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「ねえ、もう少しそっちに詰めてもらえない?」満員電車の端まで寄っていた私。困った私を救った乗客の一言

  • 2026.9.18
「ねえ、もう少しそっちに詰めてもらえない?」満員電車の端まで寄っていた私。困った私を救った乗客の一言

端まで寄っていた私に「もう少し詰めて」

仕事が長引いた日の帰りでした。

車内は肩と肩が触れそうなほど混んでいて、私は長い座席のいちばん端に座っていました。

その日は一日じゅう立ち仕事で、ようやく座れたことにほっとしていました。

膝はそろえ、鞄は膝の上。横の仕切りに触れそうなくらい、端へ体を寄せていました。

次の駅でさらに人が乗ってくると、私の前に年配の男性が立ちました。

しばらくすると、男性が座席を見下ろし、私のほうへ手を横に動かしました。

「ねえ、もう少しそっちに詰めてもらえない?」

一瞬、自分に言われたのだと分かりませんでした。

私は反射的に腰を浮かせて、さらに端へ寄ろうとしました。

けれど、体を動かそうとしても、それ以上はほとんど動けません。

「すみません、もうこれ以上は…」

そう答えると、男性は座席を見ながら、もう一度こちらへ手を動かしました。

「もうちょっとだけ。そこ、詰めれば座れそうだから」

どうやら、私と隣の人との間にあるわずかなすきまが、一人分の席に見えたようでした。

けれど、私はすでに端まで寄っています。隣の人との間にも、もう一人が座れるほどの幅はありません。

「でも、本当にこれ以上は…」

そこまで言って、言葉が続きませんでした。

一日働いたあとの疲れもありましたし、混んだ車内で言い合いになるのも怖かったのです。

もしかしたら、私が立ったほうが早いのかもしれない。

そんなことまで考え始めていました。

「もう十分、端まで寄ってますよ」

そのとき、斜め前に立っていた女性がこちらを見ました。

買い物袋を提げたその女性は、それまで黙っていましたが、男性へ穏やかに声をかけました。

「すみません。そこにもう一人座るのは、ちょっと無理だと思いますよ」

男性が女性のほうを振り向きました。

女性は私の座っている位置をちらりと見てから、続けました。

「この方、もう十分、端まで寄ってますから」

責めるような口調ではありませんでした。ただ、目の前の状況をそのまま伝えるような言い方でした。

男性は一度座席に目を落としました。

「ああ、そう」

少し間を置いてそう言うと、手を下ろして吊り革を持ち直しました。

私はそこで初めて、肩に力が入っていたことに気づきました。

女性と目が合ったので、小さな声で言いました。

「ありがとうございます」

すると女性は、少し笑って首を振りました。

「いえいえ」

その言葉を聞いて、胸の奥が少しだけゆるみました。

自分では「これ以上は無理です」と分かっていたはずなのに、何度も求められるうちに、本当は自分が場所を取りすぎているのではないかと思い始めていたのです。

次の駅で何人かが降りると、少し離れた場所に席が空きました。男性はそちらへ移り、何事もなかったように腰を下ろしました。

大きな言い争いになったわけでも、誰かが男性を強く責めたわけでもありません。

それでも、あのとき近くにいた人が「もう十分寄っていますよ」と伝えてくれたことで、私はそのまま座っていていいのだと思えました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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