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初心者が群馬県赤城山でキャンプに開眼!スノーピークの新拠点と周辺の遊び方をレポート。

  • 2026.10.17

2026年に誕生したばかり、という目新しさに惹かれ、あの人気アウトドアブランドが手がける、群馬県赤城山の拠点で初キャンプ! と心躍る一方、筆者はキャンプ経験も浅く、知識も道具もゼロ。山の静けさ、ソロテント、さらには雨まで降り出すという、初めて尽くしの一泊二日。それでも思いがけず心をつかまれてしまった、その理由とは?

Index

  • キャンプ前に英気を養う。
  • 赤城山の新拠点へ。
  • いまどきキャンプに目がウロコ!
  • 雨の森で眠る、アメイジングな夜。
  • 雨の朝も、赤城山を遊ぶ。
  • 何歳になっても「はじめて」は楽しい。

キャンプ前に英気を養う。

私は、普段は早朝サーフィンを日課とする根っからの海派。それだけに、自然との距離感は近いほうだが、山遊びとなると全くの初心者だ。テントで寝るのは、20年前の野外パーティ以来!? そんな淡い記憶をたどりながら、東京から車で約2時間半。日本百名山のひとつ、赤城山に到着!

赤城山頂にある大沼湖畔。晴れた日はもちろん美しいが、霧がかった景色も絶景だとか。

まずは山頂の名所、大沼(おの)湖へ。透明度の高い水をたたえ、グリーンシーズンはカヤックやボート、冬は湖上でワカサギ釣りを楽しめるという。そして湖畔エリアで立ち寄ったのは、昭和レトロな佇まいの飲食店や土産物店が並ぶ大洞商店街。まずはお腹を満たしに、食堂「バンディ塩原」にピットイン。

ノスタルジックな店内でいただいたのは、店の名物、ソースカツ丼。群馬県産の豚ヒレ肉を揚げたカツに、甘めのソースがしっとりと絡む。柔らかな肉の旨みとボリューム感も相まって、移動で疲れた体に沁み渡るおいしさ!

赤城山の新拠点へ。

さて、気分をキャンプモードにシフトすべく、まず向かったのは、今年9月に誕生したばかりの「スノーピーク ランドステーション 赤城」だ。目を奪われたのは、ゆるやかにカーブした大きな屋根。赤城山の稜線に呼応するような、迫力あるシルエット!

設計を手がけたのは、成瀬・猪熊建築設計事務所。鉄骨と木を組み合わせた構造に、群馬県産のヒノキをはじめとする県産材も取り入れ、周囲の自然と呼応する建築に仕上げている。

赤城山には、かつて年間100万人を超える人が訪れていたそう。ところが近年は半分ほどに減り、老朽化した施設の維持や、管理を担う人手不足も課題になっているとか。そこで群馬県が進めているのが、自然を守りながら、赤城山で過ごす楽しみを増やしていく取り組み。ここは、その拠点のひとつとして誕生したというわけ。

大きな観光案内のイラストマップがお出迎え。立ち寄りスポットや季節ごとの見どころを知らせてくれる。その横にある「野遊びレシピ」も楽しい。「雨の森を散歩しよう」「山頂を巡ってみよう」「湖で遊ぼう」など、気になるパネルをめくれば楽しみ方を知れるという仕組み。

建物の奥には、スノーピーク直営のストアが広がる。テントや焚火台、カトラリーといったキャンプギアは、初心者の私でも無駄をそぎ落としたデザインと機能美に心惹かれる。

絶妙なニュアンスカラーをまとったスノーピークのオリジナルウエアや、大沼名産・ワカサギの絵が入った「赤城だるま」。赤城山を彩るツツジを思わせる限定カラーのチタンマグに、県内のクラフトビールや前橋の品を集めたコーナーもあり、旅の出だしから早くもお土産選びに忙しい。

いまどきキャンプに目がウロコ!

この旅の最終目的地、「スノーピーク 赤城 キャンプフィールド」へ。深い緑に囲まれた敷地内には、車を横付けできるオートサイト、原生林に囲まれた林間サイト、愛犬とリードなしで過ごせるドッグランサイトなど、さまざまなスタイルの全109区画が揃う。

ほとんどのサイトからもトイレが近く、炊事場では温水が使え、充電スペースもあると聞いて一気にホッ!

さらにフィールドには、スノーピークと建築家・隈研吾が共同開発したモバイルハウス「住箱」も。室内にはベッドが2台。流し台にシャワー、トイレ、空調設備もあり、4人まで宿泊可能。しかも素泊まりで1棟1泊24,200円〜と聞き、思わず「今夜空いてますか?」と言いかける。

大きな窓からは森が見え、建物の前の芝生にはテントも張れる。(テントを張った場合は6名まで宿泊可)。外でキャンプを楽しみ、寝るときは住箱へ。キャンプに慣れていない人や、アウトドアの楽しさと室内の快適さをどちらも味わいたい人には需要しかない。

と、充実した選択肢があるにも関わらず、ビギナーの私が今宵泊まるのは、まさかのソロ。元フェス大好き人間ゆえ、ひとり用テントに泊まった経験は遠い昔にあるが、今回初めて使用するスノーピークのソロテントには、その進化に驚いた。コンパクトな見た目に反して、寝室は意外とゆったり。雨の日も濡れずに靴の脱ぎ履きできたり、一人分の荷物を置けたりする前室も備える。

ひとりでの設営に困ったらスタッフがサポートしてくれるらしく、私のような素人には心強い限り。

ちなみに、寝室とリビングが一体になった6人用の2ルームテントを、スタッフが設営する様子をのぞかせてもらった。ちょっとした1DKのような大きさなのに、二人がかりであれよあれよと組み上げていく。フレームの数も思ったより少なく……、これなら私にもできるかも!?

私がよく野外フェスに参加していた当時は、2人用の小さなテントを立てるだけでも散々手こずり、あげくに天井が歪んだまま寝たりもした(笑) それが今や、こんなに大きなテントがあっという間に完成。スタッフの手際がよいのはもちろん、道具の進化にひとしきり感心してしまった。

キャンプ道具を一式借りられる「手ぶらCAMPプラン」も。テントからテーブル周り、焚火台、BBQグリルなど全てが揃い、設営から焚火の起こし方までスタッフが教えてくれる。生ゴミの処理以外の後片付けもお願いできるなど、至れり尽くせり。

雨の森で眠る、アメイジングな夜。

さて、夜のとばりも降り、外気もだいぶ下がってきたので、熱いお風呂を求めて道の駅にある温浴施設「まえばし赤城の湯」へ。冷えた体をじんわり温めながら、しばしひと息。

昭和の銭湯を思わせるレトロな浴場には、赤城山を描いた大きなペンキ絵が広がる。

温まった体でキャンプ場へ戻ると、雨が降り出した。濃い霧に包まれ、昼間とはまるで別世界のよう。街灯もない暗闇を眺めるのは、いったいいつぶりだろう。手に持ったライトを頼りに、今夜の寝床に向かう。

そそくさと、本日レンタルした寝袋(グランドオフトンシングル1000)に入り、横になる。すると、「何これ、あったかい!」ふわふわしていて、体温で温まった空気を中綿がしっかり保つ仕組みだ。内側のネル生地の肌ざわりもいい。寝袋の下には空気で膨らませたマットを敷くので、背中がひんやり感じることも皆無。

ここに来る前は山の気温がよくわからず、寒さに怯えていろいろと服を持ってきたが、薄手のカットソー1枚でも十分。テント内の窮屈感もなく、むしろ〝私のためだけの小さな空間〟が妙に落ち着いた。

無数の虫の声と、しとしと降る雨の音。心地いい静寂に迎え入れられ、いつの間にか自分の呼吸が深くなっていることに気づいた。今夜ばかりはスマホを見る気にもならず、静かに目を閉じるとすぐに眠りに落ちた。

雨の朝も、赤城山を遊ぶ。

翌朝も雨は降り続いていた。いつもならどんよりするような天気だが、心は不思議と前向きだ。朝食をいただきに、キャンプ場からすぐの「青木旅館」へ。出てきたのは、ボリュームたっぷりの、ザ・朝ごはん!

焼き鮭にハム、卵焼き、納豆、漬物、小鉢。これぞ理想の朝。宿のお母さんたちのいきいきとした姿にも元気をもらった。(朝食は要事前予約。メニューは変更の可能性あり)

そのあと、「女性の願いが叶う」と言われる赤城神社でお参り。それから鳥居峠では、かつて赤城山鋼索鉄道のケーブルカー駅舎だった建物を、糸井重里率いる「ほぼ日」が改修したというカフェ&ショップ「ほぼの駅 AKAGI」に入り、コーヒー片手にひと休み。

鳥居峠は、条件が揃えば眼下に雲海が広がり、筑波山や東京スカイツリー方面まで望めることもあるそう。駅名標に書かれた、糸井重里さんによる「行きたいと願うところなら、どこへでも行けるよ。」というコピーに胸アツ。

再び、「スノーピーク ランドステーション 赤城」に戻り、館内の「ヒュッテ ハヤシ カフェ」へ。オーダーしたのは、農学舎を営むハム職人のオーナーが愛情を込めて育てた、群馬県産のブランド豚「福豚」を使ったホットドッグ。太いソーセージはパリッと焼かれ、かじると旨みが濃くとってもジューシー。お腹いっぱいになり、幸せ気分で赤城山をあとにした。

ホットドッグは、クラシック、チーズ、チリ、エッグサラダの4種。その他にも、ドリアやポテト、バスクチーズケーキなども揃う。

何歳になっても「はじめて」は楽しい。

スマホも開かず、誰とも話さず、背中に土の気配を感じながら雨音に耳を澄ます。大げさではなく自然の一部になれたようで、じんわりと心を動かされた2日間だった。そして、そこそこの年齢まで生きてきて、草木の名前も、虫の名前も、雨のキャンプがこんなに心地いいことも、まだまだ知らないことばかりだったのかと気付かされた。

日常のタスクに追われ、情報にまみれた脳みそが、今はのびのびと休んでいる気がする。首都圏から少し足を伸ばした場所で、こんなにも忙しない自分から離れられるなんて。

どんどんAIが進化していく世の中だけど、私には五感を使って知らないことに出会うアウトドア時間が、もっと必要なのかもしれない。テクノロジーが進化するほど、ときどき野性に戻る。そのバランスで時代の波を乗りこなしていくぞ、と帰りの車中で思うのだった。

Text:Nana Omori

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