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「ほかの人には黙っててほしいの」休憩室でお金を貸してと頼まれた私。だが、続く一言に感じた違和感とは

  • 2026.9.5

休憩室で、向かいに座られた

職場の休憩室は、昼を過ぎると人がまばらになります。その日も私は、隅の席で一人、お茶を飲んでいました。

「ここ、いいかしら」

声をかけてきたのは、別の部署で働く同僚でした。

廊下で会えば挨拶をして、ときどき世間話をする程度の間柄です。

最初は天気や仕事の忙しさについて話していましたが、しばらくすると、その方の声が少し小さくなりました。

「じつは、ちょっと困っていて…」

聞けば、その日どうしてもお金が必要になり、少しだけ貸してもらえないかというお願いでした。

突然のことで驚きましたが、言いにくそうにしている姿を見て、私は最初、「私を頼ってくれたのかな」と思いました。

ところが、そのあとに続いた言葉が引っかかりました。

「このこと、ほかの人には黙っててほしいの。あなたなら分かってくれると思って」

私は曖昧にうなずきました。

「いつもお世話になっている人には頼めなくて」

さらに話を聞いていると、その方はぽつりと言いました。

「いつもお世話になってる人には、こういうお願いはできなくて」

その言葉を聞いた瞬間、少しだけ気持ちが変わりました。

知られたくない相手がいる。迷惑をかけたくない相手もいる。

では、なぜ私には頼めるのだろう。

もちろん、相手に悪気があったのかは分かりません。普段あまり関わりがない私だからこそ、かえって頼みやすかっただけなのかもしれません。

それでも、「あなたなら分かってくれる」と言われて少しうれしくなっていた自分が、急に恥ずかしくなりました。

「ごめんなさい。お金の貸し借りはしないようにしているんです」

そう伝えると、その方は一瞬黙ったあと、小さくうなずきました。

「そうよね。急にごめんね」

それ以上食い下がられることはありませんでした。

それ以来、話題に出ることはなかった

その後も、職場ですれ違えば普通に挨拶をしています。向こうの態度が急に変わったこともありませんし、あの日のお願いについて再び話されたこともありません。

本当に困っていたのだと思いますし、私に頼んだことにも、その方なりの理由があったのでしょう。

ただ、誰かに「あなたなら」と言われたとき、それが必ずしも特別な信頼を意味するとは限らないのだと知りました。

あのとき断ったことについては、今でもあれでよかったと思っています。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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