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【TVアニメ】恋愛をすると女子高生が100メートル超えの怪獣に変身? 青春ラブコメ怪獣少女漫画『乙女怪獣キャラメリゼ』【書評】

  • 2026.9.3
乙女怪獣キャラメリゼ 蒼木スピカ/KADOKAWA
乙女怪獣キャラメリゼ 蒼木スピカ/KADOKAWA

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気持ちも変身もコントロールできない! 女子高校生・黒絵の秘密とは?

2026年7月からTVアニメも放映された、シリーズ累計発行部数20万部超えのマンガが『乙女怪獣キャラメリゼ』(蒼木スピカ/KADOKAWA)だ。

ある日、東京・晴海に全長100メートルを超える大怪獣が出現した。人々は“彼女”のことを出現場所にちなんで“ハルゴン”と呼ぶようになる。このハルゴンの正体は、なんと女子高校生・クロエこと赤石黒絵。彼女は感情が昂ると怪獣化してしまう特殊体質なのだ。

感情の昂りとはすなわち“恋”である。

本作は乙女な怪獣が活躍する巨大スケールの物語であり、等身大の少女の繊細な感情を描いた唯一無二の“怪獣少女漫画”なのだ。作者・蒼木スピカ先生曰く「めっちゃ変な少女漫画」の魅力を紹介していく。

■怪獣に変身してしまう女子高校生・クロエの可愛さ

まずヒロインであるクロエが魅力的だ。彼女は体の一部が“人ならざるもの”に変化し、ツノやトゲ、尻尾まで生えてくる謎の奇病に16年間悩んでいる。しばらくするとおさまるが、治療法のようなものはない。

母親の凛子を除き、変化した身体を見て怖がらない人間はいない。そのため人と極力交わらず生きてきたクロエ。そんな孤独な彼女に絡んできたのは、隣の席の男子・南新汰だ。ルックスも性格も良い人気者の南は、誰にでもそうであるようにクロエにも優しかった。体質もあって卑屈になっていた彼女だが、明らかに特別感をもって接してくる南に心惹かれていく。灰色だったクロエの世界がピンクに色づいていくのだ。

だが、揺れる感情は彼女の特殊体質を強めることに……。クロエが激しく照れたり恥ずかしがったり、あるいは南と身体接触をすることで身体の一部変化を超え、完全に怪獣化してしまう。100メートルオーバーの巨大怪獣ハルゴンことクロエは、日本中の話題となるのだった。

南はハルゴンの正体を知らず、クロエとの距離をどんどん詰めてくる。クロエは彼と絡むと怪獣化してしまうことは理解できている、でも南と一緒にいる時の自分の気持ちはよく分からない。彼女は南と離れるべきかもしれないが、そうはなれない……このカオスなラブコメ状態のクロエを応援しないではいられないのだ。

■今を楽しみ恋せよ乙女怪獣

読み始めれば怪獣化の謎が気になるだろう。序盤ではこの設定の解説はない。なお、母親の凛子は娘を心配してはいるものの、身体変化や怪獣化については何かを知っているようである。ただ、このSF要素はポイントではあるものの、本作はやはり少女クロエの恋愛青春ストーリーなのだ。孤独だったクロエには南の他に、同級生の友人ができる。怖いくらい怪獣愛が強い美少女・友里真夏。クロエと同じように本当の自分を隠し、それでも楽しく生きようとしているギャル“らいりー”こと河野来夢だ。

『乙女怪獣キャラメリゼ』はクロエがどうしたいか、の物語だ。怪獣化してしまう彼女が、大切にしたい相手や友人ができた時にどのような選択をしていくのか。拒絶するのか、たった数年しかない高校生活を楽しむのか。「命短し恋せよ乙女」というフレーズがある。美しい時間は限られている。乙女な怪獣も、解決できない問題があろうとなかろうと、青春を、恋を、精一杯楽しむべきなのだ。がんばるクロエを見ている(読んでいる)と元気になってくる。

最新のコミックス10巻では、彼女を大切に思う南たちがクロエのいる“島”へ向かう。はたしてクロエと南の恋の行方は。そして島では怪獣と怪獣が激突する……。

気になる方は、ぜひ物語に追いついて、乙女怪獣を体感してみてほしい。

文=古林恭

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