1. トップ
  2. エピソード
  3. 車掌「特急券を確認させていただきます」乗客「えっ!聞いてない!」突然、激怒した理由に「ハッとした」

車掌「特急券を確認させていただきます」乗客「えっ!聞いてない!」突然、激怒した理由に「ハッとした」

  • 2026.11.4
undefined
出典:photoAC ※画像はイメージです

電車に乗る前、ホームや改札口で「この電車、〇〇駅に行きますか?」と駅員や乗務員に確認した経験はありませんか?
目的地へ向かう電車に間違いなく乗り込むための、よくある気軽なやり取りですよね。

ですが、日々多くのお客様をご案内する鉄道の現場では、このシンプルな言葉の裏にある「真の意図」を汲み取りきれず、後から思わぬトラブルに発展してしまうことがあります。

今回は、ホームでの何気ない一言から始まった食い違いのエピソードをご紹介します!

「この電車、〇〇駅まで乗っていって大丈夫ですよね?」

ある日の日中、特急列車が発車する前のホームでのことです。
乗務交代のため次の電車の到着を待っていた私は、とあるお客様から声をかけられました。

「すみません、この電車、〇〇駅までこのまま乗っていって大丈夫ですよね?」

目的地である〇〇駅へ向かう列車であることは間違いなかったため、私は笑顔で「はい、〇〇駅まで参りますよ。ご安心ください」とお答えし、ご乗車いただきました。

目的地への行き先確認をしてくださったのだと素直に受け止め、滞りなくご案内できたと思っていたのですが……
事態は車内巡回の際に急変したのです。

「さっき大丈夫って言ったじゃないか!」車内改札で一変した態度

列車が発車し、私は車内改札を始めました。

先ほどホームで声をかけてこられたお客様の元へ向かい、「恐れ入ります、特急券を確認させていただきます」とお声がけしたところ、お客様は急に強い怒りを露わにしました。

「えっ、特急料金をとるの?さっきホームで『このまま乗っていって大丈夫』って言ったじゃないか!特急料金がかかるなんて聞いていない!」

周囲のお客様も振り返るほどの声に、ハッとさせられました。

お客様の最初の質問にあった「このまま乗っていって大丈夫ですよね?」という言葉の真意は、単に「目的地へ着くかどうか」の確認ではなかったのです。

「追加料金を払わずに、普通乗車券だけでこのまま乗っていけるのか」という不安からの問いかけだったのだと、その時初めて気づきました。

案内不足をお詫びし、ルールを説明

こちらの認識不足と言葉足らずにより、お客様に誤解を与え、不快な思いをさせてしまったことは確かです。

「大変申し訳ございません。先ほどホームでお尋ねいただいた際、行き先の確認のみと受け止めてしまい、説明が不足しておりました。こちらの列車は全車指定席となっておりまして、乗車券のほかに指定席特急券が必要です」

案内が不十分だった点をお詫びしつつ、該当列車の仕組みを丁寧にご説明しました。

すると、お客様もこちらの誠意ある説明を聞いて落ち着きを取り戻し、「そういう仕組みだったんだね。こちらも言葉が足りなくてすみませんでした」とおっしゃり、納得の上で車内精算に応じていただくことができたのです。

言葉通りに受け取らない「先回り」の案内の大切さ

お客様からのシンプルな問いかけの裏にある「本当のニーズや不安」を先回りして察知し、説明を補足することは、とても大切です。

お客様が口にする「〇〇駅に行きますか?」「このまま乗れますか?」という言葉には、単なる行き先の確認だけでなく「特急券は必要なのか」「乗り換えは要るのか」といった他の意図が隠れていることが少なくありません。

言葉通りに答えるだけで終わらせず、「こちらの列車は特急券が必要ですが、お持ちでしょうか?」といった一歩踏み込んだ案内を添えることで、後からのトラブルを防ぎ、お客様に安心感を与えることができます。

皆様も、電車に乗る際に少しでも疑問や不安に思ったことがあれば、遠慮なく駅員や乗務員にお尋ねくださいね。


ライター:ひなこ

シティホテルおよび鉄道会社での勤務経験を持つWEBライター。駅員・車掌やホテルのフロント・宴会営業・レストランなどの現場を経験。現在では、現場での実務経験とトラブル対応の知見を活かした執筆活動を行っている。ホテルへの見識を深めるため「月1回ホテル宿泊」を継続中。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ