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「資格を持ってても意味ないよね」何度も否定された私。だが、笑って流せなくなった瞬間

  • 2026.9.13
「資格を持ってても意味ないよね」何度も否定された私。だが、笑って流せなくなった瞬間

顔を合わせるたび、同じ話になった

五十を過ぎた今も、私は同じ職場で働いています。

二十代の終わりに学校へ通い直して取った資格が、そのまま今の仕事につながりました。

歩いて数分のところには、同じ年ごろの女性が住んでいました。

5人の子どもを育てていて、道で会えば立ち止まって話すような間柄でした。

私には子どもがいません。

体のことで難しかった時期もありましたが、そのことについては、もう自分の中で折り合いをつけています。

ただ、その女性と話していると、ときどき返事に困ることがありました。

ある日、買い物帰りに会ったときのことです。

「今日も仕事だったの?」

「うん。今、帰ってきたところ」

すると女性は、ため息まじりに笑いました。

「いいなあ。私なんて朝から晩まで子どものことで終わっちゃう。自分のことなんて何にもできないよ」

「5人いたら、毎日本当に大変だよね」

そう返すと、女性は私の仕事の話を思い出したように言いました。

「でもさ、資格を持ってても意味ないよね。結局、毎日働かなきゃいけないんでしょう?」

思わず「え?」と聞き返しました。

「いや、私はそんな余裕なかったからさ。学校に通う時間があるだけでもすごいなって思って」

悪意だけで言っているわけではないことは分かりました。

それでも、自分が時間をかけて取った資格を「意味がない」と言われると、やはり気持ちのいいものではありません。

似たようなことは、その後もありました。

回覧板を渡した玄関先でも、集積所で顔を合わせた朝にも、話の流れの中で「資格を持っても意味ないよね」と言われました。

さすがに言葉が胸に引っかかりました。

けれど、その場では何も返せませんでした。

家へ戻ってから、「どうして私は毎回、笑って流してしまうんだろう」と少し悔しくなりました。

「私にとっては、意味があるんです」

それからしばらくして、近所の人が集まる会がありました。

長机を囲んで十人ほどが座り、冬の当番をどう振り分けるか話していたときです。

私の名前が出ると、その女性が向かいから言いました。

「でも、お仕事してるんでしょう?昼間の当番は厳しくない?」

「日にちによっては大丈夫です」

私が答えると、女性は少し首をかしげました。

「無理しなくてもいいんじゃない?せっかく資格取って働いてるんだし。そこまでして地域のことまでやらなくても」

以前なら、たぶん「そうだね」と笑って終わらせていたと思います。

でも、その日は違いました。

「私、仕事を嫌々続けてるわけじゃないんです」

女性がこちらを見ました。

私は少し緊張しながら、そのまま続けました。

「前に何度か、資格を持ってても意味がないって言われたでしょう?」

「あ…うん」

「でも、私にとっては意味があるんです。取ってよかったと思ってるし、今の仕事も続けたい。昼間いない日があっても、できる当番には出たいんです」

言い終わると、自分でも驚くほど胸が軽くなりました。

誰かの生き方を否定したかったわけではありません。ただ、私の暮らしまで否定されたように感じていたことを、一度だけきちんと伝えたかったのです。

少し離れた席にいた年上の女性が、当番表を見ながら口を開きました。

「去年も、私が出られない日に代わってくれたよね」

私は「ああ、ありましたね」と答えました。

すると進行役の人が、「じゃあ、都合の合う日をお願いしましょうか」と当番表をこちらへ回してきました。

「はい。この日なら大丈夫です」

私は空いている日に自分の名前を書きました。

向かいにいた女性は少し黙ったあと、小さな声で言いました。

「ごめん。私、自分ができなかったことと比べてたのかもしれない」

「ううん。子ども5人育てるのも、私にはできないことだから」

それ以上、その話を続けることはありませんでした。

会が終わって外へ出ると、帰り道は途中まで一緒でした。女性はいつものように、来月の資源回収の日を確認してきました。

資格のことを「意味がない」と言われることは、それからなくなりました。

違う暮らし方をしているからこそ、比べなくてもいい。あの日ようやく、それを自分の言葉で伝えられた気がします。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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