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地震後に起きる火災 「感震ブレーカー」で防ごう!

  • 2026.9.4

大きな地震の後、心配されているのが火災です。これまでの大規模地震では、電気が原因とみられる「電気火災」が多く発生しています。その予防に役立つと期待されているのが「感震ブレーカー」です。強い揺れを感知すると、自動的に家の中の電気を遮断する機器です。9月1日は「防災の日」。電気火災への備えにも目を向けてみましょう。

大地震のたびに火災は発生している

大規模地震の発生時には、各地で同時に火の手が上がる地震火災が起こりやすくなります。建物の倒壊や道路の陥没など、街全体が混乱を極め、初期消火が思うように進まないことや、火災件数の多さに消防活動が追いつかないことが主な理由です。阪神大震災や東日本大震災でも多くの火災が報告されていますが、その5~6割が電気に起因する火災だったと指摘されています。

地震後に起こる火災とは?

地震によって引き起こされる火災には、どんなものがあるのでしょうか(イラスト参照)。使用中の暖房器具からの出火だけでなく、思いがけないところから火が出る場合があります。

【例】

・鑑賞魚用の水槽が転倒。一時停電した後、電気が復旧し、熱くなった水槽用のヒーターがじゅうたんなどの可燃物に触れて出火

・本が落ちてきた拍子に、電気ストーブのスイッチがオンになり、本などの可燃物に着火

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感震ブレーカーとは?

こうした火災を防ぐため、国や自治体は各家庭に感震ブレーカーの設置を呼びかけています。感震ブレーカーは、地震で震度5強相当以上の揺れを感知すると、自動的に家の中の電気を遮断する機器のことです。設置しておけば、不在時だけでなく、ブレーカーを切って避難する余裕がない時も、電気を原因とする火災を防ぐことができます。

いろいろなタイプがあるため、取り入れやすさや費用を見て選ぶことが大事です。主な感震ブレーカーを紹介します。

分電盤タイプ

分電盤にセンサーを内蔵したものと外付けしたものに大別され、揺れを感知すると主幹ブレーカーを落として家全体の電気を一括遮断します。電気工事が必要で、2~8万円程度。

コンセントタイプ

コンセントにさして使う機器で、揺れを感知すると、この機器につながった電気製品のみを対象に電気を遮断。電気工事が必要な商品もあり、5000円~2万円程度。

簡易タイプ

揺れを感知するとおもりの落下やバネの働きによって、分電盤の主幹ブレーカーを落とし、家全体の電気を一括遮断します。電気工事は不要で3000~4000円程度。

感震ブレーカーの設置率100%で首都直下地震の被害は大幅に減らせる!

政府は2025年12月、首都直下地震の被害想定(最大)を公表しました。マグニチュード(M)7級の地震で、建物被害は全壊が約13万棟、焼失が約27万棟の計約40万棟に上るとしています。火災による犠牲者が多く出るとみられ、死者1万8000人のうち7割を占めると推計されています。

政府は首都直下地震に備えて「緊急対策推進基本計画」を改定し、今後10年間で建物被害と死者数を半数以下に減らすことを掲げました。その有効な対策として打ち出したのが、感震ブレーカーの普及です。首都圏やその周辺の県の感震ブレーカーの設置率は20%程度ですが、2035年度までに「おおむね設置」に引き上げることで、被害を大幅に減らせるとしています。

東京大教授の広井悠さん(都市防災)は、「大震災時には、消防力を上回る数の火災が発生する恐れがあってとても深刻ですが、感震ブレーカーを設置することで電気火災を防ぎ、出火件数全体を減らすことができます。ひとたび火が出れば隣近所を巻き込むことになります。ぜひ家庭での設置を検討してみてほしい」と助言します。購入費を補助したり、無償配布したりしている自治体もあるため、一度問い合わせてみるといいでしょう。

知っておきたい注意点もあります。感震ブレーカーにより、家庭内の電気が遮断されると、照明もつかなくなります。夜間の避難に備えて懐中電灯を枕元などに備えておくと安心です。また、人工呼吸器など医療用機器を使用している場合は、非常用電源を必ず確保しておきましょう。

広井さんは、「感震ブレーカーの普及は地域を守る公共性の高い取り組みだけに、行政には積極的な支援を期待したい」と話していました。

<防災ニッポン編集長・板東玲子>

読売新聞2026年9月1日掲載

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