1. トップ
  2. エピソード
  3. 「あそこじゃないんだけどな」混雑するスーパーの列を間違えた女性。だが、私が勇気を出して声をかけた結果

「あそこじゃないんだけどな」混雑するスーパーの列を間違えた女性。だが、私が勇気を出して声をかけた結果

  • 2026.9.2

離れて立っていた人を、私はただ見ていた

夕方のスーパーは、どのレジにも人が並んでいました。その日は特売の日で、通路にはワゴンがいくつも出ています。

そのせいで列が途中で折れ曲がり、最後尾が少し分かりにくくなっていました。

私は列の最後尾に並び、重くなったかごを何度か持ち替えていました。

ふと横を見ると、少し離れたところに一人の女性が立っていました。レジと列を交互に見ています。

しばらくすると、その女性はおそるおそる前へ進み、列の途中で足を止めました。

前にいた人が振り返りましたが、何も言いません。

私も「あそこじゃないんだけどな」と思いながら、声をかけられずにいました。

この店では、ときどき同じようなことがあります。ワゴンが出ている日は特に列が分かりにくく、私自身も初めて来たときは、どこに並べばいいのか迷ったことがありました。

すると女性が周りを見ながら、少し困ったような声で聞きました。

「あの、すみません。レジの列って、どこから並べばいいんでしょうか」

その言葉を聞いて、私はさっきからの様子を思い返しました。

レジと列を何度も見比べていたのは、並ぶ場所を探していたからだったのだと気づきました。

言ってみれば、ほんの一言だった

私は女性のほうを向いて声をかけました。

「ここが最後尾ですよ。よかったら、私の後ろにどうぞ」

女性は「あ、ここだったんですね」とほっとしたような顔をして、私の後ろへ来ました。

「すみません。全然分からなくて…ありがとうございます」

「今日、ちょっと分かりにくいですよね」

そう返すと、女性も「ですよね」と小さく笑いました。

少しして、今度は別の人が列の近くで立ち止まり、レジのほうを見ながら迷っていました。

すると、私の後ろにいた女性が先に声をかけました。

「あの、最後尾はここみたいですよ」

「あ、ありがとうございます」

それだけの短いやり取りでした。でも私は、その声を聞いて少しだけうれしくなりました。

それまで私は、列を間違えている人を見ても、「注意して嫌な顔をされたらどうしよう」と考えて黙ってしまうことがありました。

けれど、何かを注意する必要はなかったのです。困っている人に「最後尾はここですよ」と伝えるだけなら、もっと気軽に声をかけてもいい。

それ以来、同じように迷っている人を見かけたときは、以前より少しだけ声をかけやすくなりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ