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「周囲の人には知識をつけてほしい」産後の女性がイライラしがちなことと産後うつの違いとは【著者インタビュー】

  • 2026.9.3

【漫画】本編を読む

5年にわたる不妊治療でも子どもを授からなかったため、仕事に専念することを決意したちはる。しかし大きなプロジェクトの責任者に抜擢された矢先、妊娠が発覚する。「タイミング最悪」と思ってしまったことに罪悪感を覚えつつも、育児と仕事の両立を決意。しかし、つわりも重く、うまくいかないことの連続で……。

自身も経験した“産後うつ”をテーマに『もう3年、産後うつ。 消えたい衝動から抜け出せない』(青柳ちか/KADOKAWA)を描いた著者・青柳ちかさん。自身が経験した産後うつや、本作に込めた想いについて話を伺った。

※個人の体験をもとにインタビューを行っています。症状など、詳細は医療機関等にご確認ください。

――夫・ひろきは産後のちはるの様子にひっかかりを感じながらも、会社の先輩の「うち(の妻)もそうだったよ」の言葉に納得してしまいます。産後の妻を一番近くで見ているのは夫である場合が多いと思うのですが、妻の様子がおかしいなと思ったらどうしたらよいでしょうか?

青柳ちかさん(以下、青柳):産後にイライラしやすくなること自体は、多くの方に当てはまることですよね。ただ産後うつの場合、症状は人によるとは思いますが、これまでできていたことができなくなるんです。例えば料理の手順がわからなくなったり、服の着方がおかしくても気づかなかったり。小さな違和感が発生すると思います。私の場合はテレビを見ていて悲しくなり、「私はこんな風にできない……」と泣いたりしていました。そうした妻の小さな変化に気がついてほしいし、妻が今どういう気持ちでいるかをよく聞いてほしいです。いつもと様子が違うと感じたら、地域の保健師さんや、産院に相談してみてほしいと思います。

――青柳さんご自身の場合、当時の苦しさはどの程度ご主人に伝わっていたと思いますか?

青柳:今聞くと、「正直、そのときのことあんまり覚えてないんだよねー」と言われます。「なんか大変そうだな」とは思っていたようですが、うちの夫もひろきのように楽観的なところがあるのかもしれません(笑)。私は夫をストレスに感じた覚えがあまりないので、多分あるがままに受け入れてくれていたんだと思います。当時、産後うつの本を読んで「私、これかも!!」と夫に泣きながら訴えたんです。それを「うんうん」と聞いてくれたことがすごく記憶に残っています。

――産後うつになったことで、ご主人や義両親・実両親からの青柳さんへの接し方に変化はありましたか?

青柳:周りはみな理解があり、変わらずにいてくれてありがたかったです。ただ、私が産後うつの原因をなんとか探りたいと考えてしまって「自分を育てた親のせいだ!」と思い込んでしまいました。それで親との関係が壊れかけてしまって。このときのことがちはると母親のエピソードのもとになっています。

――産後うつを未然に防ぐために、パートナーにできることはありますか? こうしてほしかった、などのご経験がありましたら教えてください。

青柳:事前に知識を得ておくことかと思います。「産後はホルモンバランスの変化や心身のストレスでうつになることがある」とわかっていれば何かおかしいなと思ったときに「これはうつかもしれない」と考えることができますし、出産後のストレスを減らせるように備えることもできます。また、とにかく産後は母体に心身ともに大変なストレスがかかります。産後の体のダメージは交通事故での内臓破裂レベルのものだそうです。そこは知っておいてほしいな、と思います。

取材・文=原智香

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