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なぜ黄色のセンターラインを「白」に塗り替える? 自転車の追い越しルールが背景に、都内で見直しへ

  • 2026.9.11

東京都内の道路で見慣れた「黄色のセンターライン」が、白線へと変わっていく。警視庁は都内に約1700kmある黄色センターラインの規制区間を調査し、その半数程度を見直す方針だ。背景にあるのが、2026年4月から始まった自転車を追い越す際の新たな交通ルール。自転車との安全な間隔を確保しようとすると黄色線を越えてしまう──そんな街中の道路で生じている問題に対応するため、現在の交通状況に合わせてセンターラインの規制そのものを見直す動きが始まっている。

自転車との距離を取ると「黄色線」を越えてしまう。都内の道路で何が起きている?

東京都内の街中をバイクで走っていれば、片側1車線の道路で前方を自転車が走っている場面には頻繁に遭遇する。

十分な道幅があれば、そのまま安全な間隔を取って通過できる。しかし、都内には車道の幅が限られた道路も多い。自転車から距離を取ろうとすると、センターライン付近まで寄らなければならないこともある。

そんな道路で、いま問題になっているのが「黄色のセンターライン」だ。

きっかけとなったのは、2026年4月1日に施行された改正道路交通法である。

新たなルールでは、クルマやバイクなどが自転車等の右側を通過する際、両者の間に「十分な間隔」がない場合、自転車との間隔に応じた安全な速度で進行することが義務付けられた。

警察庁はその目安として、自転車の右側を通過するときにはできる限り間隔を空け、「少なくとも1m程度」の間隔を取ることが安全としている。

また、道路幅などの理由から1m程度の間隔を確保できない場合は、時速20〜30km程度で運転することを目安として示している。

ここは誤解しやすいところだが、「自転車を追い抜くときは必ず1m以上空けなければ違反」というルールではない。

1mや時速20〜30kmはあくまで警察庁が示した目安。実際の十分な間隔や安全な速度は、自転車と車両の走行状況、道路状況、交通状況などによって異なる。

問題は、この新しいルールを意識して自転車との距離を取ろうとしたときに起きている。

道路の中央に黄色の実線が引かれている場合、車両は追い越しのために道路の右側部分へはみ出して通行することが禁止されている。

自転車が前を走っているからといって例外になるわけではない。

つまり、道幅の狭い道路では「自転車から十分な距離を取りたいのに、距離を取ろうとすると黄色線を越えてしまう」という状況が生まれる。

こうした状況を受け、警視庁は黄色センターラインによる規制が現在の道路環境に合っているのか、都内の対象区間について調査を進めている。

東京都内には、黄色のセンターラインによる規制区間が約1700kmある。道路幅や交通量、自転車の通行状況などを確認しながら規制の必要性を改めて検討し、半数程度について見直す方針だ。

見直しによって規制の必要性が低いと判断された区間では、黄色線から白線への変更が進められる。警視庁は複数年をかけて対応していくとしており、都内の黄色線が一斉に白線へ変わるわけではない。

安全のために自転車との間隔を空けようとすると、今度は黄色線の規制に抵触しかねない。

そこで警視庁が始めたのが、黄色センターラインの規制そのものの見直しだ。

現在、東京都内には黄色のセンターラインによる規制区間が約1700kmある。

警視庁は、その黄色線が現在の道路や交通の実態に合った規制になっているのかを調査している。

その調査は、単に地図上で道路を確認するだけではない。

都内で黄色センターラインの区間が最も多く、83カ所を抱える福生警察署では、2026年8月、警察官が実際に自転車に乗って対象区間を一カ所ずつ確認した。

自転車側から道路を走り、道幅や交通状況などを確かめながら、現在の黄色線による規制が適切なのかを調べているという。

こうした調査を受け、警視庁は都内約1700kmの規制区間のうち、半数程度を見直す見込みとしている。

見直しの対象となった道路では、追い越しのための右側部分へのはみ出しが禁止される黄色線から、それ自体には同様の規制がない白線へと変更されることになる。

ただし、都内にある黄色線の半分がすぐに白く塗り替えられるわけではない。

警視庁は道路ごとに規制の必要性を確認したうえで、複数年をかけて対応していく考えだ。

そもそも黄色のセンターラインは、危険性などを考慮して「追い越しのための右側部分へのはみ出し」を禁止する必要がある道路に設けられている。

今回の見直しも、黄色線そのものを不要と判断して一律に減らすものではない。

道路や交通を取り巻く環境が変化するなかで、現在もその規制が必要なのかを改めて確認し、実態に合わなくなった区間を白線へ変更するというものだ。

では、黄色線が白線になると、バイクで走る際には何が変わるのだろうか。

黄色の実線がある道路では、前方の自転車を追い越すために道路の右側部分へはみ出すことはできない。

一方、白線へ変更された道路では、黄色線による「追い越しのための右側部分へのはみ出し禁止」という規制はなくなる。

そのため、ほかに追い越しを禁止する規制などがなく、対向車が来ていないなど安全を十分に確認できる状況なら、自転車との側方間隔を確保するためにセンターラインを越えて追い越せる場面が増えることになる。

これは、自転車の交通量が多い街中では大きな違いだ。

ただし、「白線になればいつでも自転車を抜いていい」という話ではない。

白線でも対向車が来ていれば当然はみ出せない。カーブや交差点付近など、別の理由で追い越しが禁止される場所もある。

そして黄色線が残る道路で、自転車との安全な間隔を確保したまま追い越せないのであれば、無理に追い越さない。

十分な間隔が取れない状態で自転車の右側を通過するのであれば、その間隔に応じて速度を落とす。

街中では後続車が迫ってくると「早く抜かなければ」と感じることもあるが、自転車との距離を取るために黄色線を越えていいわけではない。

今回のニュースで重要なのは、「黄色い線を白く塗り替える」という見た目の変化だけではない。

2026年4月から自転車の側方を通過する際のルールが変わり、それを実際の道路で運用した結果、これまでの交通規制との間にズレが生じていることが明らかになった。

だから警視庁は、約1700kmに及ぶ黄色センターラインについて、現在の交通環境に合っているのかを改めて調べている。

ライダーにとっても他人事ではない。

バイクはクルマより車幅が狭いため、「これくらいなら抜ける」と自転車のすぐ横を通過してしまいやすい。一方、自転車側から見れば、速度差のあるバイクが至近距離を通過することに変わりはない。

前方に自転車がいたら、まず十分な間隔を確保できるかを見る。確保できないなら速度を落とす。そして黄色線を越えなければ安全に追い越せない状況なら、無理に抜かない。

街中を走るライダーにとっては、センターラインの色とともに覚えておきたいルールだ。

そして今回の見直しが東京都以外でも進んでいけば、やがて普段の街乗りだけでなく、全国各地を走る際にも黄色線から白線へ変わった道路を目にする機会が増えるかもしれない。

まずは東京都内から始まった、黄色センターラインの大規模な見直し。

いつも走っている道路のセンターラインが変わっていたら、その背景には自転車とクルマ、バイクがより安全に道路を共有するための、こうした交通規制の見直しがある。

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