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「年齢は、ただの数字」と言うけれど。妊娠・出産のタイムリミットと、33歳女性の焦り【著者インタビュー】

  • 2026.9.1

【漫画】本編を読む

幸せなはずなのに、どこかさびしい。「33歳という日々」シリーズ(鈴木みろ/KADOKAWA)は、同じ33歳を生きる女性――子なし夫婦のエリ、シングルマザーのゆみ、独身のこのみ3人の視点から、現代女性のリアルな日常を描く。

シリーズ第1作は『33歳という日々 子なし夫婦、エリの場合』。主人公・エリは、13年付き合った夫・ケンちゃんと結婚して3年。「お子さんは?」「うちはまだで」。そんな日常会話に、子どもを望むエリの心は静かに沈んでいく。そして、彼女の妊活の努力とは真反対の行動を繰り返す夫。気づけば夫は「一番近くて一番遠い人」になっていた。さらに、ライフステージの違う友人たちとのすれ違いにも心が痛んでいく。

本作には、33歳という年齢を生きる女性たちの複雑な感情が綴られている。YouTubeで130万回再生を記録し、多くの共感を呼んだ話題作に込めたメッセージを、著者・鈴木みろさんに伺った。

――主人公・エリが友人に向けたモノローグ「ねぇ、桐ちゃん 桐ちゃんはどんなお母さんになりたい? 私は自分を好きになりたい」は、胸に刺さります。このシーンには、本作が妊活をテーマにしながら、「自分自身を愛すること」の意味を静かに問う作品であることが色濃く示されていると思いますが、鈴木さんは制作時、どんな思いを込めましたか?

鈴木みろさん(以下、鈴木):私も、このシーンがとても好きなんです。自分で書いたシーンなのに、読み返すたびに、エリに向かって「私はあなたのことが好きだよ」と伝えたくなります。

――現代社会では「年齢はただの数字」だと言われることも多いですが、鈴木さんはどう思いますか? 子どもを持つことに関していえば、年齢にはやはりなにかしらの意味があるように思います。

鈴木:たしかに、年齢が関係ない瞬間はたくさんあると思います。でも、妊娠や出産においては、年齢ごとに考えることやリスクが変わっていく。だから苦しいし、焦らずにはいられない事情があるのだと思います。

――本作は、妊活の経験がない方にも響く作品だと思います。実際にどのような反響がありましたか?

鈴木:「子どもがいない友人夫婦のことを『自由で羨ましい』と思っていたが、もしかしたら誰にも言えない悲しみがあったのかもしれない、と初めて気づいた」というメッセージをたくさんいただきました。また、「子どものいない息子夫婦に、ずっと無神経なことを言い続けていた自分に気づいた」という声も届いていて。

表に見えているものだけでは、人の事情は見えてこない。この作品がそのことを静かに伝えてくれたとしたら嬉しいですね。また、SNSを使っていない方や、普段こういった作品に触れる機会が少ない方にも、いつかどこかで届いてほしいと願っています。

取材・文=松本温美

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