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「そんな…」“母の介護費200万円”を引き出そうとした50代娘、貯金1,800万円あるはずが…銀行員から告げられた“予想外の言葉”

  • 2026.10.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。元メガバンク銀行員の渡辺智です。

「親の通帳と印鑑があれば、子どもの私が介護費用を引き出せるはず」

そう思って窓口を訪れた家族が、銀行員から「ご本人の意思確認が必要です」と断られてしまうケースが後を絶ちません。

親が認知症になったとき、たとえ介護費用であっても、家族が自由に預金を引き出せるとは限りません。「口座にお金はあるのに、必要なときに使えない」という事態は、誰にでも起こり得ます。

今回は、銀行の現場でも数多く相談が寄せられる「認知症と預金管理のトラブル」について、実際にあった事例をもとに原因と事前対策をわかりやすく解説します。

認知症の母親を支えてきた55歳の長女

Yさん(55歳女性・仮名)は、78歳の母親と二人暮らし。3年前に父親を亡くして以来、母親の生活を支えてきました。

母親に認知症の症状が現れたのは2年前。次第にお金の管理が難しくなり、由美子さんが通帳やキャッシュカードを預かるようになりました。

母親の口座には、父親の遺産や長年の貯蓄など約1,800万円が残されていました。

そんなある日、母親の介護施設への入居が決まり、入居費用などで200万円が必要になります。

「母のお金なんだから、介護費用に使うのは当然でしょう」

そう考えた由美子さんは、母親の通帳と印鑑を持って銀行を訪れました。

しかし、そこで思わぬ問題に直面したのです。

銀行の窓口で告げられた、まさかの一言

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

銀行の窓口で、由美子さんは母親の通帳と印鑑を差し出し、200万円の引き出しを申し出ました。

しかし、銀行員から返ってきたのは予想外の言葉でした。

「ご本人様の意思確認が必要になります」

「母は認知症なんです。娘の私でも引き出せないんですか?」

銀行員は、家族であっても本人の預金を自由に引き出せるわけではなく、代理権などの確認が必要だと説明しました。

さらに、本人の判断能力によっては、成年後見制度の利用が必要になる場合もあるといいます。

ただし、介護費用については、請求書などを確認して個別に対応する金融機関もあります。

「そんな…母のためのお金なのに、すぐには使えないなんて……」

1,800万円もの預金がありながら、必要なときに自由に使えるとは限らない現実に、由美子さんは言葉を失いました。

元銀行員が解説する、認知症による預金トラブルを防ぐ方法

今回のようなケースは、銀行の現場でも相談が寄せられる問題の一つです。

特に注意したいのは、親が認知症になったからといって、家族が自由に預金を引き出せるわけではないという点です。

銀行には預金者本人の財産を守る責任があり、本人の判断能力や代理権を確認したうえで、取引の可否を判断します。

ただし、認知症と診断されただけで、必ず口座が凍結されるわけではありません。介護費用や医療費については、請求書などを確認し、個別に対応する金融機関もあります。

判断能力が十分にあるうちなら、銀行の代理人制度や任意後見契約、家族信託などを検討することも有効です。ただし、制度によって利用条件や管理できる財産の範囲は異なります。

すでに判断能力が低下している場合には、成年後見制度の利用が選択肢となります。

大切なのは、親が元気なうちに、預金の管理方法や将来の介護費用について家族で話し合っておくことです。

「お金があること」と「必要なときに使えること」は、決して同じではありません。

親の大切な財産を守りながら、安心して介護を続けるためにも、早めの準備が欠かせないのです。


執筆者:渡辺智

元メガバンク銀行員・金融ライター。銀行で11年間、富裕層を中心に資産運用・相続・住宅ローンなどの相談業務に従事。5,000件以上のライフプラン相談実績を持つ。

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