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【2026-27秋冬オートクチュール】フェンディとバレンシアガの革新

  • 2026.9.14
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AIがあらゆるものを生み出す時代に、手仕事を骨幹とするクチュールの本質を見せたのが、フェンディのマリア・グラツィア・キウリとバレンシアガのピエールパオロ・ピッチョーリでした。二人はかつてヴァレンティノで共同クリエイティブ・ディレクターを務め、2008〜2016年までメゾンを率いた盟友でもあります。それから10年。キウリは故郷ローマのフェンディへ、ピッチョーリはパリのバレンシアガへ。新章を開き、奇しくも2026-27年秋冬に新天地で初のオートクチュールを発表しました。 かつて同じアトリエで服を生み出していた二人が、いま別々の場所からクチュールの未来を提示しています。

フェンディの重厚な歴史を軽やかに。洗練さを極める“引き算”のクチュール

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キャリア初期をフェンディで過ごしたマリア・グラツィア・キウリが、約30年を経てクリエイティブのトップとして戻ってきました。プレタポルテでは、装飾をそぎ落とし、端正な仕立てを軸に新生フェンディの洗練を印象づけました。初のオートクチュールでは、その“引き算”の美学をさらに研ぎ澄ませています。毛皮をルーツに、素材を自在に操る技術を培ってきたメゾンの歴史を、“軽やかさ”という現代的なラグジュアリーへと昇華する方法で。

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着想源の一つは、ラガーフェルドが1977年に制作したショートフィルム『Histoire d’Eau』。水辺を軽やかに駆け抜ける女性の姿から、身体の自由が生む自然なセンシュアリティを追求しました。カフタンやチュニック、流れるようなトラウザー、ドレープで包むドレスは、身体を締めつける従来のクチュールとは一線を画し、しなやかなシルエットで着用者を引き立てます。

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そんなエフォートレスな佇まいは、高度な職人技なくては成立しません。シフォンドレスは通常の約3分の1という極細の縫い代をすべて手縫いし、オーガンザにはレースやレザーで花や羽根を立体的に刺繍。卓越した手仕事を、より自由に、より軽やかに着るために。重厚な歴史を軽やかにまとう、新しいフェンディのクチュールがここから始まります。

構築美に色彩の魔法を。バレンシアガが更新するクチュール

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“色彩の魔術師”と称されるピエールパオロ・ピッチョーリ。初のバレンシアガのオートクチュールも鮮烈な色彩に満ちていましたが、その核心にあったのは、創業者クリストバル・バレンシアガが追求した服の構造と身体との関係でした。彫刻的なフォルムを受け継ぎながら、現代の身体とテクノロジーを掛け合わせ、その構築美を現在へと更新しました。

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象徴的なのが、着る人の身体を3Dスキャンし、姿勢や重心まで設計に反映したコートやドレス。創業者が愛したガザールは“ネオ・ガザール”へと進化し、DNA編集とタンパク質工学から生まれたバイオ素材AMSilkも採用しました。最新技術は未来的な演出のためではなく、建築的なボリュームと驚くほどの軽さを両立するためにあります。一方、フェザーやオーガンザの花びら刺繍には、職人の圧倒的な技巧が注ぎ込まれました。

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フィナーレでは、ピッチョーリ自身がアトリエスタッフとともにランウェイへ。テクノロジーがどれだけ進化しても、クチュールの伝統は、人間の知識と感性、世代を超えて受け継がれるクチュリエの技術であることを高らかに示すかのように。伝統を革新へとつなぎ、最新技術と人の手を融合させた新生バレンシアガは、熱狂的なスタンディングオベーションとともに鮮烈な幕開けを飾りました。

※この記事は2026年9月14日時点のものです。

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