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「ここで降りて」目的地の3キロ手前で突然止まったタクシー。だが、ホテルで話して初めて知った事実

  • 2026.9.12

出発して10分で、運転手の声が変わった

旅行先の街でホテルを出ると、玄関の近くに一台のタクシーが停まっていました。

ホテルの前にいたので、てっきり宿泊客を待っている車だと思った私は、そのまま声をかけました。

行き先を書いた紙を見せると、運転手は笑ってうなずきます。

「ここまで行けますか?」

「ああ、大丈夫。乗って」

少し古い車でしたが、後部座席は広く、最初のうちは特に気になることもありませんでした。

ところが、走り出して10分ほどしたころです。信号で止まると、運転手がバックミラー越しにこちらを見ました。

「ところで、チップはいくらくれる?」

突然の話に、私は少し戸惑いました。

「えっと…着いてから、料金を見て考えます」

すると運転手は眉を上げました。

「それじゃ困るよ。この時間なら、みんなちゃんと払う」

「まだ着いてもいないですよね?」

そう返すと、運転手は何も言わずに前を向きました。

その直後、車はいきなり左へ曲がりました。しばらくして窓の外を見ると、さっき見た覚えのある建物がもう一度流れていきます。

不安になってスマートフォンの地図を開くと、車は目的地とは違う方向へ進んでいました。

「すみません。道、こっちで合ってますか?」

「混んでるんだよ。こっちのほうが早い」

「でも、地図だと離れていってるんですけど…」

「大丈夫だから」

短く言われ、それ以上聞きにくい空気になりました。

そのころから運転も荒くなり、車線を変えるたびに体が大きく横へ振られます。私は荷物を膝で押さえながら、「とにかく早く着いてほしい」と思っていました。

「ここで降りて」と言われ、地図を見て言葉を失った

しばらくすると、車は大通りを外れ、突然路肩に停まりました。

窓の外を見ても、泊まっているホテルはありません。

「着いたんですか?」

「いや。ここで降りて」

「え?まだ先ですよね?」

運転手はメーターを指さしながら、表示されている額より高い金額を口にしました。

「ここまででこの金額。もう行かないから」

「ちょっと待ってください。目的地までお願いしたはずです」

「無理だよ。早く降りてくれ」

言い返している間にも、運転手は私の荷物をトランクから出し、歩道へ置いてしまいました。

慣れない土地で長く言い争うのも怖くなり、私は言われた金額を渡しました。

「…これでいいですか?」

運転手は札を確認すると、短く答えました。

「うん。じゃあドア閉めて」

車はそのまま走り去りました。

地図を確認すると、目的地まではまだ約3キロ。私は大きな荷物を引きながら、残りの道を歩くことになりました。

ホテルで話して、初めて分かったこと

ホテルへ戻ったころには、怒りより疲れのほうが大きくなっていました。

鍵を受け取るとき、フロントの男性に思わず聞きました。

「今日、ホテルの前に停まってたタクシーに乗ったんですけど……途中で降ろされたんです」

男性は驚いた顔で手を止めました。

「途中でですか?」

「はい。ホテルまで頼んだのに、3キロくらい手前で『もう降りて』って」

男性は少し表情を曇らせました。

「それは大変でしたね……。ただ、その車、こちらで手配したものではないと思います」

「えっ?ホテルの前に停まっていたので、てっきりそうだと思ってました」

「そうでしたか。次にタクシーをご利用になるときは、フロントに声をかけてください。こちらで手配します」

そこで初めて、自分がホテルの手配車だと思い込んで乗っていたことに気づきました。

翌朝、出かける前にフロントへタクシーをお願いすると、車が到着したところで男性が「こちらの車です」と声をかけてくれました。

運転手も乗る前に行き先を確認し、到着するとメーターに表示された料金を伝えただけでした。

前日の出来事があっただけに、それだけでほっとしたのを覚えています。

それから滞在中は、必ずホテルを通して車を頼むようにしました。旅行先では、目の前にいる車だから大丈夫だろうと決めつけず、確認してから乗ることも必要なのだと感じた出来事でした。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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