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「課長、ここの売上の数字、3か所まちがっています」会議で自信満々に指摘した私。終業後、電卓をたたき直して青ざめた理由

  • 2026.10.14

自信満々で指摘した3か所の計算ミス

昼すぎの会議室でのことです。

長机を囲んでいるのは、私を含めて8人ほどの社員。

ホワイトボードの前では、50代の物静かな課長が資料を手に説明をしていました。

その日の議題は、来月からの売上計画についてでした。

部署ではいちばん若手の私ですが、数字の確認だけは得意で、先輩たちからも検算を頼まれることがあります。

この日も、配られた資料を見ながら電卓をたたいていました。

ところが、どう計算しても上半期の合計が合いません。

「あれ……おかしいな」

もう一度計算しても結果は同じ。下半期も年間の合計も、資料に書かれた数字とずれていました。

「さっきからどうしたの?」

隣の先輩が小声で尋ねてきました。

「いや、ここの数字が合わなくて。何回計算しても違うんですよ」

私は何度も電卓をたたいていたので、自分の計算が間違っているとは思いもしませんでした。

やがて課長が説明を一区切りして、会議室を見渡しました。

「ここまでで、何か質問はありますか?」

私はすぐに手を挙げ、立ち上がりました。

そのまま前へ出ると、課長の手元にある資料の表を指さしました。

「課長、ここの売上の数字、3か所まちがっています」

周りの視線が一斉に集まります。

課長は少し驚いたように資料を見下ろしました。

「ええと、どこの数字かな?」

「上半期と下半期、それから年間の合計です。年間だと120万円もずれています」

私は自信たっぷりに答えました。

課長はしばらく資料を見つめ、首をかしげました。

「あとで、細かいところを確認しましょう」

その場では反論せず、次のページの説明に移りました。

私は指摘できたことに満足して、自分の席に戻りました。

会議が終わると、隣の先輩が声をかけてきました。

「すごいね。私だったら、あんなふうに言えないよ」

「いや、数字が合わなかったので…」

そう答えながらも、内心では少し得意になっていました。

終業後、顔から血の気が引いた理由

その日の終業後、私は自分の席でもう一度資料を開きました。

課長に正しい数字を伝えようと思ったのです。

電卓を取り出し、上半期の数字を順番に足していきました。

「…あれ?」

合計が合っています。

おかしいと思い、下半期も年間も計算しました。ところが、どれも資料の数字とぴったり一致するのです。

「えっ、ちょっと待って…」

慌てて表を見直したとき、ようやく気づきました。

売上計画の欄のすぐ隣に、去年の売上が載っていたのです。

数字の並びがよく似ていたため、会議中の私は、ずっと去年の欄を足していました。

上半期も下半期も年間も、3か所すべてです。

「うそ……私、何やってるの…」

一気に顔が熱くなりました。

会議室で堂々と手を挙げ、課長の前で120万円も違うと言い切った自分を思い出します。

私は資料を持って、課長の席へ向かいました。

「課長、すみません。さっきの数字なんですけど……私の見間違いでした。去年の欄を計算していました」

課長は私の顔を見て、小さくうなずきました。

「そう」

それだけでした。

怒られなかったことにほっとする一方で、余計に恥ずかしくなりました。

そして翌週、次の会議の資料が配られました。

何気なくページをめくると、売上の欄の端に、以前はなかった小さな注意書きが増えています。

「※去年の欄と、まちがえないでください」

その一文を見た瞬間、私は固まりました。

隣の先輩も気づいたようで、注意書きを指で軽くたたきながら、こちらを見て笑っています。

「ねえ、これ…」

「もう、言わないでください……」

私は思わず資料で顔を隠しました。

すると先輩が、笑いをこらえながら一言。

「次は、3回たしかめてから手を挙げてね」

何も言い返せませんでした。

数字に自信があっただけに、あの日の勘違いは今でも忘れられません。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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