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「娘さんのスケーティング上手ですね」と褒めた中1男子に教えた滑りのコツ→大会後に彼が取った行動とは

  • 2026.9.10

これは、アイスホッケーをしている娘が小学2年生だった頃の話です。同じリンクを利用していた中学1年生の男子選手が、リンクサイドの私に「娘さんのスケーティング、上手いですよね」と声をかけてきました。競技経験のない私が伝えられたのは、娘の練習内容だけです。数ヵ月後、大会を終えた彼が口にした言葉とは──。

リンクサイドで声をかけてきた中学1年生

これは、アイスホッケーをしている娘が小学2年生だった頃の話です。

娘の練習を見にリンクへ通っていた私に、同じリンクを利用していた中学1年生の男子選手が声をかけてきました。「娘さんのスケーティング、上手いですよね」リンクサイドで交わした、それが最初の会話でした。彼とは、それまで顔を合わせれば挨拶をする程度の間柄で、話し込んだことは一度もありませんでした。

打ち明けられた伸び悩みと、私が娘にしてきた指導

立ち話が続く中で、彼は自分の状況を打ち明けてくれました。

「僕の親はスケーティングより、結局はパックをどう捌けるかだろうって言うんですけど、どうしてもそれでは越えられないものがあって……」技術の伸び悩みと、家庭内での考え方のずれが、同時に表れた言葉でした。

娘のスケーティングは、私が指導していました。といっても、競技経験者である夫の言葉を伝書鳩のように娘へ届けたり、動画サイトで見た練習法を見よう見まねで試したりする程度です。

他の子には見当もつかない私が、彼に言えたこと

それでも娘の滑りに関しては、腰が落ちていない、つま先まで力が入っていない、体の向き、目線と、細かい違いまで見分けられるようになっていました。

ところが、他の子から「私にも教えて」と言われると、まったく見当がつきません。本気で「あなたのスケーティングは何も問題ないと思う」と答えてしまうほどです。競技経験がないぶん、長年ひたすら娘の滑りだけに向き合ってきたことで、娘に特化した親の目が養われていたのです。だから彼にも、娘に効いた練習の話をするしかありませんでした。

「娘はアウトエッジの練習をするようになってから安定感が変わったよ。こんなことしか言えないんだけどね」すると彼は「え、やってみます!」と即座に返しました。

数ヵ月後、大会を終えた彼が見せた満面の笑み

それから数ヵ月後、大会を終えた彼が、私のところへやってきました。「あれからアウトエッジの練習をコツコツできる時だけしてて、まだまだなんですけど、今回の大会、違う気がします! ほんとありがとうございます!」満面の笑みでそう報告してくれました。

私は「私はホッケーができないから、たまたまあなたの努力が当たりを引いただけだよ! すごいじゃん!」と返しました。

娘のことしかわからない親の目から出た一言が、他所の子の数ヵ月を動かしていました。そしてこの一件で、これまでスケーティングへ力を入れてきたこと、そのやり方が間違っていなかったことへの確信を得ることができました。

【体験者:30代・女性、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

Qolyコラムニスト:村岡栞里
子どものアイスホッケー環境を整えるため、九州から北海道への移住を果たした、並外れた行動力を持つ親目線ライター。5年を超えるキャリアを経て、新天地でさらなる高みを目指す娘の競技生活を「現在進行形」で全力サポートしている。これまでの道のりで、指導者や保護者間のリアルな人間模様、子どもたちが直面する葛藤を肌で感じてきた。今もまさにその渦中に身を置き、苦楽を共にしているからこそ紡げる「生きたエピソード」が最大の強み。現場のリアルな息遣いが伝わるコラムを執筆している。

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