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【EPOさん】がたどり着いた現在地「毎日が愛おしい」沖縄のルーティンと、自由になった音楽作り

  • 2026.9.5

【EPOさん】がたどり着いた現在地「毎日が愛おしい」沖縄のルーティンと、自由になった音楽作り

沖縄へ移住して15年、EPOさんは何気ない日常を「愛おしい」と語る。そんな愛おしい日常から生まれる音楽と、今も色褪せない名曲の数々。自由に音楽を楽しめるようになったEPOさんに現在の音楽作りへの気持ちと、これから先の音楽作りへの思いを聞いた。

当たり前の生活が愛おしい沖縄での日々

取材日だったこの日、EPOさんは朝一番の飛行機で沖縄から上京し、午前中の早い時間からラジオ出演、収録、インタビュー取材を休むことなくこなしていた。疲れもあるのでは?というこちらの心配をよそに、「全然元気ですよ」と笑顔を見せるその姿は、健康的に日焼けしていて、言葉通り、元気そのものといった様子だった。

2011年、東日本大震災の後に沖縄へと移住したEPOさんは、現在の生活を「毎日が愛おしい」と語る。

「沖縄に移住して15年になるのですが、毎日の当たり前の生活がとっても愛おしくて。朝起きて、ご飯を作って、海に行って、帰ってきてご飯を食べて、部屋で曲を書いたりして、夕方また海に行って、帰ってきてビールを飲んで。音楽ばかりではない生活なんだけど、不思議とそこから浮かんでくるものがあって、大事な覚え書きがいっぱい増えました。本当に日常の愛おしい時間から作品が出てくるんです。出荷日も決めないし、締め切りもないので、作りたい時に作っている感じです」

現在は日常の中から作りたい曲を作りたい時に作る日々を過ごしているが、これまでに作った楽曲は提供曲も含めると300を超える。9月に東名阪で開催する「EPO コンサートツアー2026~ALL EPO SONGS リクエスト・ライヴ~」は、ファンの人のリクエストをもとにセットリストを決める。

「今回はリクエストと一緒にエピソードも添えてもらったんです。20代の頃は本当に時間がなくて、追われるように曲を作っていて、お客さんのことを振り返る余裕がありませんでした。でも、お客さんは私が作った曲をしっかり聴いてくれていて、思い出として一つひとつの歌を自分の中に染みこませてくれているというのが、添えてくれた文章を読んで伝わってきました。感謝の気持ちでいっぱいで、感動しました」

リクエストは予想通りの曲から、意外な曲もあるという。おそらく多くのリクエストがあるであろう、代表曲の「う、ふ、ふ、ふ、」は、今年もマクドナルドの春の定番商品「てりたま」シリーズのCMソングに起用されるなど、これまでにタイアップは数知れない。

「あの曲はなかなかできなかったんです。資生堂のタイアップというプレッシャーもあって熱が出てしまって、ボーっとしている時に“う、ふ、ふ、ふ…”と出てきて、すぐにラジカセに録音して、翌日持っていってやっとOKが出たんです。とっても苦難があったので、今でもたくさんCMに起用してもらえるのは、そのご褒美かなと思っています」

頑張らないと歌えなかった昔の歌も楽しく歌えるようになった

周りも見えずに駆け抜けた20代の時は、「ヒットする曲」を作ることに追われ、大好きだったはずの音楽を楽しめなくなっていた時期もある。その反動から、昔の曲は歌いたくないと思うこともあったが、自由に音楽を作れるようになった今は違う。

「今は自分のレコード会社なので、いろんなタイプの作品を表現できるようになって、きっと、心が満たされたのだと思います。なのでポップスを作るのも抵抗がなくて楽しくなってきました。以前は昔の曲は頑張らないと歌えなかったけど、今はようやく自分の歌として楽しく歌えるようになりました」

かつては周りがイメージする“EPOらしさ”に悩むこともあったが、音楽の幅が広がった今は、等身大の自分に近い楽曲を作るのも、元気なポップスを作るのも楽しく、依頼を受ければタイアップのアイディアも次々と出てくる。では今現在、EPOさん自身が考える“EPOらしさ”とはどんなものなのだろうか? 少しの沈黙の後、こんな言葉が返ってきた。

「EPOらしさを言葉にするとしたら“色の見える音楽”かな。聴いた人に何か色を感じてもらえる音楽なのかなって思います。最近清水信之さんから、EPOの歌は枯れ木に花を咲かせるような作品と言われました(笑)」

20代の頃の明るく元気な楽曲、30~50代にかけて作ってきた内面に迫るような楽曲、そして沖縄での日々から生まれる楽曲…と、時代とともに変化していったEPOさんの楽曲には様々な音色がある。

2009年7月8日発売の『AQUA NOME』。8年という期間をかけて楽曲を熟成させた究極のオーガニック・サウンド。昔あったかもしれないどこかの国の伝統音楽のようでもあり、自分のルーツを辿る旅のような音楽。

https://office012.stores.jp/items/55b05f902b34925eb40003f9

「“EPOはこうだから”って一色に染められなくなったというか、いろんな色があっていいっていうのがわかっているし、私自身が元気だから今はいろんな歌を歌えるんです。ポップスをやっていくのも自分で決めているし、自分のために『Wica』や『AQUA NOME』のような音楽も作っていきたい。人を元気に楽しい気持ちにする音楽と、自分の内面や人の傷に寄り添うような音楽と、両方をできるといいなと思っています」

たくさんの色を持つEPOさんの音楽は、これまでも多くの人の人生に彩りを与えてきた。デビューから45年、様々な転機を経てたどり着いた現在の境地。日常を愛おしみ、自由に音楽と向き合う今のEPOさんだからこそ表現できる「色の見える音楽」は、これからも聴く者の心を優しく、そして鮮やかに染め上げてくれるに違いない。

PROFILE
EPOさん・歌手

えぽ●1960年東京都生まれ。1980年3月、シュガー・ベイブのカヴァー「DOWN TOWN」でデビュー。人気バラエティー番組「オレたちひょうきん族」のエンディングテーマとなった「土曜の夜はパラダイス」、資生堂CMソング「う、ふ、ふ、ふ」など、数々のヒット曲で人気を博す。1987年9月レコーディングで渡英。その後、当時ヨーロッパ最大のレコード会社Virgin UKと契動。活動の場をLONDONに移す。帰国後は通常のホールコンサートだけでなく、教会、病院、学校などでもライブ活動を行う。2025年にデビュー45周年を迎え、オリジナルアルバム『EPOFUL』をリリースした。また、セラピストの資格も有し、「歌」「音楽」を通じてのカウンセリングも行っている。カウンセリング・スタジオ Music &Dramaの予約、問い合わせはTEL046-877-5653 music.drama@eponica.netまで。

【Information】EPO コンサートツアー 2026 〜 ALL EPO SONGS リクエスト・ライヴ〜

大阪 9月23日(水・祝) NHK大阪ホール 16:30開場 17:30開演
名古屋 9月26日(土) COMTEC PORTBASE 16:30開場 17:30開演
東京 9月29日(火) LINE CUBE SHIBUYA 17:30開場 18:30開演


https://epo-live.com/

撮影/本間寛 取材・文/佐久間一彦

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