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ADHDや自閉症など、障害や特性のある子どもをどう支えていくか。新米保育士が児童発達支援施設で向き合う家族の葛藤と「療育」の現場【書評】

  • 2026.9.3

【漫画】本編を読む

子どもの発達障害などについて耳にする機会は増えた。しかし、その子どもたちがどんな支援を受け、支える大人たちがどのように向き合っているのかは、まだ知らないことが多い。『エスプレッソ・コーラ 児童発達支援ももの木スクール』(ハシモト:漫画、ほっかむりゆり子:原作、今西洋介(ふらいと先生):医療監修/KADOKAWA)は、特性のある子どもへの支援である「療育」を行う児童発達支援施設を舞台に、子どもたちの成長と、その家族と支援者たちの葛藤を描いた物語だ。

主人公は、専門学校を卒業したばかりの新米保育士・山原剛。就職先は、ADHDや自閉スペクトラム症、遺伝子疾患など、さまざまな特性を持つ未就学児が通う児童発達支援施設「ももの木スクール」。そこでそれぞれがそれぞれに特性を持つ子どもたちと出会った山原は、戸惑いながらも先輩職員に支えられ、ひとりひとりに合わせた関わり方を学んでいく。そして子どもたちが見せる小さな変化や成長に触れるたびに、この仕事の奥深さを実感していくのだ。

焦点が当てられるのは子どもたちだけではない。てんかん発作や多動のある娘をひとりで育てることに疲れ切った母親や、自分の子どもの特性を受け入れられず葛藤する母親、そして支援の難しさに悩みながら子どもたちと向き合う職員たちの姿も描かれる。療育は子どもの成長を支えるだけではなく、その家族全体を支える営みでもあることが、各エピソードを通して伝わってくるだろう。

また、子どもへの声のかけ方や遊び方をどう工夫するのかといった療育現場での具体的なメソッドが、医学的な根拠を交えながらも説明的にはならずに、わかりやすく描かれているところも大きなポイントだ。

子どもとその家族、そして彼らに寄り添う保育士たちが、迷いながらも前へと進み、そして成長していく姿を見ていると、読む前よりも療育という言葉がぐっと身近に感じられるようになっているはずだ。

文=坪谷佳保

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