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終わらない家事に疲れ果てた著者が「こうあるべき」を手放してみたら…日々の暮らしをもっと豊かにする、頑張らないという提案【書評】

  • 2026.10.15

【漫画】本編を読む

『ナコさんちの頑張らない家事』(ナコ/KADOKAWA)は、仕事をしながら「家事も育児も完璧に」と頑張り続けていた著者・ナコ氏が、家事のやり方を根本から見直し、家族みんながラクに暮らせる方法を見つけていく姿を描いた実録コミックエッセイだ。

ナコ氏は、ふたりの子どもを育てながら仕事をこなし、家事もできるだけ完璧にやろうと奮闘していた。しかしそんな生活を続けているうちに、体がSOSを発してしまう。そこでナコ氏は、それまで当たり前と思っていた家事のやり方をひとつずつ見直すことにする。掃除、料理、洗濯、片付け……。毎日やっても終わることのない家事を少しでもラクにするために必要だったのは、もっと頑張ることではなく、「これって本当にやらなきゃダメ?」と疑ってみることだった。

たとえば洗濯物。洗ったら干して、取り込んで、きれいに畳んで収納するまでが当たり前と思っていたが、「もう洗濯物は畳まない」という大胆な方法を実践する。ほかにも、使ったあとに消毒するのが面倒なまな板は使わないなど、「家事とはこうするもの」という固定観念にとらわれず、家族に合った方法へと変えていく。

単純に家事をサボるのではなく、「何のためにそれをしているのか」を考え直しているところが興味深く、自分の家事への取り組み方を考えさせられることだろう。家や衣服をきれいに保ち、家族のために美味しい料理を作ることはとても大切なことだ。しかしそれを完璧にこなそうとして疲れ切ってしまい、家族に笑顔を向ける余裕を失ってしまったら、妻として、そして母親として本末転倒なのかもしれない。

洗濯物は畳まなくてもいい。片付けが面倒な道具は使わなくてもいい。そんな「ちゃんと家事をしなければ」という思い込みをひとつでも手放すだけで、毎日の暮らしがグッとラクになるはずだ。家事に追われて毎日ため息をついている人に、「もっと頑張る」以外の選択肢を提示してくれるだろう。

文=富野安彦

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