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「空いてるの、ここしかなかったんだよ」逆走車に待っていた駐車枠を取られた私。私たちが入口近くを探さなくなった理由

  • 2026.9.18
「空いてるの、ここしかなかったんだよ」逆走車に待っていた駐車枠を取られた私。私たちが入口近くを探さなくなった理由

やっと見つけた、1台ぶんの空き

休日のモールは、店に入る前からひと仕事です。

その日も駐車場に入ってから二十分ほど、空きを探して同じ通路を何度も回っていました。助手席の友人も、窓の外を見ながら空いている場所を探してくれています。

「上、もう一回見てみる?」

「さっき行ったけど、ほとんど埋まってたよ」

「今日、すごいね…」

三周目に入ったところで、少し先の白い車がバックを始めました。

「あ、あそこ出るんじゃない?」

「ほんとだ。やっと空いた」

私はすぐにウインカーを出し、車が出終わるのを待ちました。周りの枠はすべて埋まっています。

「よかった。もう屋上しかないと思ってた」

友人とほっとしたのも束の間でした。

通路の反対側から、一台の車がこちらへ向かってきたのです。

「え、ちょっと待って。あの車、逆じゃない?」

床には進行方向を示す矢印があります。ですが、その車は矢印とは反対向きに進んできました。

「うそ…こっち来るよ」

私はブレーキを踏んだまま動けませんでした。

その車は私たちの前を横切ると、ついさっき空いたばかりの枠へそのまま入っていったのです。

「え…そこ入るの?」

友人が思わず声を上げました。

「私、ずっと待ってたよね?」

「待ってたよ。ウインカーもずっと出してた」

窓越しに返ってきた言葉

あまりに突然で、クラクションを鳴らすことさえできませんでした。

ウインカーの音だけが、車内にカチカチと響いていました。

やがて相手が車から降りてきました。そのままモールの入口へ向かおうとしたので、私は運転席の窓を少し下げました。

「すみません。こっち、ずっと待ってたんですけど」

相手は足を止め、こちらを振り返りました。

「空いてるの、ここしかなかったんだよ」

あまりにも当然のように返され、一瞬、言葉に詰まりました。

「でも…こっちはウインカー出して待ってましたよ」

私がそう言うと、相手はそれ以上答えず、そのまま入口へ歩いていきました。

「…今の、びっくりしたね」

友人が小さな声で言います。

「うん。私が何か勘違いしてたのかと思った」

「してないよ。私もずっと見てたから」

それ以上追いかけて言い合う気にもなれず、私たちはそのまま屋上へ向かいました。

端のほうに空いている枠を見つけて車を停めましたが、エンジンを切ってもしばらく二人とも動けませんでした。

「なんか、どっと疲れたね」

「うん。でも、せっかく来たし行こうか」

その日は店内を歩いていても、さっきの出来事が何度も頭に浮かびました。

あのモールには今も行きます。

ただ、混んでいる日は入口近くの空きを探して何周もすることはなくなりました。最初から屋上へ上がり、空いている場所へゆっくり停めます。

後日、そのとき一緒だった友人とまたモールへ向かったときも、屋上へ続く坂の手前で聞かれました。

「今日も上でいいよね?」

私は迷わず答えました。

「うん。もう上でいい。少しくらい歩くほうがいいよ」

友人も「私もそう思う」と笑いました。

入口まで少し遠くても、駐車場で嫌な思いをするよりずっと気が楽です。あの日以来、それが私たちのいつもの停め方になりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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