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座るなら「30分ごと」に立つ、座り続けた時間が1時間増えるごとにがん死亡リスクが9%高い傾向

  • 2026.9.14
座るなら「30分ごと」に立つ、座り続けた時間が1時間増えるごとにがん死亡リスクが9%高い傾向
座るなら「30分ごと」に立つ、座り続けた時間が1時間増えるごとにがん死亡リスクが9%高い傾向 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

気づけば午前中、一度も席を立っていなかった。

座る時間が長いほど体に良くないことは、たくさんの研究で示されてきました。

ただ、これまでの指針が主に見てきたのは、1日に座る時間の合計です。

英国グラスゴー大学の研究チームは、30分以上続けて座る時間が1日に1時間多いごとに、がんで亡くなるリスクが9%高い関連があったと報告しました。

対象は、英国の成人91,292人。

英国で約50万人の健康を追う長期研究「UKバイオバンク」の参加者で、平均年齢は56歳、がんの病歴はありません。

手首の加速度計を7日間着けて動きを記録し、健康状態を追った期間は中央値でおよそ12年です。

関連を調べた観察研究なので、座り方を変えれば自分のリスクが下がる、とまでは言えません。

逆に、こま切れに座る時間は、1時間多いごとにがんで亡くなるリスクが18%低い関連でした。

「座り続ける」と「こま切れ」は、どこで線を引いたのでしょうか。

研究内容の詳細は2026年7月2日に『PLoS Medicine』にて発表されました

目次

  • 「30分以上、9割が座位」を座り続ける時間と数えた
  • 座り続ける1時間を「軽い動き」に替えると12%低い計算

「30分以上、9割が座位」を座り続ける時間と数えた

「30分以上、9割が座位」を座り続ける時間と数えた
「30分以上、9割が座位」を座り続ける時間と数えた / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

線を引いたのは、30分。

30分以上続き、そのうち9割以上が座位だったひとまとまりを「座り続ける時間」、それ以外を「こま切れの座位」と数えました。

動きの記録は、手首の加速度計の信号を10秒ごとに、座位・軽い活動・中くらいの活動・激しい活動に機械学習で分けたものです。

皿洗いやゆっくり歩くのは軽い活動、中くらいの速さで歩くのは中くらい、速歩きや走るのは激しい活動です。

調べたのは、がんで亡くなるリスクと、がん全体や23種類のがんと診断されるリスク。

年齢や地域の貧しさ、学歴、喫煙、飲酒、食事、持病の数などの影響は、統計で考慮して調整しています。

座り続ける時間は1時間多いごとに、がんと診断されるリスクも3%高い関連でした。

肥満と関係が深いがんや、2型糖尿病と関係が深いがんでは5%です。

こま切れの座位はどちらも逆向きで、診断されるリスクは6%低く、肥満や糖尿病に関わるがんは9〜10%低い関連でした。

研究チームは、座る習慣はあまりに広く行き渡っているので、控えめな関連でも公衆衛生には大きな意味を持ちうると書いています。

では、座り続ける時間を別のことに置き換えたら、どうなるのでしょうか。

座り続ける1時間を「軽い動き」に替えると12%低い計算

座り続ける1時間を「軽い動き」に替えると12%低い計算
座り続ける1時間を「軽い動き」に替えると12%低い計算 / ※画像はイメージです。Credit: Generated by Codex (gpt-image), ナゾロジー編集部

研究チームは、1日のうち座り続ける1時間を別の行動に置き換えたら、という計算もしています。

実際に行動を変えた効果ではなく、統計の上での置き換えです。

軽い活動に置き換えると、がんで亡くなるリスクは12%低く、診断されるリスクは6%低い関連でした。

中くらいの活動なら、30分の置き換えでも亡くなるリスクが低い関連でした。

著者のフレデリック・ホー氏は、今の指針は中くらい以上の運動に重きを置いているが、軽い動きも無視すべきではないと話しています。

座る時間を短い散歩で区切るだけでも、守りになりうるとしています。

説明として研究チームが挙げるのは、座り続ける時間を短い活動で区切ると代謝の反応が良くなる、という実験研究の結果です。

座り方の違いとがんとの関連をこの形で示したのは、自分たちの知る限り初めてだ、と研究チームは書いています。

ただし加速度計を着けたのは7日間で、健康に関心の高い人が参加しやすい偏りもあります。

取り除ききれない生活習慣の影響も残ります。

【これまでの研究】

座り方の「まとまり」に目を向けた研究は、以前にもあります(関連研究関連研究)。

ベイカー心臓・糖尿病研究所とレスター大学の研究チームは以前に、英国の中高年7,671人に腰の加速度計を4〜7日着けてもらいました。

そこから、座る時間のまとまり方と病気の関係を追っています。

使った指標は、ひとまとまりの座位の典型的な長さと、短いまとまりの多さを表す値の2つ。

長いまとまりで座る人ほど、がんと診断されるリスクと総死亡のリスクが高い関連があり、心血管の病気には関連が見られませんでした。

1日の時間の使い方まで考慮すると、総死亡との関連は弱まったとも報告しています(関連研究)。

「どれだけ座るか」から「どう座るか」へ。座る時間の見方が、一つ増えました。

会社での会議を30分で区切る言い訳が、ひとつ増えました。

参考文献

Scientists Find How Long You Can Sit Before Cancer Risk Climbs – And We’re in Trouble (ScienceAlert)
https://www.sciencealert.com/just-one-extra-hour-of-uninterrupted-sitting-raises-cancer-risk-study-finds

Association of Accelerometer‐Measured Sedentary Accumulation Patterns With Incident Cardiovascular Disease, Cancer, and All‐Cause Mortality (Journal of the American Heart Association)
https://doi.org/10.1161/jaha.121.023845

元論文

Accelerometry-measured prolonged and interrupted sedentary behavior and cancer incidence and mortality: A cohort study of 91,292 UK Biobank participants
https://doi.org/10.1371/journal.pmed.1004767

ライター

天道銀河: 科学、歴史、心理、宇宙、生き物、テクノロジーなど、気になるものにはジャンルを問わず首を突っ込む雑食系ライターです。ひとつの分野を深く極めるというより、さまざまな知識を広く集め、意外なつながりを見つけるのが好きです。専門家ほど深くはなくても、好奇心の広さなら負けません。「こんな世界もあるのか」と思えるような、面白くてわかりやすい話題を届けていきます。

編集者

ナゾロジー 編集部

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