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日本一のジェラートはココナッツパイン&シークワーサー!ローカル素材にこだわった「ジェラートワールドツアー」決勝大会レポート

  • 2026.10.11

イタリアの高級ジェラートやソフトクリームなどの製造機械メーカー「カルピジャーニ」の日本法人カルピジャーニ・ジャパンは、国内のジェラート技術の発展と職人の創造性を称えることを目的として「ジェラートワールドツアー2026 日本大会」を開催。その決勝大会が2026年10月8日に「LUMINE 0」(東京・新宿)で行われ、「マルガージェラート」(石川県)の竹野智大さんが優勝を勝ち取った。

「ジェラートワールドツアー2026 日本大会」で入賞した竹野智大さん(優勝)、市原健太郎さん(準優勝)、吉澤未来さん(第3位) 撮影:ソムタム田井
「ジェラートワールドツアー2026 日本大会」で入賞した竹野智大さん(優勝)、市原健太郎さん(準優勝)、吉澤未来さん(第3位) 撮影:ソムタム田井

12名のファイナリストが珠玉のジェラートを披露

カルピジャーニが主催、海外へ日本食品・フードサービスを展開する「おいしいJAPAN」が企画・運営した「ジェラートワールドツアー」の決勝大会では、“日本のローカル素材”をテーマに、12名のファイナリストが各地の特産品や地場食材の魅力を最大限に引き出した唯一無二のジェラートフレーバーを披露。4名ずつ3つのグループに分かれ、持ち時間70分間でジェラートの製造からパフェの盛り付けまでを完成させたのち、それぞれが10分間のプレゼンテーションを行い、自身の手掛けたジェラートの特色をアピールした。

12名のファイナリストが壇上に集結 撮影:ソムタム田井
12名のファイナリストが壇上に集結 撮影:ソムタム田井

審査は「ラ・ベルデュール」オーナーシェフの服部明さんを審査委員長に、9名の審査員が“味覚”と“ビジュアル”のふたつの軸で評価する形で行われ、味覚評価では素材の引き出し方やなめらかさなど、ジェラート自体の技術と風味に焦点を当て、「ローカル素材の魅力がどう表現されているか?」が大きな鍵となった。

一方のビジュアル評価では、美しさ、独創性、盛り付けの精密さなど、パフェスタイルとしての造形美や構成力が評価された。厳正な審査の結果、見事優勝に輝いたのは、「ココナッツパインとシークワーサー」を手掛けた「マルガージェラート」の竹野智大さんだった。

表彰式では優勝した竹野さんをはじめ、準優勝、第3位、そして審査員特別賞を受賞した3名を含む計6名のジェラートマエストロがステージに登壇。賞状やトロフィーが手渡されるセレモニーが行われた。なお、各賞の入賞者とそれぞれが手掛けたジェラートは以下の通り。

壇上にて賞状とトロフィーを授与される竹野智大さん
壇上にて賞状とトロフィーを授与される竹野智大さん

■入賞者一覧(フレーバー/氏名/店舗名)

優勝:ココナッツパインとシークワーサー

竹野智大さん/マルガージェラート(石川県)

カクテルのピニャコラーダを日本の素材とともにパフェへと落とし込んだ構成。ジェラートの味をメインに全体のバランスと、味の変化、余韻を長く感じられるようにコントロール。食べた瞬間、作り手が思い描く味や風景が自然とイメージできるよう工夫した一品。

ココナッツパインとシークワーサー
ココナッツパインとシークワーサー
壇上にて賞状とトロフィーを受け取る竹野智大さん 撮影:ソムタム田井
壇上にて賞状とトロフィーを受け取る竹野智大さん 撮影:ソムタム田井

準優勝:浅煎り深煎り2種のほうじ茶ジェラート〜魅惑のスパイスとチョコバナナの饗宴〜

市原健太郎さん/ホテルグランヴィア大阪(大阪府)

コンクール経験を活かした緻密な配合設計で、食感や融点の異なるパーツを配合。深煎りほうじ茶の香ばしさから、華やかな浅煎り、チャイ風スパイス、チョコバナナの奥行きへと時間差で広がる劇的な口どけを実現。計算し尽くしたバランスが生み出す、見た目も味わいもジェラートが主役の極上の一皿。

浅煎り深煎り2種のほうじ茶ジェラート〜魅惑のスパイスとチョコバナナの饗宴〜
浅煎り深煎り2種のほうじ茶ジェラート〜魅惑のスパイスとチョコバナナの饗宴〜
壇上にて賞状とトロフィーを受け取る市原健太郎さん 撮影:ソムタム田井
壇上にて賞状とトロフィーを受け取る市原健太郎さん 撮影:ソムタム田井

第3位:越後おぢや有機蕎麦

吉澤未来さん/Patisserie Ludique(新潟県)

小千谷産有機蕎麦を主役に、焙煎したそば茶やそばの実の香ばしさを重ねた。洋梨のやさしい甘みとキャラメルカフェのほろ苦さを合わせ、異なる食感と香りが調和する一品に仕上げた。食べ進めるごとに蕎麦の豊かな風味と余韻を楽しめるジェラートパフェ。

越後おぢや有機蕎麦
越後おぢや有機蕎麦
壇上にて賞状とトロフィーを受け取る吉澤未来さん 撮影:ソムタム田井
壇上にて賞状とトロフィーを受け取る吉澤未来さん 撮影:ソムタム田井

審査員特別賞:Mela e Rosa(りんごとバラのジェラート)

肥田野雄紀さん/ARIETTA DEL GELATO(神奈川県)

信州りんごと国産無農薬バラのジェラートを中心に、バラをイメージしたりんごのコンポート、シードルとバラとりんごのジュレで香りの重なりを表現。緑茶のクレープ、マスカルポーネ、米とラズベリーのチュイル、ニッキと日本くるみのクロッカンテで和素材の余韻と食感の調和を加えた、果実と花が主役のパフェ。

Mela e Rosa(りんごとバラのジェラート)
Mela e Rosa(りんごとバラのジェラート)
審査員特別賞を受賞した肥田野雄紀さん 撮影:ソムタム田井
審査員特別賞を受賞した肥田野雄紀さん 撮影:ソムタム田井

審査員特別賞:La mia cara città〜山椒と抹茶の甘酒フォルマッジョ~

益村千代さん/ジェラテリアpacherryb.(鳥取県)

華やかでありながらも味の邪魔をしない琥珀糖とオパリーヌから食べ進め、主役のジェラートの層へ。ジェラートを楽しみながら、その次の層では煎茶のグラニータと酸味の効いた露茜のソース、大山プレミアムミルクで味の変化を楽しみ、最後の層では、ライスパフとチーズケーキ、抹茶クランブルを味わえる満足感の高いパフェ。

La mia cara città〜山椒と抹茶の甘酒フォルマッジョ~
La mia cara città〜山椒と抹茶の甘酒フォルマッジョ~
審査員特別賞を受賞した益村千代さん 撮影:ソムタム田井
審査員特別賞を受賞した益村千代さん 撮影:ソムタム田井

審査員特別賞:架け橋ジェラート〜蜜とコーヒーとゆず吉と〜

棟久智之さん/パティスリーカフェ ロワゾブルー(山口県)

老若男女幅広く好まれるようシンプルなパフェを構成。ハニコムの鮮やかな飾りをスタートに、メインのジェラートと食感・味・香りの変化を楽しみながら、最後はゆず吉のジュレでさっぱりと。好きなタイミングでピペットのゆず吉ハニーソースをかけて楽しめる。過度な飾りをせず、食べやすさと満足度を重視した一品。

架け橋ジェラート〜蜜とコーヒーとゆず吉と〜
架け橋ジェラート〜蜜とコーヒーとゆず吉と〜
審査員特別賞を受賞した棟久智之さん 撮影:ソムタム田井
審査員特別賞を受賞した棟久智之さん 撮影:ソムタム田井

技術を磨き、ジェラートの魅力をさらに広めたい

審査員特別賞、第3位、準優勝、優勝の順に入賞者たちが表彰されていくなか、コメントを求められた竹野さんは「ジェラートは冷たい食べ物ですが、食べることで心が温かくなる不思議な力を持っています」といった独自の見解を語り、会場を沸かせた。

【竹野智大】ジェラートを始めたころから夢見ていた舞台で優勝できたことは、私にとって特別な意味があります。大会に向けて素材と向き合う時間は、自分自身と向き合う時間でもあり、職人としてだけでなく、人としても成長できたと感じています。今回の優勝を機に、ジェラートの魅力をさらに広めていく責任もあります。ジェラートは冷たい食べ物ですが、食べることで心が温かくなる、不思議な力を持っています。つらいときや不安なとき、ひと口食べてほっとしてもらえるようなジェラートを届けたい。そして、これからも技術と知識を磨き、次の世代へとその魅力をつないでいきたいと思います。

優勝した「マルガージェラート」(石川県)の竹野智大さん
優勝した「マルガージェラート」(石川県)の竹野智大さん

主催者であるカルピジャーニ・ジャパン代表取締役のスクリミッツィ・ロレンツォさんは、日本の食文化や地産の特色を活かした技術を高く評価し、ファイナリストたちに賞賛のコメントを贈る。

【スクリミッツィ・ロレンツォ】今回、7年ぶりに日本で「ジェラートワールドツアー」が開催できたことをうれしく思います。前回の2019年開催以降、コロナ禍を乗り越えて専門店やファンが増加し、メディアを通じてジェラートの魅力が広く浸透しました。日本の豊かな食文化や地産の特色を活かした高い技術は、海外からも高く評価されています。出場された皆様の努力と挑戦は、結果にかかわらず日本のジェラート業界のさらなる発展につながるものと確信しております。本大会へのご参加に心より感謝いたします。

カルピジャーニ・ジャパン代表取締役のスクリミッツィ・ロレンツォさん
カルピジャーニ・ジャパン代表取締役のスクリミッツィ・ロレンツォさん

駐日イタリア共和国大使のマリオ・アンドレア・ヴァッターニさんは、食による日本とイタリアの文化交流を喜ばしく思いつつ、「これからもジェラートの魅力を広く伝えていってほしい」とファイナリストたちを激励した。

【マリオ・アンドレア・ヴァッターニ】今年、イタリアと日本は国交樹立160周年を迎えます。両国の友好関係は、共通の価値観や経済・技術分野の協力、そして文化交流に支えられています。食は両国の文化に欠かせない存在であり、ジェラートはイタリアの伝統、素材の品質、創造性、革新を象徴しています。そして世界中で愛されるジェラートを支えるイタリア製の製造機械も、世界に誇る産業の一つです。本大会の審査員の皆様に感謝するとともに、12人のファイナリストの皆様にお祝いを申し上げます。ここまで勝ち進まれたことは、皆様の専門技術、情熱、創造性が高く評価された証です。また、ジェラートのアンバサダーとして、その魅力を広く伝えてくださる皆様にも、感謝を申し上げます。

駐日イタリア共和国大使のマリオ・アンドレア・ヴァッターニさん
駐日イタリア共和国大使のマリオ・アンドレア・ヴァッターニさん

さらに終盤には、審査委員長の服部さんからも総評が述べられ、大盛況のうちに「ジェラートワールドツアー2026 日本大会」の決勝大会は終了した。

【服部明】本日しのぎを削って戦われた選手の皆さんと素晴らしい作品に対して、敬意を表したいと思います。今回、「ジェラートワールドツアー」の決勝に当たって、やはり日本のジェラートのレベルは非常に高いなと感じました。素材に対する造詣の深さ、そして各素材に対して、それをどう活かしていくかという工夫が随所に見られて、素晴らしい決勝大会だったと思っております。審査委員会としては、今回は完成度の高さ、味のバランス、なめらかさやくちどけのよさ、そして「テーマ性に沿って、それをどう表現しているか?」といったところを、じっくり時間をかけて見させていただき、プレゼンテーションもしっかり聞いて審査を行いました。その結果、最終的に各賞と順位が決定しました。

また、今回は惜しくも壇上に届かなかった方もいらっしゃいますが、本当に素晴らしい技術と素材へのこだわりが随所から見てとれ、非常にレベルの高い大会だったとあらためて感じています。この「ジェラートワールドツアー」を通して得た経験を活かして、今後もたくさんの笑顔と感動を与えられるジェラートを作っていただきたいです。イタリアのジェラートには長い歴史がありますが、ジェラートというのは素材への敬意であったり、愛情が凝縮された食文化でもありますので、今後もその文化をより発展させられるように、皆さんにも努力し続けていただきたく思います。選手の皆さんのますますのご活躍と、ジェラート文化の発展を記念して、審査員の挨拶とさせていただきます。

審査委員長を務めた「ラ・ベルデュール」オーナーシェフの服部明さん 撮影:ソムタム田井
審査委員長を務めた「ラ・ベルデュール」オーナーシェフの服部明さん 撮影:ソムタム田井

取材・文=ソムタム田井

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