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「ねえ、それ乗りたい。貸して」3歳以下の遊び場で何度も車を求める女の子。息子が何度も譲る姿を見ていた別の保護者の一言

  • 2026.9.20

低い柵の内側は、3歳以下の場所だった

近所の公園には、低い柵で囲まれた小さなコーナーがあります。入口の札には「3歳以下」と書かれていて、中には足で蹴って進む乗り物や、砂遊びの道具が置かれていました。

上の子が3歳、下の子が0歳のわが家には、ちょうど遊ばせやすい場所でした。

その日も、私は2人をそこで遊ばせていました。上の子は赤い車のおもちゃにまたがって、柵の内側をゆっくり回っています。下の子は私の膝の上で、布でできた輪を両手で握っていました。

そこへ、年中さんか年長さんくらいに見える女の子が、父親と一緒に入ってきました。

女の子は赤い車を見ると、まっすぐ上の子のところへ向かいました。

「ねえ、それ乗りたい。貸して」

上の子は少し戸惑った顔をしましたが、車から降りました。

女の子がひと回りして降りると、上の子はまた赤い車に近づきます。すると女の子も戻ってきました。

「もう一回乗りたい」

上の子が私を見るので、私は女の子に声をかけました。

「今度はこの子の番にしてくれる?」

「うん」

ところが少しすると、また女の子が赤い車へ手を伸ばしました。

「まだ乗りたい!」

三度目には、上の子も何も言わず、柵ぎわに立って私の顔を見ていました。

女の子の父親はすぐ近くにいましたが、特に止める様子はありません。そのうち父親は柵の外へ出て、少し離れたところに立っていました。

女の子は赤い車を降りると、今度は下の子が握っていた布の輪に目を留めました。

「これも貸して」

悪気があるようには見えず、目についたものを次々に触ってみたいようでした。

けれど下の子は、輪をぎゅっと握ったまま離しません。

「ごめんね。これは赤ちゃんが今使ってるから、こっちのお砂で遊ばない?」

「えー、これがいい」

「まだ使いたいみたい。終わったらね」

そう言いながら砂遊びの道具を見せると、女の子はそちらへ移りました。

気づけば私は、自分の2人の子どもを見ながら、その女の子にも何度も声をかけていました。

「ここ、3歳以下みたいですよ」

そのとき、向かいのベンチにいた別の保護者が立ち上がりました。

抱いていた子をベビーカーに座らせると、柵の外にいた女の子の父親のほうへ歩いていきます。

「すみません。ここ、3歳以下の子の場所みたいですよ」

そう言って、入口の札を指さしました。

父親は札を見て、一瞬驚いたような顔をしました。

「あ、本当だ。すみません」

父親はすぐに柵の中へ戻ってきました。

「ほら、そろそろあっち行こう」

「やだ。まだ遊びたい」

「でも、ここは小さい子の場所なんだって」

女の子は不満そうに赤い車を見ました。

すると、先ほど声をかけた保護者が柵の外の大きな遊具を指さしました。

「あっちに大きいすべり台あるよ。あっちも楽しそうだよ」

女の子はそちらを見て、少し黙りました。

「……大きいやつ?」

「うん。あっち見に行ってみようか」

父親がそう言うと、女の子はようやく赤い車から手を離しました。

上の子は女の子が離れたのを見てから、もう一度赤い車にまたがりました。

父親が女の子の手を取り、出口へ向かおうとします。

すると女の子は振り返り、今度はうちの上の子の腕をつかみました。

「一緒に行こうよ」

上の子は赤い車に座ったまま、困ったように私を見ました。

「誘ってくれてありがとう。でも、この子はまだここで遊ぶみたい」

私がそう言うと、女の子は少し口をとがらせました。

父親が「行こう」ともう一度声をかけると、ようやく手を離し、父親と一緒に出口へ向かいました。

門のところで父親が振り返りました。

「すみませんでした」

「いえ、大丈夫です」

私も小さく頭を下げました。

二人が大きな遊具のほうへ歩いていくと、上の子はまた赤い車で柵の内側を走り始めました。

しばらくすると車を止め、後ろの荷台をぽんぽんと叩きます。

そして私の膝にいる下の子を見て、笑いました。

「赤ちゃんも、乗る?」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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