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鳴り物入り!ソン・イェジン×チ・チャンウク『スキャンダル』をぶった斬り本音レビュー

  • 2026.9.25

李朝を舞台に、両班の奥方とプレイボーイが仕掛ける危険な恋のゲームを描く時代劇『スキャンダル』。出産後初のドラマ主演のソン・イェジン様と、10月から日本の地上波ドラマ『メリーベリーラブ』が待機中の「どんだけ働くねん!」チ・チャンウク、そして私の愛する『マスクガール』のナナが主演で、この秋で最も話題の作品のひとつ!と言っていいと思います!

このドラマの原作は、当時人気絶頂だった「ヨン様」ことペ・ヨンジュン主演の2003年の映画『スキャンダル』。意味わかんないと思いますが、衝撃の「ふんどしのラブシーン」が大きな話題になった作品です!ドラマはそのへんも結構忠実に再現してるんですが!!!今回の渥美は、ライター生命賭けた(大げさ)、こちらも大胆なぶっちゃけレビューになってます!さて『スキャンダル』って、ほんとのところどうなの?!

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李朝末期を舞台に、両班のスキャンダルが!

物語の舞台は、今でもソウルの韓屋村として知られる北村(プクチョン)。李朝の王宮に近いこの地区は両班が多く住んだお屋敷町で、イェジンはそこに暮らす高級官僚の夫人。名家を取り仕切る、厳しくも聡明な完全無欠の彼女は、でも子供ができないんですね。李朝の名家に跡取りは必須なんで、せめて側室にふさわしい聡明な娘を……と奔走する彼女を尻目に、ボンクラ夫は、やり手女商人ハン・ソナ(『都会の酒飲みの女たち』)の策略にまんまとハメられ、その娘シン・ユナ(『オアシス』)にたらしこまれてしまいます。

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いろいろ不満なイェジンが手紙を書いたのは、かつて自分の裏切りで関係が終わった初恋相手で、今や名うてのプレイボーイとして知られる従弟チ・チャンウク。でもって「側室ユナを妊娠させて」とお願いします。いまだにイェジンに愛憎を抱えるチャンウクは、思わせぶりの手紙からのワケワカメな依頼に「また弄ぶつもりかよ」な気持ちになり、側室の話をすっ飛ばし、別の賭けを提案。それがイェジン宅のお隣に住む、左議政(大臣)家の長男の未亡人ナナ(『マスクガール』)をモノにすること。失敗したらイェジンの依頼を引き受ける、でも成功したら「チャンウクの望みを叶える」という約束です。もちろんチャンウクの望みは、イェジンを手に入れることなんですねー。

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地上波じゃ難しい鳴り物入り作品

『スキャンダル』をNetflixがリメイクでドラマ化!チ・チャンウクが主演!監督はチョン・ジウ!とアナウンスされたとたんに、あ、これ地上波じゃ難しいエロ系だな!と直感しました。原作映画(2003)は大胆なベッドシーンで話題になった作品だし、監督はデビュー映画『ハッピーエンド』から最近作のドラマ『サムバディ』まで、過激なエロが多めの人。そして何よりチ・チャンウクは、この年代の俳優で誰よりも脱ぎ惜しみをしない、ベッドシーンつう言葉じゃ生ぬるいッ!という濡れ場に果敢に挑む俳優だからです!えええ!!知らないんですけど!?っていう人は、すぐに『于氏王后』を見ような!度肝抜かれるで!

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んなわけで、チ・チャンウク目当ての人には、手っ取り早く第4話から見るつうのはどうでしょうかと、あるまじき提案してみる!たは!いやね、私はエロを堪能したいタイプじゃありませんが、それはそれとして、このドラマはぶっちゃけ4話からでいい!(※個人の感想です) この記事の最初の段落は第一話の「あらすじ」ですが、誤解を恐れず(ていうか誤解しようがないけども)率直に言うと、第1話が壊滅的にぜんぜんよろしくない。あはは!(←毒舌の緩和策)

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その一番の原因は、物語の根本的な設定を「無理め」にしている、ソン・イェジンのキャラクターの改変、つうか壊変です!さらにその壊変キャラがぜんぜん魅力的じゃない!(※個人の感想)第一話について言えば、こういうのは終盤に出してこそ哀れを誘うんですよ的な「この人がこうなっちゃったのは、こんな子供時代のせいで……」という描写がまるで言い訳みたいに延々と語られてて、そんなんどーでもいいから「オモシロ悪女だせや!」という気持ちになりました!!ごめんな、ソン・イェジン!

「スキャンダル」ってどういう話なの?

私がそんなん思っちゃうのは、原作映画『スキャンダル』(2003)と比べちゃうからだと思います!奥方とプレイボーイの「かつての初恋相手」設定とか、奥方が「側室を妊娠させろ」と提案し、プレイボーイが「小娘じゃ簡単すぎてつまんないから、未亡人にしよう」と逆提案する展開もほぼ同じ。もっと言えば、未亡人の義弟が側室に一目惚れするのも、奥様がその義弟をけしかけるのも、側室と義弟が恋人になっちゃうのも、その関係をネタにプレイボーイが側室に関係を強いるのも、やがて側室がプレイボーイとの関係を楽しみ始めちゃうのも、大まかな流れはほぼ同じです!(後半の大事なところはぜんぜん違います!)

【原作】ではこのあたりの展開に、奥方(イ・ミスク『涙の女王』)とプレイボーイ(ペ・ヨンジュン『冬のソナタ』)のキャラが説得力を与えています!ふたりは成就できなかった初恋をこじらせた腐れ縁で、今や憂さ晴らしと退屈しのぎで他人の恋心を弄ぶ極悪コンビになっているんですね。特に夫の前では貞淑なしっかりものを演じつつ、裏で陰謀巡らす奥方=イ・ミスクの存在感、美しさ、仇っぽさ、細かい演技は役にドハマりしています。当時の彼女は年下男との不倫スキャンダルで大炎上しており、この役はその「悪女」ぶりを逆手にとったものでもあったんですねー。

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対するソン・イェジンですが、彼女に併せてキャラ改変してはいるものの、たぶんご本人がマジメでいい人すぎなんじゃないかなあ。演出がもう少し繊細だったらまた違ったと思うけども、悪女としても、プライドの高い奥方としても、魅力や深み、面白みに欠けていて、中途半端な気がしました。イ・ハニ(『熱血司祭』)あたりがハマる役だと思うんだよな。

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ちなみにこの作品の大元、つまり【原案】はフランスの小説「危険な関係」で、そのテーマのひとつには、いかにもおフランスな「上流階級の退廃」ってのがあるんですね。でも【本作】はどちらかというと「艶笑喜劇(エロチックコメディ)」の趣き(私はそれほど笑えなかったけども)。「上流階級の退廃」というテーマにも軽くカスってはいますが、こちらもイェジンのキャラ壊変に合わせて行われたナナのキャラ壊変(【原作】退廃した貴族たちの中で、唯一毅然と貞操を守る未亡人→【本作】何よりも醜聞を恐れ、生きのびるために自害を禁じるキリスト教に密かに入信した未亡人)によって、薄められちゃった感じ。

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もったいないのは「男だったら科挙に首席合格確実の優秀さなのに、女性ゆえに意に沿わない結婚をし、子供が生まれないのも自分のせいにされ、側室選びの努力さえも無にされ、若い側室に自分の年齢を思い知らされ……」というイェジンのキャラクターは、登場する「烈女」とからめて、まさに今作るべきフェミニズム的なドラマにできたはず……っていうか、「烈女」って何さ?

ところで「烈女」ってなんなのさ?

というわけで劇中で何度も出てくる「烈女」ですが、「モーレツ女子」略して「烈女」とかでは全然ありません! イム・ジヨン主演の『オク氏夫人伝』(傑作!!)とか、イ・ハニ主演の『夜に咲く花』(サイコー!)なんか見てる方はご存知だと思いますが、これは儒教社会において、亡き夫に忠義をたて貞操を守り抜く妻(未亡人)のことです。「忠義&貞操守り抜く=再婚しない」と思ったあなたはピュアな現代人!

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李朝においては、夫が死んだら後を追って自害するのが妻の最高の忠義&貞操で、「嫁(あえてこの言葉使いますけど)」が達成=烈女になった(つまり死んだ)暁には、王様から「烈女門」の建立が許されます!これが家紋の最大の栄光のひとつなんですね!驚愕なのは「達成する人は偉いけど、達成しなくても別にOK」とかじゃなく、これ破ると世の中から、末代まで蔑まれちゃうんですよ!『濁流』の主人公ロウンが科挙(公務員試験)を受けられなかったのも、彼のおばあちゃんが再婚してたからです!!

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ドラマの中で、ナナは結婚式目前に夫が死ぬわけですが、そんな境遇であっても同じ!ナナが敷地内の「はなれ」で暮らし、ヨレヨレになりながら「私はただ生きたいだけ」と泣き暮らしてるのは、喪に服す妻はああいうところに閉じ込められて、食事の量もめちゃ少なく、つまり「はよ死ね」とじわじわ追い込まれてるわけです!これぞ儒教の家父長制!まじこえええええ!!!!!

チ・チャンウクといえば『メリーベリーラブ』が始まりますね

さてさて最後にイケメンに戻りますが、ほんま働きすぎやでチ・チャンウクって感じで、この10月からは『メリーベリーラブ』も始まります!チャンウクの演じる役は、「ある事件」ですべてを失った元売れっ子空間デザイナーで、傷心を抱えて日本の小さな島にやってくるーーという最近の韓国ドラマでよくあるパターンのヒーリング・ロマコメです!『サムダルリへようこそ』では、チャンウクは迎える側の田舎の気の良い兄ちゃんでしたが、今度はイチゴ栽培に情熱傾ける農業女子・今田美桜に迎えられ、小競り合いしたりしながら恋に落ちちゃうようです!

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ここまで『スキャンダル』を結構けちょんけちょんに言っちゃいましたが、チャンウクの役はかなり美味しい、そしてなかなか良い役だったのではと思うんだけど、とはいえダーティーな策略家なんで、ガラッと異なる『メリーベリーラブ』では、明るい気持ちにデトックできるんじゃないでしょうか!「最悪の出会い」とか「転けそうになって抱きとめる」とか、古来から今に続くラブコメの記号てんこ盛りの模様で、日本のファンが増えそうだし、農作業やる場面とか、わざとらしくしくじったりする場面とか、素のチャンウク(めちゃめちゃいい人)見てるような感じで楽しめそうな!

全然関係ないけど、2番手で出るナム・ユンス(『恋慕』)が私は結構好きなので、こちらにもご注目下さい!!

『スキャンダル』
Netflixにて配信中。
『メリーベリーラブ』

2026年10月7日より日本テレビ系で放送開始、ディズニー+にて配信開始。

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