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【恐怖の郵便】「ふ、不在票が!!」住人が不在票に恐怖したワケは?誰しもに起こりうる簡易書留ホラー【作者に聞く】

  • 2026.9.3

当日の再配達の受付時間終了後の郵便局に、ある1本の電話がかかってきた。もう再配達は受けられない旨を説明しても、その男はどうしてもと聞かず、何かに怯えている。困り果てたスタッフに相談されて郵便部のYさんが電話を代わることにした。男が言うには、日中留守にしていて、帰宅すると不在票が入っていたという。不在票にガタガタ震えている様子が電話越しにも伝わってくるのだが、一体何に対してこんなにも恐怖しているのだろうか?

再配達は締めているのに、どうしてもと聞かない客 送達ねこ(@jinjanosandou)
再配達は締めているのに、どうしてもと聞かない客 送達ねこ(@jinjanosandou)

今回紹介する話では、男の家に届いていた不在票は「東京の知らない弁護士事務所からの簡易書留」だった。郵便局員のYさんに「…何の郵便?」と聞いてくるあたり、男も中身に心あたりはない様子だったが、電話を続けているうちに「心あたりは、うっすらいっぱいある」と白状した。「ネットで煽ってきたやつに悪口いっぱい返した」「ほったらかしの実家。道路に枝出てるかも」「使ってない店の駐車場に駐車した」…ツラツラと心あたりの数々が出てきて「訴訟だよな、きっと…」と落ち込み始めた。

郵便物の中身までは「しらんがな」 送達ねこ(@jinjanosandou)
郵便物の中身までは「しらんがな」 送達ねこ(@jinjanosandou)

実は、男の元に届いた簡易書留の中身は、心配していた損害賠償案件ではなかった。翌日に再配達されて判明するのだが、彼自身「名前も初耳だ」という“見ず知らずの遠い遠い親戚”の不動産の遺産相続に関わるものだった。

本作『不在票にビビる』を描いたのは、現役の郵便局員である送達ねこ(@jinjanosandou)さんである。送達ねこさんは同僚たちが体験した話を漫画化していくうちに、他局からも続々と体験談が届くようになっていった。いつもは郵便局員が実際に経験した「不思議な話」や「怖い話」を漫画化しているのだが、今回の話には霊は登場しない。ただひたすら弁護士事務所から届いた簡易書留の不在票に怯えまくる人の話を取り上げたが、これは決して人ごとではない。誰しもの身に起こりうるかもしれない話であり、知っておけば無駄に不安になったり混乱することはないだろう。

「ゴリラ」「でべそ」…いまどき小学生でもいわないレベルの悪口だな 送達ねこ(@jinjanosandou)
「ゴリラ」「でべそ」…いまどき小学生でもいわないレベルの悪口だな 送達ねこ(@jinjanosandou)

本作について送達ねこさんに詳しく話を伺ってみた。

――子どもを持たない人が増えた昨今では、この話の男性のように「知らない親族」の相続問題も起こり得て、それが簡易書留で届くこともあるんですね。

そうなんです。この方は亡くなった遠戚の相続範囲が広く、全く知らない間柄でありながら法律上は相続の権利が発生するために書類が届きました。不在票には差出人の「法律事務所」の名前だけで、内容まではわからないため「オレ、何かで訴えられた?」と慌ててしまったようです。胸に手を当てると心当たりが全くないわけでもなく、悪い想像が膨らんで書留を手にするまで恐怖に震えることになってしまいました。

――一般的に簡易書留ではどんなものが届けられるのでしょうか?預かり期間など注意事項がありましたら教えてください。

簡易書留は「配達」が記録されるので、契約書類や願書、請求書、チケットなどお届け先に確実に届いたか知りたい時に便利なサービスです。対面でお渡しし、ご不在のときは不在票を入れ郵便局へ持ち戻ります。7日間の保管期限が過ぎると差出人に返されますが、期限内に受取れない場合はご連絡をいただけますと3日期限が延長できます。

名前も知らない親族の不動産相続の書類が届いた 送達ねこ(@jinjanosandou)
名前も知らない親族の不動産相続の書類が届いた 送達ねこ(@jinjanosandou)

送達ねこさんによると、「この話をSNSで公開後、『うちにも知らない親戚の相続の知らせ来ました!』というお声を複数いただきました」とのこと。「やはりこうした郵便が届いたりするようなので、頭の片隅にでも入れておいていただければ、漫画に登場する彼のように恐怖に震えることもないかと思います」と話してくれた。

『郵便屋が集めた奇談』は、読者から「こういう不思議で怖い話って好き」「けっこう背筋がゾクッとしたけど、めちゃくちゃおもしろい…!」と好評だ。今回の話には霊的な存在は登場しなかったが、ほかの話では、霊や怪異の存在を感じるエピソードが多く描かれている。日本のどこかの町でひっそりと起こっている“怪異”を覗き見してみよう。

取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)

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