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タイムズカー免許証流出、「確認手続きが必要です」と連絡が来ても…?アディーレ法律事務所が警鐘

  • 2026.10.2
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

運転免許証は、さまざまなサービスの本人確認で提出する機会があります。普段何気なく利用しているものだからこそ、その画像が第三者の手に渡ったとしたら、「悪用されることはない?」「何か対応したほうがいい?」と不安に感じる人もいるでしょう。

2026年9月25日、カーシェアリングサービス「タイムズカー」において、Webサイトへの不正アクセスによって、会員の運転免許証画像などの本人確認書類が漏えいしたことが明らかになりました。

では、運転免許証の画像が漏えいした場合、どのような不正利用につながる可能性があるのでしょうか。また、漏えいが判明したら、被害を防ぐために何をすればよいのでしょうか。考えられるリスクや取るべき対応、実際に被害を受けた場合の法的手段について、アディーレ法律事務所の大垣優希弁護士に詳しく解説していただきました。

運転免許証の画像が漏えいするとどうなる?深刻なリスクとなりすまし被害の実態

---もし運転免許証の画像が漏えいしてしまった場合、単なる氏名や住所の漏えいと比べてどのようなリスクがあるのでしょうか?

大垣優希弁護士(第一東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所:

「運転免許証の画像が漏えいした場合、氏名や住所だけが漏れたケースと比べて、より深刻な不正利用やなりすまし被害につながる可能性があります。運転免許証には、氏名、住所、生年月日、顔写真、免許証番号など、本人確認に必要な情報が一枚に集約されており、公的な身分証明書として高い信用力を有しているためです。

具体的には、流出した免許証画像を利用して本人になりすまし、銀行口座の開設やクレジットカード、カードローンの申込みが試みられるおそれがあります。現在は多くの事業者で厳格な本人確認手続きが採られているため、免許証画像だけで直ちに不正な契約が成立するとは限りません。しかし、顔写真や免許証番号まで含まれた情報は、本人確認審査を突破するための有力な材料となり得ます。その結果、本人名義での口座開設や借入れなどがなされ、利用代金や返済金の請求といった金銭的被害につながる可能性があります。

また、免許証情報を悪用した詐欺にも注意が必要です。『あなたの免許証情報が漏えいしているため確認手続きが必要です』などと連絡をして金銭を振り込ませたり、追加の個人情報や認証情報を聞き出したりする手口が考えられます。漏えいした情報が実在するものであるため、被害者が信用してしまいやすい点が特徴です」

漏えい発覚後にまず行うべきことは?二次被害を防ぐための正しい対処法

---運転免許証の画像の漏えいが分かったとき、私たちはまず何をするべきでしょうか?

大垣優希弁護士(第一東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所:

「まず最優先で行うべきなのは、不正利用が既に発生していないかの確認です。クレジットカードの利用明細、銀行口座の入出金履歴、スマホ決済サービスの履歴などを確認し、身に覚えのない取引や不自然な変更がないかチェックしてください。また、漏えい直後に異常が見つからなかったとしても安心はできません。不正利用は一定期間経過した後に発覚することもあるため、その後も定期的に利用明細や取引履歴を確認し、不審な動きがないか継続して監視することが重要です。

万が一、被害の発生や不正利用が疑われる場合には、速やかに金融機関やクレジットカード会社へ連絡しましょう。利用停止や調査依頼などの対応を取ることで、被害の拡大を防げる可能性があります。

また、信用情報機関の本人申告制度を利用することも考えられます。不正利用のおそれがあることを登録しておくことで、将来クレジット契約やローン契約の審査において、注意喚起がなされる場合があります。万能な制度ではありませんが、被害予防策の一つとして有効です。

なお、運転免許証を再発行して免許証番号が変更されたとしても、氏名、住所、生年月日、顔写真などの主要な個人情報が第三者に知られた状態であることに変わりはありません。そのため、再交付を受けたからといって安心するのではなく、不審な取引やなりすまし被害がないか継続的に注意することが重要です。

さらに、既に不正利用の被害が発生している場合や、第三者によるなりすましの疑いがある場合には、警察へ相談することも重要です。被害状況を記録に残しておくことで、その後の調査や手続きに役立つ場合があります」

情報漏えいをした事業者への損害賠償請求や慰謝料は認められる?

---もし事業者の過失によって運転免許証の画像が漏えいした場合、その事業者に対して損害賠償や慰謝料を請求することはできるのでしょうか?

大垣優希弁護士(第一東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所:

「実際に被害が発生した場合、事業者が、漏えい当時に個人情報の流出リスクを予見できたにもかかわらず、必要な安全管理措置を講じていなかったなど、事業者に過失が認められるときは、損害賠償を請求できる可能性があります。

また、二次被害が発生しているかどうかを問わず、情報漏えいによる不安や精神的苦痛に対する慰謝料が認められることもあります。

賠償額は、①漏えいした情報の内容、②漏えいの範囲や規模、③不正利用などの実害が発生したか、④事業者の安全管理体制や漏えい後の対応が適切だったか、といった事情を総合的に考慮して判断されます。

もっとも、不正利用などの二次被害が発生していない場合の賠償額は、一般的に数千円から数万円程度にとどまるケースが多いとされています。漏えいによる不安は大きくても、賠償額がその不安の大きさに見合わないことも少なくありません。

そのため、事後的な損害賠償請求だけに頼るのではなく、日頃からの備えが重要です。例えば、クレジットカードや銀行口座の利用明細を定期的に確認すること、身に覚えのない連絡や本人確認の求めに安易に応じないことなどを意識しておくとよいでしょう」

日頃からの備えと継続的な監視が大切

運転免許証は公的な身分証明書として非常に高い信用力を持つため、その画像データが漏えいした際のリスクは、氏名や住所だけの漏えいに比べてきわめて深刻です。たとえ再発行をして免許証番号を変えたとしても、主要な個人情報が第三者に渡ってしまったという事実は消えないため、長期的かつ継続的な警戒が必要になります。

万が一の際には事業者に損害賠償を請求できる可能性もありますが、二次被害がない場合の賠償額は数千円から数万円程度にとどまるケースも多く、事後の賠償だけに頼ることは得策ではありません。

まずは日頃からクレジットカードや銀行口座の利用明細を定期的にチェックする習慣を身につけ、不審な連絡には応じないなど、私たち一人ひとりの高い防犯意識で大切な財産を守り、なりすまし被害を防いでいきましょう。


監修者:大垣優希弁護士(第一東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所

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大垣優希弁護士(第一東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所

夫婦問題や遺産相続、債務整理など、多様な一般民事分野に関心を持つ。法律分野に留まらず、日本化粧品検定1級の資格も保有するなど、専門性のさらなる深化にも意欲的で、身近な悩みに根拠をもって寄り添う解説を志す。 アディーレ法律事務所は、依頼者が費用の負担で相談をためらわないよう、弁護士費用で損をさせない保証制度(保証事務所)を導入しています。「何もしない」から「弁護士に相談する」社会を目指しています。

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