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“同じグループ?”と疑いたくなるほど…4曲で豹変、【異例の存在感】を示す『韓国発5人組』の“底知れぬ”引き出し

  • 2026.10.21
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ILLIT 日本デビューショーケース(C)SANKEI

9月21日、ILLITがJapan 4th Digital Single「Swingin’ Magic」をリリースした。同曲は10月から第2クールが放送されるTVアニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』のオープニング主題歌。第1クールの「Bubee」に続き、ILLITが同作の主題歌を担当することになった。ニュージャックスウィングならではのリズミカルなグルーヴを取り入れ、作詞・作曲には岡嶋かな多が参加している。

2025年2月に初の日本オリジナル曲「Almond Chocolate」を発表して以降、ILLITは日本独自の楽曲を継続的に届けてきた。Japan 1st Single『時よ止まれ』を経て、2026年に入ってからも「Sunday Morning」「Bubee」、そしてHANAのJISOOとMOMOKAを迎えた「I Got Your Back」と、その動きはさらに活発になっている。

では、日本オリジナル曲を通して、ILLITはどのような表現を広げてきたのか。「Swingin’ Magic」のリリースを前に、その歩みを振り返ってみたい。

「Almond Chocolate」から始まった日本オリジナル曲

その始まりとなった「Almond Chocolate」は、映画『顔だけじゃ好きになりません』の主題歌として書き下ろされた楽曲だ。SEKAI NO OWARIのNakajinとPdoggが制作を担当。推しへの思いや恋心を軽やかなポップサウンドに乗せた一曲で、ILLITがもともと持っている少女たちの繊細な感情表現とも相性がいい。

続くJapan 1st Single『時よ止まれ』には、「時よ止まれ」と「Topping」という2曲の日本オリジナル曲が収録された。「Topping」で描かれるのは、初めてのデートを前にした少女のワクワクや、好きな人に素直になれない気持ち。ILLITが韓国で歌ってきた恋心や青春の延長線上にありながら、日本語だからこそより身近に感じられる言葉で、その感情が描かれている。

こうした初期の日本オリジナル曲では、ILLITがもともと得意としてきた恋や青春、ときめきといったテーマを、日本の作品やリスナーに近い場所で表現していたと言える。だが2026年に入ると、その音楽的な幅はさらに広がっていく。

「Sunday Morning」「Bubee」で広がった日本ならではの音楽性

1月にリリースされた「Sunday Morning」は、Mega Shinnosukeが制作に参加したJ-POP ROCK。TVアニメ『姫様“拷問”の時間です』第2期のオープニングテーマとして、会いたい相手を思う日曜日の朝の気持ちを、爽やかなバンドサウンドに乗せている。

これまでのILLITにはありそうでなかったストレートなJ-POP感がありながら、MINJUの透明感のある歌声やWONHEEの柔らかな声をはじめ、5人のボーカルが重なることで、しっかりとILLITの楽曲として成立しているのが面白い。サウンドが変わっても、メンバーの声がILLITらしさを作っていることがよく分かる一曲でもある。

そこから約3カ月後に発表されたのが「Bubee」だ。渋谷系サブカルチャーのエッセンスとJ-POPを融合したダンスポップで、作詞には乃紫が参加。『魔法の姉妹ルルットリリィ』第1クールのオープニング主題歌にも起用された。甘酸っぱいメロディと軽快なグルーヴ、どこか懐かしさも感じさせるポップな音像。その中にILLITらしいファンタジックな感覚が自然に溶け込んでいる。

個人的にも、日本オリジナル曲の中で「Bubee」は特にILLITらしさを感じる一曲だ。ILLITには「Magnetic」から続くキャッチーさがある一方で、少し不思議で、つかみきれない部分もある。「Bubee」はそんな彼女たちの個性と、日本のポップカルチャーが持つカラフルさがうまく重なった楽曲に思える。

単純に日本向けの曲を作るのではなく、日本にある音楽の文脈を取り込みながらILLITの色に変えていく。「Sunday Morning」と「Bubee」からは、日本オリジナル曲が彼女たちにとって新しい音楽表現を試す場所にもなっていることが見えてくる。

HANAとの共演で生まれた新たなILLITの表情

さらに7月のJapan 2nd Single『I Got Your Back』では、HANAのJISOOとMOMOKAがフィーチャリングで参加した。2人は歌唱だけではなく、作詞・作曲にも名を連ね、ILLITとともに楽曲を作り上げている。

ILLITの5人が持つ柔らかなボーカルに、JISOOとMOMOKAの力強い声やラップが加わることで、普段とはまた違った表情が生まれた。ILLITだけで歌う時とは異なる声の強弱や掛け合いも印象的で、コラボレーションだからこそ引き出された一面がある。

韓国を拠点に活動するILLITと、日本から登場したHANA。異なる場所から現在のガールグループシーンを走る2組が、日本オリジナル曲で交わったことも興味深い。日本活動がILLITだけで完結するのではなく、国内のアーティストやクリエイターとの接点を作る場所へと変化してきたことが、「I Got Your Back」からも伝わってくる。

「Swingin’ Magic」が示す日本活動の現在地

そして「Swingin’ Magic」でILLITは、ニュージャックスウィングというまた新しいサウンドへと足を踏み入れる。第1クールの「Bubee」から同じアニメの主題歌を続投しながら、楽曲の方向性は大きく変化した。ひとつの作品との関係を継続しつつ、その中で違う音楽を提示しているのも面白いところだ。

こうして並べてみると、ILLITの日本オリジナル曲にはひとつのジャンルにとどまらない面白さがある。「Almond Chocolate」のポップスから、「Sunday Morning」のJ-POP ROCK、「Bubee」の渋谷系、HANAとのコラボレーションを経て、「Swingin’ Magic」ではニュージャックスウィングへ。作品を重ねるたびに、その射程は少しずつ広がっている。

一方で、音楽性が変わってもILLITらしさが失われているわけではない。恋をしたときの高揚感や、少しだけ不器用な気持ち、現実からふっと飛び出すようなファンタジー。そうした彼女たちがデビュー以来表現してきたものは、日本オリジナル曲にも一貫して流れている。

だからこそ、ILLITの日本活動を追うのが楽しい。日本のアーティストやクリエイターと組み、日本の映画やアニメと出会うことで、もともと彼女たちが持っていた魅力が別の角度から見えてくるからだ。

「Swingin’ Magic」の先で、ILLITは次にどんな音楽やカルチャーと出会うのか。日本オリジナル曲が増えていくたびに、「次はどんなILLITを見せてくれるのだろう」という楽しみも増していく。日本活動は今、ILLITにとってもうひとつの表現の軸になりつつある。


※記事は執筆時点の情報です。

ライター:川崎龍也
大学卒業後にフリーランスとして独立。現在はアイドル雑誌を中心に、取材・インタビュー/コラム執筆を主軸に活動している。主な執筆媒体は『BOMB』『MARQUEE』『EX大衆』『音楽ナタリー』『RealSound』など。
X(旧Twitter):@ryuya_s04

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