1. トップ
  2. エピソード
  3. 3回届けに行っても『不在』の冷蔵便の荷物…保管期限の最終日、受取人からの電話で“発覚した真相”

3回届けに行っても『不在』の冷蔵便の荷物…保管期限の最終日、受取人からの電話で“発覚した真相”

  • 2026.10.30
undefined
出典:photoAC ※画像はイメージです。

皆さんこんにちは、元宅配員のmiakoです。

旅行に出かけた際、現地の名産品を自宅でも楽しみたいと、宅配便を利用したことはありませんか?
移動中に荷物が増えると困るからと、お土産を現地から自宅へ送った経験がある方もいらっしゃるかもしれません。

冷蔵や冷凍など、温度管理が必要なものは、手で持ち帰るよりも宅配便を利用し、帰宅後の楽しみにされる方もいらっしゃいます。

今回は、そんな冷蔵便の保管期限が迫るなか、受取人と何度も入れ違いになり、思いがけない対応をすることになったときのお話です。

差出人と受取人が同じ荷物

ある日、冷蔵品の荷物をお届けすることになりました。
伝票を確認すると、差出人と受取人の住所もお名前も同じです。

そのお客様、A様の荷物は18時から20時のお届け指定で、冷蔵便でした。

中身の欄には「食品」と書かれています。

18時過ぎのお届けは返事なし

営業所に荷物が届いたその日の18時過ぎ、A様のお宅へ伺いました。
しかし、呼び鈴を押してもお返事はなく、家の中は静かなままです。

いつも停まっているはずの車も見当たりませんでした。

たまたまお出かけ中で、タイミングが悪かっただけかもしれない。

そのときは、そう考えていました。

冷蔵便の保管期限は3日

ただ、冷蔵便には通常の荷物よりも保管期限が短く、3日というルールがあります。

中身によっては、さらに短い期限が設けられていることもあります。

生ものやケーキ、お弁当、日持ちのしないお土産などは、品質を保つために、差出人である店舗やオンラインショップが、保管期限を「1日」などに短く設定している場合もあるのです。

今回の荷物は、中身の欄に「食品」と書かれていました。
発送元を調べると、県外の観光地だったため、お土産物である可能性も考えられました。

指定された時間にお客様がご在宅でないことは、決して珍しくありません。
ただ、ご自身で発送された荷物であれば、到着する日時は分かっているはずです。

時刻は18時15分を少し過ぎたところでした。
19時までに再配達のご連絡をいただければ、その日のうちにお届けできます。

一旦、様子を見よう。

ご連絡が来ることを願いながら、不在票をポストに入れ、A様のお宅を後にしました。

営業所に戻っても連絡はなし

営業所に戻った20時半を過ぎても、A様からのご連絡はありませんでした。
宅配員が働いている時間内にご連絡がなくても、再配達の依頼は24時間受け付けています。

夜のうちに依頼が入り、翌日にはお届けできるだろう。そう考えていました。

ただ、翌日の私は別のエリアを担当することになっていたため、A様のお宅には伺いません。
再配達の依頼が入ったかどうかは、分からないままでした。

荷物が届いて3日目、保管期限の最終日

その翌日、出勤して荷物を確認していると、見覚えのある箱が目に入りました。

もうないと思っていた、A様の荷物です。

伝票の裏には、宅配員同士で共有する配達記録のシールが何枚か貼られていました。どうやら前日も不在で、再配達の依頼もなかったようです。

再配達の依頼が入ると、荷物を持ち出す際に日時指定のシールが発行されます。しかし、この荷物にはそのシールもありませんでした。

もしかすると、A様はまだ荷物が届いていることをご存じないのかもしれません。中身は「食品」です。

このままで大丈夫だろうか。

心配になり、事務員に相談しました。

「冷蔵便ですよね。一応今日が保管期限の最終日ですから、時間があれば何回か伺ってみてもらってもいいですか? 今のところ連絡は来てないようですし、返品するにしても、差出人も同じ人なら受け取れなければ仕方ないですし、発送店に連絡して、そちらに返品になると思います。ちょっとこちらでも気にかけておきますね」

「お願いします」

そうして、A様の荷物を持って出発しました。

何度伺っても不在

最初に伺ったのは、指定時間より前の14時半でした。しかし、このときもご不在です。

訪問したことをお知らせするため、不在票を入れようとポストを開けると、すでに同じ不在票が2枚入っているのが見えました。このうちの一枚は私が一昨日に入れたものでしょう。

A様は、まだ帰宅されていないのかもしれない。

その可能性が、一気に高まりました。

本来であれば、「本日が受け取り期限のため、ご連絡がない場合は返品となります」と一筆添えるところです。
ですが、この荷物は差出人の住所も同じなので、返品先もこのお宅になります。

いつ、お帰りになるのだろうか。

少し不安を抱えながら、3枚目の不在票を入れました。
その後も17時前、18時過ぎ、20時過ぎと立ち寄りましたが、いずれもご不在でした。

もう一度、事務員と店長に相談しなければ。

営業所に戻り、荷物を事務所の冷蔵保管庫に入れながら、そう考えていたときです。
突然、私の携帯電話が鳴りました。

受取人本人からの電話

「すみません、Aですけれど、冷蔵便の荷物届いてると思うんですけど」

電話の相手は、A様ご本人でした。
念のため、ご住所とお名前を確認すると、ご本人で間違いありません。

「はい、一昨日こちらに到着しまして、一応今日が保管期限なのですが」

「すみません、まだ旅行先なので、そちらの営業所で保管しておいてもらってもいいですか? 明後日帰った後に取りに行きます。中身は真空パックのものとかなので、すぐ腐るものじゃないですし、把握していますので」

「かしこまりました。あの、少々お待ちいただいてよろしいですか?」

預かってよいか、事務員と店長に確認

ちょうど営業所にいたため、A様に少しお待ちいただき、事務所にいた店長と事務員に確認しました。

「差出人でもあるご本人が、荷物の状態は大丈夫だとおっしゃるのであれば、今回はお預かりしましょう。ただし、中身の状態は保証できなくなる可能性があるとお伝えしてください。あと、中身に凍らせてはいけないものが入っているかも確認してもらえますか?」

事務員の意見に店長も同意したため、その内容をA様にお伝えしました。
すると、こんなお返事がありました。

「中身は真空パックの干物と漬物と、乾物もありますが、ビールやドレッシングとかもあります。佃煮の瓶詰もあります」
「それでは冷凍での保管は難しいので、冷蔵で保管します。ただ、品質の保証ができかねますが、よろしいですか?」

そうお伝えすると、「わかりました」とのお返事でした。

こうして、今回は特例として冷蔵のまま保管し、2日後にA様が営業所へ直接引き取りに来てくださることになりました。

冷蔵便の保管と、今回のような対応

冷蔵品は品質を保つため、通常の荷物よりも保管期間が短く設定されています。
冷蔵便の保管期限は、基本的に3日です。

冷凍便に切り替えると保管期限が7日に延びるため、冷凍での保管への切り替えをご提案することもあります。
ただし、中身に冷凍できないものが含まれている場合は、この対応はできません。

今回は営業所としてお預かりする判断になりましたが、ご自身で発送された荷物であっても、受け取りの連絡が取れない場合は、発送を手配したお店などへ返送することもあります。

また、冷蔵のままの保管や、冷凍への切り替えについても、担当する営業所や荷物の状態によって対応が異なります。

保管できるスペースには限りがありますし、品物によっては、預かっている間に品質が落ちてしまう可能性もあります。
そのため、ご自身が注文された品物であっても、出荷元の指示によって返送されることがあるのです。

旅行先から送るときに気をつけたいこと

旅行先でお土産を発送するときは、送り先の状況や、受け取れる日を確認してから手配されることをおすすめします。

たとえご自宅であっても、ご家族も一緒に旅行中で受け取れなかったり、帰宅までまだ数日かかったりすることもあるでしょう。そのようなときは、発送をお願いするお店に相談してみるのもひとつの方法です。

日にちをずらして発送してくれるお店もあれば、購入されたその商品をその日のうちでなければ発送できないというお店もあるかもしれません。

また、受け取り予定日に帰宅が間に合わない場合は、近隣にお住まいのご家族や信頼できる方に代わりに受け取ってもらい、保管をお願いする方法もあります。

どうしても難しい場合は、配送会社のカスタマーセンターに連絡し、営業所での保管について相談してみるのもよいでしょう。

冷蔵便は、時間との勝負になることもあります。
今回のように、保管期限が迫っていても、お客様から事情をお伝えいただくことで、対応を相談できる場合もあります。
ただし、すべての荷物で同じ対応ができるわけではありません。

だからこそ、特に冷蔵便でお荷物を送るときには、受け取れる日時や保管期限、中身の賞味期限などについても、少し気にかけていただけるとうれしく思います。

お客様と宅配員がお互いの状況を伝え合い、これからも気持ちよく荷物のやり取りができる日が続くことを、心から願っています。



ライター:miako
宅配ドライバーとして10年以上勤務した経験を生かし、現場で出会った人々の温かさや、働く中で積み重ねてきた“宅配のリアル”を、経験者ならではの視点で綴っています。
荷物と一緒に交わされてきた小さなエピソードを、今は文章としてお届けしています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】

の記事をもっとみる

注目コンテンツ