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ひとりは寂しい、とは限らない。孤独は「感じ方」【和田秀樹さん】おひとりさまの心をラクにする考え方

  • 2026.9.15

ひとりは寂しい、とは限らない。孤独は「感じ方」【和田秀樹さん】おひとりさまの心をラクにする考え方

終活は、人生の「終わり」に向けて始めるもの——そう思っていませんか? 和田秀樹さんが提唱する終活は、そんなイメージをちょっと裏切ります。大切なのは、身辺整理や「片づけ」よりも、これからの人生をどう楽しむか。『死ぬまで楽しく生きる本』(エクスナレッジ刊)から、いまを整える「終活リスト」をご紹介します。第2回は,ひとりの楽しみ方について。

【新常識】おひとりさまは孤独ではない → 孤独かどうかは自分の感じ方しだい

高齢者の暮らしを考えるとき、ひとりで生活するのか、パートナーがいたほうがよいのかという問題があります。

国民生活基礎調査によると、65歳以上の人がいる世帯では、1986年には「三世代で暮らす世帯」が4割を超えていたのに対し、2019年では「三世代世帯」が1割を切り、「単独世帯(ひとり暮らし世帯)」と「夫婦世帯」が全世帯の6割を占めています。

さらに「65歳以上のひとり暮らしの世帯」は高齢者世帯49.5%、「どちらも65歳以上の夫婦のみの世帯」は高齢者世帯の46.6%を占めています。

また、65歳以上のひとり暮らしの高齢者の男女の割合は、女性の方が多く、7割近くを占めています。

子どもは大人になれば家を離れます。若い頃は親子で暮らしていても、高齢になれば夫婦ふたり暮らしに戻るというのが一般的です。

夫婦もいつまでも一緒に暮らせるわけではありません。どちらかが亡くなって、ひとり暮らしになることもあります。

あるいは「熟年離婚」という言葉があるように、夫婦が別れて、それぞれひとり暮らしを始めるというケースもあるでしょう。

ここでは、ひとり暮らしを余儀なくされた高齢者に対し、おひとりさまの新常識について考えてみようと思います。

池田エライザさんの生命保険会社のテレビCMで「一人は好き、孤独は嫌い。それがわたし。」というのが一時話題になりました。

いいたいことは、わからないではありませんが、私には今ひとつピンときません。なぜなら「孤独」というのは自分が感じるもので、客観的な孤独は存在しないからです。

孤独に対して、「孤立」という言葉があります。孤立というのは物理的な概念です。ひとり暮らしであるばかりか、外部との接触がほとんどない状態です。

これに対し、孤独は自分がそう感じるかどうかという問題です。ひとり暮らしをしていても、孤独を感じない人もいれば、自分は孤独だと感じる人もいます。

一般的に、「孤独だと感じるのは嫌だ」という人のほうが多いと思います。エライザさんの広告もそんなイメージですね。

なぜ孤独が嫌なのかというと、孤独というのは簡単にいうと「仲間外れ」にされることだからです。一般的に、日本人は仲間外れに対する恐怖心があるのか、孤独を嫌う傾向があるように思います。

作家の五木寛之さんは、孤独は思索を深めて、豊かな感情を醸成するために必要な時間などといって、孤独を否定していません。私も同じような意見です。

私は仕事部屋に寝泊まりしていることが多いので、普段はひとり暮らしのようなものです。でも孤独だと感じたことはありません。

子どもも成人したので相手にされませんし、それほど親友もいません。親友だと思っていた人に裏切られたこともあります。それでもいいのかなと思って、日々暮らしています。言い方を換えれば、おひとりさまを満喫しているのです。エライザさんの広告はこのような生活をイメージしているのだと思います。

【新常識】現代はおひとりさま大歓迎の時代 → おひとりさまは恥ずかしくない

もともと、おひとりさまは、ひとり旅やひとりでレストランに食事に行く人に対して、呼ばれるようになった言葉です。

今でこそ、ひとりで温泉宿に泊まるのはあたりまえですが、ほんの数十年前までは、ひとり客を嫌がる宿が多かったのです。

理由として、ひとり客は訳ありで、犯罪者かもしれないし、宿代を踏み倒されるかもしれない、という懸念があったからなどといわれています。

とくに女性のひとり客は嫌がられていたようで、「自殺でもされたら困る」といった理由で、宿泊を拒否されることもあったようです。

昭和の温泉宿は団体客が中心のビジネスモデルでしたが、社員旅行などの団体旅行が激減するとともに、家族やカップル、おひとりさまをお迎えするサービスにシフトしてきました。

令和の温泉宿は、おひとりさま大歓迎で、おひとりさまプランも充実しています。インターネット予約サイトでは、個人情報を入力しなければならないので、宿側としても安心してお客さまをお迎えできるようになったのだと思います。

世間の目も変わってきました。かつてはなぜか、「ひとり旅は恥ずかしい」という世間体がありました。

その理由として、ひとり旅をしている人は、「友だちがいない寂しい人」と思われるのが嫌だったからでしょう。

飲食店も、女性がひとりで食事をしていると、まわりが好奇の目で見ているという時代がありました。

でも今や、おひとりさまがレストランで食事をするのは、少しも珍しい時代ではなくなりました。

この時代の変化はどうして生まれたのでしょうか。それは、おひとりさまの楽しさが、みんなにわかってしまったからだと思います。

サービスを享受するお客さまもそうですし、経営側もおひとりさまが売り上げにつながることがわかってきたから、おひとりさま向けのビジネスがあたりまえになってきたのでしょう。

最近は「ソロ活」という言葉もブームになっています。旅行や食事だけでなく、劇場での映画鑑賞や観劇、コンサート、ショッピングなど趣味の活動全般をひとりで楽しむことがあたりまえの時代になってきているのです。

※この記事は、『死ぬまで楽しく生きる本』和田秀樹著(エクスナレッジ刊)の内容をウェブ記事用に再構成したものです。

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