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【神々が宿る島】長崎県の壱岐島で“魚に合う”クラフトビールに出合い、復活した名湯や神秘の神社、島カフェを巡る旅を

  • 2026.10.17

博多港から高速船で1時間強で到着する、玄界灘に浮かぶ長崎県の離島・壱岐(いき)。澄んだ遠浅の海に白い砂浜、ウニやイカ、鯛などを使った魚介グルメが人気の島だが、実はこの島の魅力はそれだけにとどまらない。今回の旅では、“麦焼酎発祥の地”ならではの焼酎蔵が開発したクラフトビールと出合い、110年以上の歴史を誇る茶褐色の濃厚な温泉を訪れ、さらには“神々が宿る島”と言われている地で、潮が引いたときにだけ海の中から参道が現れる神秘的な神社を訪ねた。そして神社めぐりの道中でホッとくつろげる島のカフェにも立ち寄って――。美しい海とおいしい魚介類だけじゃない、知られざる島の魅力を紹介する。

【写真】島ならではの“魚に合う”クラフトビールと出合う 画像提供:ISLAND BREWERY
【写真】島ならではの“魚に合う”クラフトビールと出合う 画像提供:ISLAND BREWERY

【ISLAND BREWERY】壱岐の焼酎蔵から生まれた“魚に合う”クラフトビール

訪れたのは、壱岐市勝本町にある「ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)」。壱岐は、16世紀に麦焼酎の製法が伝わったとされる“麦焼酎発祥の地”である。そんな焼酎文化が根付く島で、1887年(明治20年)に創業した老舗が原田酒造。その原田酒造から2021年に誕生したクラフトビールの醸造所が「ISLAND BREWERY」である。築130年以上の造り酒屋を改装した醸造所内には、造りたてのビールを味わえるタップルームも併設されている。

造り酒屋の外観は趣があり、歴史を感じる 画像提供:ISLAND BREWERY
造り酒屋の外観は趣があり、歴史を感じる 画像提供:ISLAND BREWERY

「長い間、焼酎を造りながら、壱岐島は夏の観光客が多いのでクラフトビールがあったらお客さんはもっと楽しめるだろうな!と思っていました」と話すのは、原田酒造5代目の原田知征さん。誰か造らないかな――。漠然とそう考えていたものの、なかなか実現しなかったことから「結局誰も造らなかったので、自分が造りました」と朗らかに笑う。しかし焼酎造りからクラフトビール造りにハンドルを切った背景には、もうひとつ大きな理由があった。当時、47都道府県で長崎県だけクラフトビールの醸造所がなかったことだ。

長崎にゆかりの深いトーマス・グラバーや岩崎弥太郎が、キリンビールの前身となる「ジャパン・ブルワリー」の設立に大きく関わっていたことを知っていた原田さん。「そんな長崎にクラフトビールの醸造所がなかったのが寂しかった」と振り返る。さらに、壱岐は福岡からのアクセスのよさも手伝って、近年は日帰りツアーが増え出し、島内に滞在せずに帰る観光客が多くなっていたという。「1日で壱岐の主要観光地を周りきれてしまうせいだ」と考えた原田さんは、島に魅力的な観光スポットがもう少し増えれば「日帰りでは周りきれない」と思ってもらえるのではないかと考えた。そこで「自分ひとりでいくつもは作れないけれど…」と前置きしながら、魅力的なスポットのひとつとしてクラフトビールの醸造所を立ち上げた。

壱岐観光の魅力的な観光スポットのひとつとして誕生。奥に映るのは壱岐の観光名所「猿岩」 画像提供:ISLAND BREWERY
壱岐観光の魅力的な観光スポットのひとつとして誕生。奥に映るのは壱岐の観光名所「猿岩」 画像提供:ISLAND BREWERY

■なぜ“魚に合う”というコンセプトなのか?白麹から生まれた、壱岐ならではの一杯

ISLAND BREWERYを語るうえで欠かせないのが、「魚に合うビール」というコンセプトだ。壱岐といえば、やはり魚。刺身をはじめとする新鮮な魚介を楽しみに訪れる人が多い島である。そこで原田さんが目を付けたのが、壱岐の麦焼酎に使われる「白麹」だった。「乾杯は基本的にビールでされることが多いと思います。そのときにテーブルに並んでいるのは前菜やお刺身ですが、食べ合わせを考えたときにビール(ラガービール)とお刺身の相性はあまりよくありません。魚の生臭さを出してしまうと言われているんです。だったら魚に合うビールを造ろうと思いました」。とはいえ、最初から「魚に合うビール」の正解がわかっていたわけではない。

島の仲間たちとともに試行錯誤をした末、着目したのが“クエン酸”だった! 画像提供:ISLAND BREWERY
島の仲間たちとともに試行錯誤をした末、着目したのが“クエン酸”だった! 画像提供:ISLAND BREWERY

全国からさまざまなビールを取り寄せ、地元の仲間と魚料理との食べ合わせ会を開催。そこで見つけたのが、柑橘のような香りを持つエールビールだった。さらに「食事と合わせるお酒には少しの酸味が必要」と考え、白ワインに含まれるクエン酸に着目。クエン酸なら、麦焼酎に使っている白麹が使えるのではないか――。こうして、柑橘香のあるホップと白麹を組み合わせたビールが生まれた。白麹由来のクエン酸によるさわやかな酸味と、フルーティーなホップの香り。軽やかな飲み口に仕上がったのが、ISLAND BREWERYの大きな特徴だ。

■壱岐のグルメに合わせて選びたい!おすすめのビールは?

「魚に合う」を実現するため、白麹のクエン酸を活かしたさわやかでほのかな酸味と、クリアですっきりした味わいを意識しているISLAND BREWERYのクラフトビール。定番の「GOLDEN ALE」は刺身に、「YUZU-KOJI ALE」は焼き魚におすすめだと原田さんは言う。さらに揚げ物や壱岐牛には「IPA」が好相性であると教えてくれた。また、ビール初心者なら「GOLDEN ALE」、クラフトビール好きには「IPA」、女性には「YUZU-KOJI ALE」が人気とのことだ。

タップルームでは1杯ずつの注文もできるが、定番3種類をスモールグラスで飲み比べもできる(1200円)。定番3週+シーズナルビール3種の合計6種をスモールグラスで飲み比べすることも(1450円) 画像提供:ISLAND BREWERY
タップルームでは1杯ずつの注文もできるが、定番3種類をスモールグラスで飲み比べもできる(1200円)。定番3週+シーズナルビール3種の合計6種をスモールグラスで飲み比べすることも(1450円) 画像提供:ISLAND BREWERY

■「壱岐らしさ」をビールに。アコヤ貝からダシを取った驚きの一杯「PEARL STOUT」

商品開発で「壱岐らしさ」をどのように表現しているかを問うと、「あと付けにはなるのですが、白麹をすべてのビール造りに使うことで壱岐らしさや原田酒造が今まで歩んできた歴史みたいなことも表現できているのかなと思います」と答えてくれた。さらに、シーズナルビール(期間限定ビール)では、壱岐や長崎で採れた素材を積極的に取り入れていっている。そんななか、ひときわ個性が光っているのが「PEARL STOUT(パールスタウト)」だ。PEARL STOUTはシーズナルビールとして開発されたが、その人気の高さゆえ、2025年から準定番商品に格上げされたビールである。

「PEARL STOUT(パールスタウト)」(850円)は準定番商品となる。貝の旨みとほのかな甘みを感じられる、個性的な一杯だ 画像提供:ISLAND BREWERY
「PEARL STOUT(パールスタウト)」(850円)は準定番商品となる。貝の旨みとほのかな甘みを感じられる、個性的な一杯だ 画像提供:ISLAND BREWERY

PEARL STOUTの商品開発のきっかけは、海外で飲んだオイスタースタウトだった。牡蠣のエキスを使ったビールに衝撃を受け、「動物性のものもお酒造りに使える」と知ったことがヒントとなり、壱岐の素材で新たなビールを造ろうと考えた。そこでまず思いついたのは壱岐産の牡蠣を使ったビールだった。しかし、牡蠣のビールはすでに日本でも数社造っているところがあり、「なんかおもしろくないな」と思ったときに目についたのが壱岐で養殖し、生産されている「壱岐真珠」の存在だった。

真珠の養殖に使われるアコヤ貝の身は、真珠の球出しを終えたあと、かつては佃煮などにして食べられていたものの、機械で球出しをするようになってからは食用に適さなくなっていた。そこで真珠の養殖をしている山本真珠の山本社長に昔ながらの手作業で球出しをしてもらえないかをお願いをしてみた。そして山本真珠の全面協力のもと、きれいな身から出汁を取ってビールに使用することが可能に。ろ過時にはアコヤ貝の殻も使っている。「手作業で真珠の球出しをするのは手間がかかる作業で、その会社の協力なくしてPEARL STOUTは造れません」と原田さんは語る。

手作業での真珠の球出しは大変な作業だ 画像提供:ISLAND BREWERY
手作業での真珠の球出しは大変な作業だ 画像提供:ISLAND BREWERY

アコヤ貝から出汁を取ったビールとは、どんな風味がするのだろうか?「最初は海鮮っぽい香りがするんです。それが発酵が進むにつれて香りが抜けていき、旨味に変わってくるのが非常におもしろいです」と原田さん。島の素材と人とのつながり、そして確かな酒造りの技術。この島で育ち、培われてきたものを掛け合わせて、壱岐ならではのビールが誕生した。

右が山本真珠の山本社長、左が原田さん。島の人とのつながりで「PEARL STOUT」は誕生した 画像提供:ISLAND BREWERY
右が山本真珠の山本社長、左が原田さん。島の人とのつながりで「PEARL STOUT」は誕生した 画像提供:ISLAND BREWERY

■「ビールを飲みに壱岐へ」そんな旅の目的地になりたい…!

ISLAND BREWERYのタップルームでは、発酵タンクを眺めながら、造りたてのビールが味わえる。地元の魚介を使った「島のフィッシュ&チップス」(800円)や「島のフィッシュ&イカリング」(950円)などのフードメニューも用意され、食事と一緒に楽しめるのもうれしい。またISLAND BREWERYではオンラインショップでの販売やイベント出店も行っている。原田さんいわく「どこかでうちのビールを飲んで『おいしい』と思ってくれた人が、『これを現地で飲みたいな』と壱岐を訪れてくれることが目標です」と語る。「今はそれが月に十数人と少ないですが、これからもっとビールを縁に島にお客さんを呼び込めたら、それが壱岐島への貢献になると立ち上げ時から考えていました」と熱い想いを語ってくれた。

海のそばの商店街の夜に暖かい灯りがともる 画像提供:ISLAND BREWERY
海のそばの商店街の夜に暖かい灯りがともる 画像提供:ISLAND BREWERY

実際にISLAND BREWERYのビールをきっかけに旅行を計画し、旅の一番の目的を「ISLAND BREWERYに行くこと」として訪ねてくる人もいるという。ビールを飲むために島へ行く。そんな新しい旅のきっかけが少しずつ生まれている。さらに、ISLAND BREWERYができてからは、周辺の商店街を歩く観光客が圧倒的に増えた。ISLAND BREWERYのロゴマークのモチーフは、地元のイカ釣り漁船が暗い海を照らす「放電灯」だ。寂しくなった商店街にも灯りをともし、人の集まる場所にしたい――。そんな想いが込められている。

イカ釣り漁船の「放電灯」がモチーフのロゴ。夜の商店街を照らす光のような存在に…という願いが込められている 画像提供:ISLAND BREWERY
イカ釣り漁船の「放電灯」がモチーフのロゴ。夜の商店街を照らす光のような存在に…という願いが込められている 画像提供:ISLAND BREWERY

〈ISLAND BREWERY(アイランドブルワリー)〉

住所:長崎県壱岐市勝本町勝本浦249

電話番号:0920-42-0010

営業時間:10時~17時※金曜日・土曜日は10時~22時

定休日:なし

駐車場:3台(無料)

旅の目的地として「島のクラフトビール」という選択肢が増えた 画像提供:ISLAND BREWERY
旅の目的地として「島のクラフトビール」という選択肢が増えた 画像提供:ISLAND BREWERY

【高峰温泉】泉質はお墨付き!島民に110年以上愛される名湯が復活

ISLAND BREWERYと同じ勝本町にある「高峰温泉」は、1914年(大正3年)創業、実に110年以上にわたって島の人々に親しまれてきた歴史ある名湯である。創業者は医師で、当時は診療所を営みながら、温泉を療養の場として活用していたという。観光施設というより、体を休めたり療養したりする昔ながらの「湯治」の場として、島の人々に親しまれてきた。地元では昔から「やけどや切り傷をしたら高峰に行け」と言われていたといい、今でも「子どものころ、けがをしたら親に連れてこられていた」という常連客の声が聞こえてくる。

110年以上の歴史がある島の温泉 画像提供:高峰温泉
110年以上の歴史がある島の温泉 画像提供:高峰温泉

そんな高峰温泉は、2020年に休業。しかし、休業中にも「高峰はもう開かないの?」「また入りたい」という地元の声があり、歴史ある温泉を残したいとの思いから、2024年1月に現在の運営者が引き継いだ。そして同年6月、日帰り温泉として再スタート。昔からの客が戻ってきて、「『また高峰に入れるようになってよかった』と言ってくださったのは、本当にうれしかったですね」と取材に応じてくれた樋口洋平さんはほほえむ。

■茶褐色の湯に浸かり、“壱岐の大地の癒やし”を味わう

茶褐色の濃い温泉が特徴だ 画像提供:高峰温泉
茶褐色の濃い温泉が特徴だ 画像提供:高峰温泉

泉質はナトリウム-塩化物泉。鉄分や塩分を含んだ茶褐色の湯が特徴で、源泉をそのまま楽しめる昔ながらの温泉だ。海に囲まれた島の温泉らしく塩分を多く含んだ湯は体が温まりやすく、湯上がり後もポカポカした感じが続く。昔から地元の人たちは「やけどや切り傷には高峰」と言ってきたという。そのことについて樋口さんは「高峰温泉のおもしろいところですよね」と笑う。「もちろん医療的な効果を私たちが断言することはできませんが、何十年も通っている方から、そういう話を今でも聞きます」。浴槽や床が温泉成分で茶色く変色するほど成分が濃厚で、初めて訪れる人は驚くこともあるそう。そういう点も高峰温泉らしさなのだろう。

温泉成分が濃厚で湯船も茶色く変色するほど! 画像提供:高峰温泉
温泉成分が濃厚で湯船も茶色く変色するほど! 画像提供:高峰温泉

樋口さんは高峰温泉の魅力を「ひと言で言えば『温泉そのものを楽しむ場所』だと思います」と言う。豪華な設備や大きな露天風呂があるわけではない。「小さな浴槽に、昔から変わらない濃い温泉がある。それだけなんです」と。しかし、それだけだからこそ観光地化された温泉とは違う、“壱岐の日常の中にある温泉”が感じられる。地元の人たちが110年以上守ってきて、復活を切に願った温泉がそこにある。常連客と観光客が同じ湯船につかり、言葉を交わす。そんな昔ながらの温泉文化が残っていることが、高峰温泉の魅力である。

島民に愛され続けてきた名湯だ 画像提供:高峰温泉
島民に愛され続けてきた名湯だ 画像提供:高峰温泉

〈高峰温泉〉

住所:長崎県壱岐市勝本町立石西触200

電話番号: 0920-43-0008/090-9563-3071

営業時間:8時~19時過ぎ(最終受付19時)

定休日:不定

入浴料:大人500円・小学生200円・未就学児無料

大浴場の種類:内湯男1女1

泉質名:ナトリウム-塩化物泉

湯の効能:やけど・きりきず・抹消循環障害・アトピーほか多数

駐車場:約10台(無料)

【小島神社】神々が宿る島にある“壱岐のモン・サン・ミッシェル”へ

小島神社は、普段は海の上に浮かんでいて渡ることができないが…
小島神社は、普段は海の上に浮かんでいて渡ることができないが…

壱岐を旅するなら、神社を巡ってみるのもおすすめだ。『古事記』の国生み神話にも登場する壱岐は、古くから神々とのゆかりが深い島。神社庁に登録されているものだけでも150以上の神社があり、「神々が宿る島」と呼ばれている。そんな壱岐の中で、代表的な神社のひとつが「小島神社」である。小島神社は芦辺町の内海湾に浮かぶ小さな島に鎮座し、普段は海に囲まれているが、干潮時の前後、数時間だけ海の中から砂浜の参道が現れる。その神秘的な光景から、“壱岐のモン・サン・ミッシェル”とも呼ばれる人気スポットだ。

海が割れて、参道が現れる!!
海が割れて、参道が現れる!!

小島神社には、須佐之男命や伊邪那美命などが祀られ、小島全体が神域。小枝一本も持ち出すことが許されないという。海の向こうにぽつんと浮かぶ小島へは、潮が引いたときにだけ歩いて渡り、参拝することができる。壱岐を訪れる際には、観光スポットを巡るだけでなく、こうした神社を目的に旅してみるのもおもしろい。

〈小島神社〉

住所:長崎県壱岐市芦辺町諸吉ニ亦触1969

駐車場:10台(無料)

【杜のカフェ テン】神社巡りの途中には島のカフェでひとやすみ

島の診療所だった建物を改築 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)
島の診療所だった建物を改築 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)

神社を巡って少し休憩したくなったら、小島神社と同じ芦辺町にあるカフェ「杜のカフェ テン(morinocafe@ten)」へ。建物は、もともと島の診療所だったもの。大正前半に建てられたと伝わっており、当時は馬を飼い、医師がその馬に乗って島中を往診していたという。カフェの中庭をはさんだ向かいには、診療所時代に医師が暮らしていた母屋も残っており、自由に見学できる。

大きな窓からからは陽光が差し込み、開放的な空間だ 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)
大きな窓からからは陽光が差し込み、開放的な空間だ 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)

実は店名の「テン」は、敷地内の杜に残る「天月神社(あまつきじんじゃ)」に由来する。天月神社に祀られているのは天月神命(あめのつきのみたまのみこと)。その由来にはいくつかの伝承があり、現在も小さな祠が杜の中に残されている。店名の「テン」は、そんな「天月神社」の“天”と、「天地人」の“天”、2つの「天」から名付けられた。「天と地、自然に包まれて人が過ごし、この場所に流れる時間を感じてもらえたらうれしいです」とカフェのオーナーである井本由喜さんは優しく語る。そんな願いを込め、2023年にオープンしたカフェである。

ケーキとドリンクのセットは1300円~1900円。島の果物を使った季節の酵素シロップを使ったドリンクもそろっている 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)
ケーキとドリンクのセットは1300円~1900円。島の果物を使った季節の酵素シロップを使ったドリンクもそろっている 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)
ランチは月2回。二十四節気の季節ごとに提供している。その時期の壱岐の食材を盛り込んだ「壱岐島の二十四節気のランチ(2000円)」 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)
ランチは月2回。二十四節気の季節ごとに提供している。その時期の壱岐の食材を盛り込んだ「壱岐島の二十四節気のランチ(2000円)」 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)

■神秘的な神社巡りの途中に立ち寄ったカフェで“占い”も!?

さらに、このカフェの知る人ぞ知る楽しみが「占い」である。生年月日から読み解く四柱推命と、陰陽五行をベースにした「五行喜学」による鑑定で、これまで約3000人を鑑定してきたという。「その人の性質や人生の流れなどを読み解いていきます」と井本さん。ゆっくり鑑定を受けたい人は、営業時間前後の10~11時、17~18時は貸切で受け付けている。営業中も、カフェの状況によっては鑑定可能だ。

占いの鑑定料は30分程度で5000円。公式InstagramのDMから要予約 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)
占いの鑑定料は30分程度で5000円。公式InstagramのDMから要予約 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)

■紅葉シーズンは絶景!敷地内のモミジがいっせいに色づき“紅葉カフェ”へ早変わり

取材時はまだ青々としていたモミジだが、例年12月中旬から下旬になると紅葉の見頃を迎え、カフェ周辺は緑の世界から紅色の世界へと様変わりする。井本さんが「紅葉の時期には、毎年一度『紅葉のひととき』として、紅葉を楽しむイベントを開催しています」と教えてくれた。その年によって内容は変わるとのことだが、昨年はワインと食事を楽しむ会を開催したそう。今年の開催については「その年の紅葉の色づき具合を見ながら開催時期を決めており、詳しくはお店のInstagramでお知らせしています」とのことなので、秋に壱岐へ旅行する際は、ぜひチェックしてみよう。

例年12月中旬から下旬が見頃 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)
例年12月中旬から下旬が見頃 画像提供:杜のカフェ テン(morinocafe@ten)

〈杜のカフェ テン(morinocafe@ten)〉

住所:長崎県壱岐市芦辺町箱崎釘ノ尾触757

電話番号: 080-1980-9453

営業時間:11時~17時

定休日:木曜日・金曜日

駐車場:9台(無料)

クラフトビール、温泉、神社、カフェ――巡るほどに見えてくる島の魅力

澄んだ海を眺め、魚を食べるだけでも十分に満足度が高い島の旅。しかし、島にはもっと多彩な表情がある。老舗の酒蔵から生まれたクラフトビールを味わい、島民に復活を願われた良泉につかる。そして神々の島の神社を巡り、歴史を感じる古民家カフェで一服。島の生活に根付いた気になる場所をつなぎながら旅をしていくと、壱岐という島そのものの輪郭が少しずつ浮かび上がってくる。壱岐島は、小さすぎず大きすぎない、ほどよいサイズ感の島である。急ぎ足で回るのではなく、1カ所1カ所にゆっくりと滞在し “島で暮らしている感覚”で旅をするのも、大人の旅にぴったりかもしれない。

取材・文=大庭かおり

※営業時間は変更になることがあります。詳しい時間は公式サイトをご確認ください。

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※20歳未満の者の飲酒は法律で禁じられています。

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