目です。来るたびにインスピレーションをもらっています。おとといは、歌舞伎を観ました」と滞在を楽しんだと話していた。

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最優秀女優賞を受賞したのは、『ふたりを結ぶ夜』のフー・リン。本作は、『沈む街』(96)で知られるジャン・ミンの助監督を務めてきたワン・ジャンヨンによる監督デビュー作。将来の目標を失って鬱々とした大学生活を送るグオフォンと、寮の管理人として働いている年上の女性アンによる恋愛関係を描く。フー・リンは、過去にトラウマを抱えたアンを演じた。フー・リンは「とにかくラッキー」と受賞に感激しきり。「脚本を読んだ時には、涙がずっと止まらなかった。私が演じた女性は社会的にも地位が低いし、誰も彼女の存在を知らない。でも彼女は勇気を持って、他人を愛そうとする。この映画は、とてもロマンチックだと感じました」と脚本に惚れ込んだという。「いい役者を目指して、いい役との出会いがある時には、一生懸命に演じきることをひたすら考えています」と俳優業に挑む心構えも紹介していた。

三島有紀子監督、「いろいろなことを見て、現場にいてくださった」と成田凌に感謝
三島有紀子監督、「いろいろなことを見て、現場にいてくださった」と成田凌に感謝

そして最優秀男優賞には、『男ともだち』(11月6日公開)の成田凌が選ばれた。30歳を目前に人生に行き詰まるイラストレーターの神名(松岡茉優)と“男ともだち”・ハセオ(成田)の、曖昧で確かな関係性を描く。欠席した成田に代わり、三島有紀子監督が会見に登壇した。

三島監督は「この映画で私が見つめたいと思ったのは、“みる”ということです。私たちは毎日いろいろなことを見ていますよね。見ているつもりでいます。でもなにを見ているのでしょうか。なにを見ているのか、ということを命題にこの映画を撮ってきた」と述べ、「成田さんに言ったのは、『とにかく神名という人を見ているんだ』と。それは肉眼で見ているということだけではなく、彼女が描いた絵やため息、電話に出た時の息など、いろいろなことを見ている人であると。だからこそ彼が、救うことはできないけれど、視界を変えて、違う道に導くことができるんじゃないか。成田さんと、そういった話をしながら作っていった役です」と振り返った。

審査委員の渡辺真起子がプレゼンターを務めた
審査委員の渡辺真起子がプレゼンターを務めた

さらに「我々がなにを見ているのか、主人公たちがなにを見ているのかを追いかけた映画です。広島でロケハンをした時に、広島の皆さんに教えていただいたことがあります。皆さんが日常的に通勤、通学する時、当たり前のように手を合わされていくんです。原爆ドームを残すという、過去から決して目を逸らさず、守って、そしていま世界をちゃんと見て、祈って、二本の足で立っている。そういった姿を目の当たりにした時に、それこそがいま、我々が世界に発信していくことなんじゃないかと思った」と映画に込めた想いを吐露。「成田さんは、いろいろな意味で人間を見る。スタッフのことも見る。いろいろなことを見て、現場にいてくださった。それがすべて役につながったと思います」と語っていた。

自身初の最優秀男優賞を受賞した成田は、喜びのコメントを発表した。「この度は、最優秀男優賞というすばらしい賞をいただき、本当にありがとうございます。喜びはもちろんですが、圧倒的に勝っているのは感謝の気持ちです。今回の受賞は三島監督をはじめ、スタッフ、キャストの皆さまのおかげだと思っています。すばらしい原作と脚本、そして最高のロケーションのなかでお芝居ができる贅沢さを感じながら、撮影に臨む日々でした。自分が頑張ったと言えるのは、関西弁くらいかもしれません。クランクアップの日、監督が『ああ、もうハセオとは会えへんのや……』とぽつりとおっしゃったことが、いまでも心に残っています。映画を観終わった方にも、そんなふうに思っていただけるハセオであったならうれしいです」と作品とハセオへの愛情をにじませていた。

取材・文/成田おり枝

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