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「ねえ、ここさっきも映ってなかった?」新婚旅行から戻って見た結婚式のビデオ。だが、叔父に頼んだビデオを見て気づいた違和感

  • 2026.9.18

見積もりを削るうちに、撮影だけが残った

20年ほど前になる。私は、その年にできたばかりのホテルで結婚式を挙げた。

会社の上司も親戚も友人も呼び、招待客は80人ほどになった。

見積書を前に、夫と一つずつ項目を見直していった。

引き出物は残す、装花は少し抑える。最後まで迷ったのが、ビデオ撮影だった。

「うーん…撮影って、やっぱり結構するね」

夫が金額を見ながら言った。

「そうだね。でも、何も残らないのもちょっと寂しいし…」

しばらく考えて、私は言った。

「ここだけ、誰か身内にお願いするのはどうかな」

母に相談すると、すぐに叔父の名前が出た。

「叔父さんなら頼めるんじゃない?昔からカメラ好きでしょう」

「お願いしても大丈夫かな。せっかく来てもらうのに、ずっと撮ってもらうのも悪いよね」

「とりあえず聞いてみるよ」

数日後、母から「喜んでやるって」と連絡があった。

叔父は式の前日にも会場を見に来て、カメラを置く場所などを確認してくれたという。

そこまでしてくれたことがありがたく、私は安心して当日を迎えた。

旅行から戻って、二人で映像を見た

結婚式は滞りなく進んだ。ケーキ入刀をして、上司の挨拶を聞き、友人たちのテーブルを回った。

私の目に入るたび、叔父はカメラを構えていた。

式が終わると、叔父から撮影したテープを受け取った。私たちはそのまま新婚旅行へ出かけ、数日後に帰宅した。

荷ほどきもそこそこに、夫と二人で映像を再生した。

「やっと見られるね。私、どんな顔してたんだろう」

「俺はたぶん、ずっと固まってるよ」

入場、誓いの言葉、乾杯。

最初のうちは、二人で笑いながら見ていた。

ところが途中から、画面が何度も同じ方向へ戻ることに気づいた。

会場の右手にあった、20代の友人たちが座るテーブルだった。

「…あれ?」

少しして、また同じ席が映った。

「ねえ、ここさっきも映ってなかった?」

「うん。ちょっと戻してみようか」

夫が映像を戻した。

やはり同じ一角だった。

主賓が話している間も、司会が進行している間も、途中でレンズはその席へ向いていた。

寄っては引き、別の場面に移ったと思ったら、しばらくしてまた戻ってくる。

夫もだんだん黙り込んだ。

「これ…結構長いね」

「うん…」

もう少し見ていると、また同じテーブルが映った。

「まただ」

夫が小さくつぶやいた。

私は画面から目を離した。

「…もういい。止めよう」

何を考えて撮っていたのかは分からない。だからこそ、叔父に理由を聞くのもためらわれた。

ただ、結婚式の思い出として楽しみにしていた映像を、そのまま見続ける気持ちにはなれなかった。

母から電話がかかってきたのは、その夜だった。

「旅行、どうだった?ビデオも見た?」

「……うん、見たよ」

「どうだった?叔父さん、張り切ってたでしょう」

一瞬、言葉に詰まった。

夫を見ると、夫も何も言わずこちらを見ていた。

「うん…ちゃんと撮れてたよ。ありがとうって伝えておいて」

「そう。よかった」

「うん、ありがとう」

電話を切ったあと、夫としばらく黙っていた。

叔父に聞けば何か理由があったのかもしれない。それでも、私は確かめる気にはなれなかった。

あのテープは棚の奥にしまったまま、それ以来、一度も再生していない。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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