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ガブリエル・シャネルのスピリットを現代へと継承する“シャネルジャケット”。人々をひきつけ続ける魅力とは?

  • 2026.8.31
Hearst Owned

「現在のラグジュアリーに求められるのは、より自然体で自分らしく、心地良い在り方」。そう語るのは、パーソナルイメージディレクターの植原ほのさん。連載【自分らしく輝くための着こなしレッスン】では、日々の着こなしをブラッシュアップするためのテクニックを学んでいきます。

今回は、デザイナー交代を経て、“現代の女性像”を描き続けるCHANEL(シャネル)に注目していきます。メゾンが受け継いできた美意識が息づく“シャネルジャケット”を軸に、2026年秋冬 コレクションでマチュー・ブレイジーが提案するエレガンスと、その着こなし。ここでは、植原さんが提案するファッション哲学「オクタゴン」を用いて読み解いてきます。

時代を超えて紡がれる、シャネルの美意識

ガブリエル・シャネルは、伝統を覆しながら、ファッションとラグジュアリーの世界に実用性という新たな価値をもたらしました。男性のワードローブから着想を得ることで、コルセットに締め付けられていた女性たちの身体を解放。かつてガブリエルが「ファッションは芋虫であり、蝶でもあるのです」と語ったように、女性のなかにある二面性を表現しながら、機能性とエレガンスを兼ね備えたスタイルを築き上げました。

シャネルの歴代アーティスティック ディレクターたちは、ブランド創設者ガブリエル シャネルの精神とコードを尊重しつつ、メゾンの根底に流れる美意識を時代に合わせて紡ぎ続けてきました。2026年春夏 コレクションでデビューを果たした新アーティスティック ディレクター、マチュー・ブレイジーもまた、その思想と対話を重ねながら、コレクションの細部にまでシャネルの美意識を息づかせています。

マチュー・ブレイジーが描く現代の女性像とは?

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シャネルのジャケットは、時代ごとの女性像を映し出してきた象徴的なアイテムのひとつです。マチュー・ブレイジーは、メゾンが長年受け継いできた卓越したコンストラクションをはじめ、シャネルの職人だからこそ生み出せるツイードの豊かなテクスチャーやボタンの意匠、インターレースチェーンといったディテールに宿る美意識を大切に継承。そうした敬意を礎に、洗練さを保ちながらも、より自然体で親しみやすいエレガンスへと昇華しています。

そこにあるのは、「より自然体で、自分らしく、心地良く在ること」という現代の価値観。強さと柔らかさは対立するものではなく、共存するものとして捉えられ、ジャケットは着る人の個性や生き方が自然とにじむ存在として解釈されています。植原式「ファッション哲学(オクタゴン)」の「Attitude」「Fabric」「Layer」という3つの視点から、マチュー・ブレイジーが手掛けるジャケットの着こなしを紐解いていきます。

【Attitude】しなやかで美しい“強さ”という表現

かつて女性の強さは、完璧な装いによって表現されることが多くありました。しかし、現代に求められる“強さ”とは、肩の力を抜いた自然体の中にあります。強く見せようと肩に力を入れるのではなく、自分らしくいられることそのものが自信につながる。そこには、自分自身を受け入れた人だけがまとう、自然な余裕があります。特別な日のための一着ではなく、日常に心地よく寄り添い、自分らしく装うための存在へと変化しています。

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繊細な輝きを放つメタリック素材のジャケットは、本来であればイブニングウェアとして捉えられても不思議ではありません。しかし、まるでカーディガンを羽織るような軽やかさで着こなされています。デニムやテクニカル素材のスカートを合わせることで、肩の力が抜けたモダンなスタイリングへと昇華。特別な素材を、特別な日だけのものにしない。そんな自由な発想こそ、現代のシャネルらしさといえるのではないでしょうか。

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ダメージのような加工が施されたジャケットには、長くシャネルを愛してきた女性たちへの敬意が込められています。ヴィンテージやパンクのムードを感じさせるスタイリングには、「着崩すことを楽しむ」という感覚が表れています。レザーパンツやヴィンテージTシャツなど、あえて相反する要素を組み合わせることで、ジャケットは新たな表情を見せてくれます。

【Fabric】素材が広げる新しい可能性

ファブリックは、シャネルのアイデンティティを語るうえで欠かせない要素です。ガブリエル・シャネルは、当時の常識にとらわれることなく、新たな素材を積極的に取り入れ、ファッションの可能性を広げてきました。その精神はマチュー・ブレイジーにも受け継がれています。「素材の魔術師」と称される彼は、伝統的なツイードに加え、テクニカルヤーンや新たな質感のファブリック、現代的なアクセサリーやディテールを組み合わせることで、ジャケットに新しい表情をもたらしています。

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ゴールドツイードは、シャネルを象徴するカラーパレットのひとつ。そこに合わせられた軽やかなガーゼ素材のシャツは、ガブリエル・シャネルのアパルトマンを彩る金色の壁を思わせるような豊かな色彩をまとい、ツイードの美しさをより際立たせています。華やかなジャケットには、ブラウンやカーキベージュといった自然を感じさせる色を合わせることで、コントラストがやわらぎ、穏やかな印象に。インテリアをコーディネートするように、色や質感を重ねる楽しさを教えてくれる一着です。

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クロケ生地を用いたフローラルジャケットには、ガブリエル・シャネルが愛した特別なファブリックが採用されています。立体的なテクスチャーが織りなす陰影は、昼と夜で異なる表情を演出。日中は柔らかなシャツと、夜はサテンや光沢感のある素材を合わせることで、ファブリックが持つ奥行きや陰影が、より印象的に浮かび上がります。

【Layer】レイヤーがもたらす自由

レイヤリングは、マチュー・ブレイジーを象徴するスタイリングのひとつです。今季のコレクションでは、シャツをジャケットの中に収めるのではなく、あえて裾をのぞかせる着こなしが印象的でした。主役になりやすいジャケットも、一つのレイヤーとして軽やかに捉え、襟や裾をのぞかせながら異なる素材を重ねていく。レイヤリングは単なるスタイリングテクニックではなく、装いに奥行きと柔らかさを生み出し、ジャケットをほかのアイテムとの調和を楽しむ存在へと変えています。

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透け感のあるジレやスカートに、ツイードのように見せるトロンプルイユ(だまし絵)のイリディセントな輝きをもつジャケットとシャツを重ねています。いくつものアイテムを重ねているにもかかわらず、全体の印象は驚くほど軽やか。ボリュームを加えるためではなく、空気をまとうような軽さを生み出すためにレイヤリングが用いられています。

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柔らかなシャツを重ねることで、ツイードジャケットはぐっと親しみやすい表情に。ジャケットだけでは生まれない繊細なニュアンスが、レイヤリングによって引き出されています。シアー素材や薄手のニットなど、軽やかな質感のアイテムを組み合わせることで、ベーシックな白シャツと合わせたときとは異なる、新たな魅力が引き立ちます。

現代における自由な在り方を表現するマチュー・ブレイジーのシャネル。装うことを頑張るのではなく、心地よく纏う。服の背景にある考え方にも耳を傾けながら、ジャケットが映し出す自然体の美しさを楽しんでみてください。

スタイルを決定づける8つの要素 「Fashion Octagon」 とは?

まず、植原さんが提案する“ファッション哲学”では、オシャレを完成させるために必要な要素は8つに分類。それが「Fashion Octagon(ファッション オクタゴン)」という方程式です。

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  1. Silhouette(シルエット):全体のシェイプバランス
  2. Color(カラー):カラーチョイスのテクニック
  3. Layer(レイヤー):重ね着や重ね付けなどのテクニック
  4. Fabric(ファブリック):生地選びや生地合わせの効果
  5. Attitude(アティテュード):その人自身が放つムード
  6. Accessory(アクセサリー):靴やバッグ、ジュエリーなど小物使い
  7. Contrast(コントラスト):メリハリをつけるテクニック
  8. Exposure(エクスポージャー):肌見せなど露出加減の効果

問い合わせ先
シャネル(カスタマーケア)
TEL/0120-525-519
URL/www.chanel.com/jp

TEXT:NANA SUZUKI

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