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「ついでに乗せてもらっていい?」を繰り返す保護者。県外遠征で費用をお願いした結果

  • 2026.9.19

何度も「ついでに」と頼まれていた

息子が少年スポーツのチームに入って三年目、週末の送迎は40代の父親である私の役目になっていた。

仕事は忙しいが、ハンドルを握りながら息子の話を聞く時間は嫌いではなかった。

同じチームの子のお母さんは、試合や練習のたびに私へ声をかけてきた。駐車場で顔を合わせると、軽い調子でこう言う。

「あ、今日も車ですよね?悪いんだけど、うちの子もついでに乗せてもらっていい?」

「いいですよ。一緒に行きましょう」

そんなやり取りが何度も続いた。

ガソリン代の話が出たことはなかったが、息子はその子と仲がよく、後ろの席ではいつも楽しそうに話している。

近い会場ならいいかと思い、私もあまり気にしないようにしていた。

ある晩、次の試合が県外の会場だと連絡が回ってきた。高速道路を使っても、片道二時間近くかかる距離だった。

ほどなくして、そのお母さんからメッセージが届いた。

「次の遠征もお願いしていい?朝早くて悪いけど、どうせ同じ会場に行くならと思って」

私は台所にいた妻に画面を見せた。

「この人、いつも子どもを乗せてるお母さんだよね?」

「そう。今回もお願いって」

妻は少し考えてから言った。

「でも、今度は県外なんでしょ?高速代もガソリン代も結構かかるよね」

「うん。片道二時間近いからな」

「だったら今回は、乗る人で費用を分けたら?そのほうがお互い気を使わなくて済むんじゃない?」

言われてみれば、そのほうが私も頼む側も気楽なのかもしれない。私は一度きちんと話してみることにした。

県外への遠征で初めて費用を伝えた

翌日の練習のあと、私はそのお母さんに声をかけた。

責めるつもりはなかったので、できるだけ普段どおりの口調で伝えた。

「次の遠征なんだけど、今回はかなり遠いでしょう。高速代もガソリン代もかかるから、乗る家で分けようと思ってるんです。それでもよければ一緒に行きますよ」

お母さんは少し驚いたように私を見た。

「あ、お金かかるんだ?」

「うん。近いところならそこまで気にしてなかったんだけど、今回は県外だからね」

少し間があったあと、お母さんは短く答えた。

「そっか。じゃあ今回は電車で行くわ」

「わかりました。朝早いから、気をつけて来てくださいね」

それ以上、言い合いになることはなかった。

遠征の送迎について話していたほかの保護者にも、同じように費用を分けたいと伝えると、2家族ともすぐに応じてくれた。

「もちろんです。それくらい出しますよ」

「ありがとうございます。助かります」

遠征の朝、子どもたちを乗せて出発すると、車内では好きな選手や試合の話が続き、ずっとにぎやかだった。

変わった送迎

試合を終えた帰り道、助手席に座っていたお母さんが、費用を入れた封筒を差し出してきた。

「これ、今日の分です。運転までしてもらって、ありがとうございます」

「いえいえ。こちらこそ、ありがとうございます」

それ以来、「ついでに」と送迎を頼まれることはなくなった。

だからといって、子ども同士の関係が変わったわけではない。次の練習でも、二人はいつものように並んでボールを追いかけていた。

その晩、封筒を妻に渡すと、妻はそのまま家計の引き出しへしまった。

「ちゃんと話してみてよかったね」

「うん。乗せるのが嫌だったわけじゃないんだよ。ただ、ずっと当たり前みたいになるのは違うなって」

「じゃあ次の遠征からも、最初に決めておけばいいね」

「そうする。そのほうがお互い気楽だな」


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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