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「葬式代だって一度で済んだのにな」祖父母を2か月の間に見送った席。だが、父が怒りに震えた瞬間

  • 2026.9.17

2か月のあいだに、2人を見送った

祖父が亡くなってから、祖母は目に見えて元気をなくしていった。

台所に立つことも減り、縁側に残った祖父の座布団を、ぼんやり眺めていることが増えた。

「おばあちゃん、何か食べる?」

私が声をかけても、「あとでね」と小さく笑うだけだった。

それから2か月後、祖母も亡くなった。

短いあいだに2人を見送ることになり、家族はみな疲れていた。祖母の出棺のとき、親戚の一人が涙をぬぐいながらつぶやいた。

「これで、またおじいちゃんと一緒だね」

その言葉に、何人かが静かにうなずいた。

式のあと、親戚で食事の席についた。祖父母の長男である父は端の席に座り、私はその隣にいた。

料理が半分ほど減ったころ、祖母の弟にあたる大叔父の声がだんだん大きくなってきた。酒も入っていたのだと思う。

「いやあ、二か月で二回だろ。家のほうも大変だったな」

父は「まあね」と短く返した。

すると大叔父は、コップを置きながら続けた。

「こんなこと言ったら怒られるかもしれないけどさ。いっそ一緒だったら、葬式代だって一度で済んだのにな」

私は思わず父の顔を見た。

向かいにいた親戚も困ったように目を伏せたが、大叔父はしばらくすると、また同じ話を始めた。

「だって二回やるよりはさ。葬式代だって一度で済んだのにな」

今度は、誰も相づちを打たなかった。

隣の父を見ると、箸を持つ手に力が入っていた。

父は箸を置いて、静かに口を開いた

しばらくして、父は箸をそっと置いた。

「…その話、もうやめてもらえないかな」

大叔父は驚いたように顔を上げた。

「いや、別に悪く言ってるわけじゃないぞ。お前たちも大変だっただろうって話だよ」

「それは分かってる」

父は一度息をついてから続けた。

「でも、親父を見送ってまだ二か月なんだ。今日はおふくろを送ったばかりだし、今は金の話をしたくない」

大叔父は何も言わなかった。

父は少し視線を落とした。

そして、怒りに震えながら言った。

「二人が一緒なら安く済んだなんて、そんなふうには考えたくないんだ」

大叔父はしばらく黙ったあと、小さく「…悪かった」と言った。

その場の空気を変えるように、祖母と仲のよかった親戚が口を開いた。

「そうだったね。おじいちゃん、お茶だけは自分でいれてたね」

別の親戚も、「濃すぎるって、おばあちゃんによく言われてたよね」と懐かしそうに笑った。

そこから少しずつ、席では祖父母の思い出話が始まった。

大叔父はもう余計なことを言わず、黙ってその話を聞いていた。

帰り際、大叔父は父の前で足を止めた。

「さっきは…本当に悪かったな」

父は少し間を置いてから、「ああ」とだけ答えた。

親戚を見送ったあと、父は椅子に座ったまま大きく息を吐いた。

「お父さん、大丈夫?」

「ああ。ちょっと疲れたな」

その声を聞いて、父もずっと気を張っていたのだと、私はようやく気づいた。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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