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「不味かったのかな」料理が多く残った披露宴。だが、先輩が教えてくれた理由に納得

  • 2026.9.5

残った皿を見るたび、少し残念に思っていた

学生のころ、結婚式場で配膳のアルバイトをしていました。

披露宴が始まると、料理を運び、空いた皿を下げ、次の料理を出します。慣れないうちは目の前の仕事をこなすだけで精いっぱいでした。

それでも何度か入るうちに、披露宴によって料理の残り方がずいぶん違うことに気づきました。

きれいに食べ終わっている皿が多い日もあれば、半分ほど残った皿が次々と戻ってくる日もあります。

私は勝手に、「たくさん残っている日は、料理が不味かったのかな」と思っていました。

ある日の披露宴でも、魚料理や肉料理がかなり残っていました。

皿を台車へ載せながら、私は近くにいた先輩に小さな声で聞きました。

「今日は、あまり料理が進まなかったですね」

すると先輩は、少し考えてから言いました。

「料理が残ってても、味が悪かったとは限らないよ」

「そうなんですか?」

「今日、みんなずっと話してたでしょう。写真もたくさん撮ってたし、食べる暇がなかったんじゃないかな」

言われてみれば、その通りでした。

料理を運びに行くたび、新郎新婦の近くには写真を撮る人が集まっていました。友人同士で席を行き来している人もいて、料理が置かれても、なかなか手をつけられない人が何人もいたのです。

皿だけを見ても、その席のことは分からない

それまでの私は、下げられてきた皿しか見ていませんでした。

けれど先輩に言われてからは、料理を運んでいる最中の会場にも目が向くようになりました。

久しぶりに会ったらしい人たちが、料理を前にしたまま話し込んでいることがあります。

友人のスピーチを聞きながら涙を拭いている人もいました。写真を撮りに席を離れ、そのまま別の人につかまって話している人もいます。

そんな日は、料理が残ることがありました。

もちろん、本当にお腹いっぱいだった人も、苦手な料理があった人もいたと思います。皿だけを見て、理由を一つに決めることはできません。

別の日、また料理が多く残った皿を下げていると、先輩が笑いながら言いました。

「私も最初は、残ってると気になったよ」

「やっぱりそうなんですね」

「でも披露宴って、食事だけしに来てるわけじゃないからね」

その言葉が、妙に心に残りました。

それから私は、残った料理を見ても「おいしくなかったのかな」とすぐには思わなくなりました。

話したり、笑ったり、写真を撮ったりしているうちに、食べる時間がなくなることもある。料理が残っているからといって、その席が楽しくなかったとは限らないのです。

あのアルバイトをしていた期間は、それほど長くありません。それでも、目の前に残ったものだけで、その場のすべてを判断しないという見方は、今も覚えています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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