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399万円の家は玄関が歪み、280万円の家は床が崩壊…大家歴23年の著者が予算500万円で「買い物件」を探す、不動産投資コミック【書評】

  • 2026.9.3

【漫画】本編を読む

「500万円以下の中古一戸建て」と聞くと、それなら買ってもいいかなと思う人はいるだろう。しかし価格の安さだけで飛びついてしまうと、修繕費など購入後の出費が重くのしかかることもあるので注意が必要だ。『現役大家の500万円以下中古一戸建て投資不動産巡り』(東條さち子/竹書房)は、大家歴23年の著者・東條さち子氏が、低予算で購入できる投資用物件を探し歩く様子を描いたコミックエッセイである。

きっかけは、カナダで暮らす娘から届いた帰国の知らせだった。就職と結婚を控えた娘を住まわせるため、現在貸し出している持ち家の一軒を空けようとするが、次の更新までにはまだ期間がある。アパートを借りるより、安い中古の戸建てを購入し、いずれ賃貸に回した方がいいのではないかと考え、東條夫婦は500万円という予算で不動産探しに動き出す。

最初の内見は、399万円、昭和47年築の一軒家。玄関が歪み、ドアが開かないなど老朽化は進んでいるものの、室内は今流行の昭和レトロなおしゃれな雰囲気があり、夫婦はすっかり心をつかまれる。ところが、どこからか水の流れる音が聞こえてきたため、玄関脇をのぞくと水道管から漏れた水が地面から噴き出していた。さらに再建築不可状態や地盤沈下問題まで判明し、「買い物件」にはならなかった。

続いて280万円の一軒家は、立地は悪くないが、床面積はわずか11坪。不動産会社からあらかじめ「相当ひどい物件」と告げられつつも内見すると、その言葉どおり1階の床は崩れ落ち、柱は白アリの被害を受けていた。2階には雨漏りの跡が天井一面に広がり、セルフリフォームでどうにかできる範囲をはるかに超えており、こちらも金額相応といった具合の物件だった。

そんな感じで物件探しは思うようには進まない。それでも夫婦は次々と現れるクセの強い物件に一喜一憂しながら、「掘り出し物」を探し続ける。そんななかで住宅ローンや修繕費などの話も簡潔にテンポよく解説されているため頭に入りやすいだろう。一見すると魅力的な低価格物件の落とし穴をのぞきながら、著者夫婦と一緒に「これは買いか、見送りか」と悩む楽しさを味わってみてはいかがだろう。

文=つぼ子

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