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マリア・カラスからガガまで。V&A「ディーヴァ」展、東京がフィナーレ

  • 2026.9.7

オペラの舞台に立った19世紀の歌手から、いまチャートの頂点にいるポップスターまで。約100名の歌手・パフォーマーを一本の線でつなぐ展覧会「ディーヴァ」が、2027年3月24日(水)から7月19日(月・祝)まで、東京・六本木の国立新美術館で開催される。(フロントロウ編集部)

企画したのは英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)。2023年にロンドンで幕を開けて以来、世界5カ国を巡回してきた国際巡回展だ。東京はアジアで唯一の、そして最後の開催地にあたる。日本展だけの展示作品を加えたうえで、シリーズのフィナーレを飾ることになる。

衣装だけで約60点。カラス、モンロー、ガガが実際に着たもの

展示されるのは、V&Aの所蔵品に個人蔵の衣装や資料を加えた約280点。その中心にあるのが、ディーヴァたちが印象に残るシーンで実際に身に着けた約60点の衣装だ。マリア・カラス、マリリン・モンロー、アデル、レディー・ガガ、エルトン・ジョン、リアーナ、ビョーク——名前を並べただけで、オペラハウスからハリウッド、スタジアム規模のポップまで一気に横断してしまう顔ぶれである。

衣装のほかにも写真、映像、雑誌、ポスター、LP、さらにはディーヴァたちをモデルに制作された版画作品まで、多彩な資料が並ぶ。会場では音楽や映像とともに空間を巡る演出が組まれており、作品を一点ずつ見るだけでは届かない「その時代の空気や熱量」まで持ち帰れるつくりになっている。

V&Aで開催されたディーヴァ展の展示風景
V&Aのディーヴァ展の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London

19世紀のオペラ歌手から、テイラー・スウィフトまで

構成は2幕。第1幕「ディーヴァの誕生」は、19世紀のオペラ歌手を起点に、ハリウッド黄金期のスターたち、そして20世紀の歌姫たちの戦いと葛藤へと進む。アデリーナ・パッティ、サラ・ベルナール、イサドラ・ダンカン、マレーネ・ディートリッヒ、ジョセフィン・ベイカー、ジュディ・ガーランド、マリア・カラス、マリリン・モンロー、エリザベス・テイラーらが登場し、「ディーヴァ」という言葉とイメージがどう変わってきたかをたどる。

第2幕「ディーヴァの再生・復活」の起点は、1960年代の第2波フェミニズムだ。公民権運動から現代までの時間軸のなかで、エディット・ピアフ、ビリー・ホリデイ、ニーナ・シモン、アレサ・フランクリン、ドリー・パートン、シェール、フレディ・マーキュリー、グレイス・ジョーンズ、プリンス、マドンナ、ホイットニー・ヒューストン、ビョーク、マライア・キャリー、ローリン・ヒル、ビヨンセ、エイミー・ワインハウス、レディー・ガガ、リアーナ、アデル、テイラー・スウィフト、ビリー・アイリッシュらの歩みが並ぶ。

「ディーヴァ」という言葉が、意味を変えてきた200年

本展のもうひとつの軸は、舞台芸術・映画・ポピュラー・ミュージックの200年をフェミニズムの視点から検証することにある。家父長制を規範とする男性中心の社会のなかで、女性やクィアの歌手・パフォーマーたちが自己表現を通していかに主体性を獲得し、既存の価値観や偏見に挑み続けてきたのか。そして「ディーヴァ」という言葉の意味が歴史のなかでどう展開し、時代を超えて受け継がれてきたのか。わがままな大歌手、というよくある戯画の裏側を、200年ぶんの資料でひっくり返す試みだ。

V&Aは1852年創設、ロンドンのサウス・ケンジントンを含む5地域6施設からなる英国の国立博物館。絵画や彫刻にとどまらず、ファッション、工業デザイン、建築、写真、舞台芸術までを対象とし、近年は音楽をテーマにした展覧会に力を入れている。280万点以上のナショナル・コレクションを抱え、5,000年にわたる人類の創造の物語を伝えてきた館が、「歌声」を主語に据えた時に何が見えるのか。答え合わせは2027年春だ。

展覧会「ディーヴァ」は2027年3月24日(水)から7月19日(月・祝)まで、国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)にて開催。主催は国立新美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館、ソニー・ミュージックエンタテインメント。詳細は展覧会公式サイトで順次公開される。

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