1. トップ
  2. エピソード
  3. 「もう少し仲良くなりたい」引っ越して誰とも話せなかった私。だが、馴染めるようになったきっかけとは

「もう少し仲良くなりたい」引っ越して誰とも話せなかった私。だが、馴染めるようになったきっかけとは

  • 2026.8.31

会釈だけの朝が、ひと月続いた

仕事の都合で、家族と一緒に知らない土地へ引っ越してきました。知り合いは一人もいません。

(もう少し仲良くなりたい)

朝、子どもを送り出したあとにゴミを出す。それが、一日の中で近所の方と顔を合わせることがいちばん多い時間でした。

すれ違えば会釈はします。でも、そこから先がなかなか続きません。

私も「おはようございます」のあとに何か話せばいいのだと思っていました。それでも、何を話せばいいのか考えているうちに相手は通り過ぎてしまいます。

そんな朝が、ひと月ほど続きました。

夏のある朝、ゴミを出して家へ戻る途中、近所の高齢の女性が家の前を掃いていました。

いつものように会釈をすると、女性がほうきを持ったまま笑って声をかけてくれました。

「暑いですね。朝なのに、もう玄関の前まで日が当たってるでしょう」

突然だったので、私は少し慌てました。

「本当ですね。今日も暑くなりそうですね」

たったそれだけの会話でした。それでも、引っ越してから近所の方とまともに言葉を交わしたのは、そのときが初めてでした。

たわいない話をしていたら、もう一人加わった

そこへ、犬を連れた別の女性が歩いてきました。

「おはよう。今日も暑いねえ」

掃除をしていた女性が「本当にね」と返すと、その方も足を止めました。

「こちら、最近越してこられたのよね?」

「はい。まだひと月くらいなんです」

そこから三人で、少しだけ立ち話をしました。

朝から暑いこと。洗濯物はよく乾きそうなこと。このあたりは夕方になると少し風が出ること。

何か大事な話をしたわけではありません。

でも、私はようやく近所の輪の中に少し入れたような気がしました。

話が終わるころ、掃除をしていた女性が道路を見ながら言いました。

「ゴミの日は、カラスが袋をつついて散らかすことがあるのよ。だから、みんな気づいたときに自分の家の前だけでも掃いてるの」

「そうなんですね。知りませんでした」

「全部やろうとすると大変だから、自分のところだけでいいのよ」

注意されたというより、この辺りで暮らすちょっとしたコツを教えてもらった気がしました。

ほうきを持つと、話すきっかけができた

それから私は、ゴミの日には家の前を少し掃くようになりました。

すると、通りかかった方から「おはようございます」「今日は暑いですね」と声をかけてもらうことが増えていきました。

掃除をしていれば、立ち止まって話すきっかけも自然にできます。

ある朝には、以前犬を連れていた女性が「そこ、私もやるわ」と一緒に集積所の近くを掃いてくれました。

何週間かすると、私のほうからも自然に「おはようございます」「今日は涼しいですね」と声をかけられるようになっていました。

今も同じ場所に住んでいます。

新しく越してきた方を見かけると、私はなるべくこちらから挨拶するようにしています。

何を話せばいいのか、難しく考える必要はありません。

「暑いですね」「今日はよく晴れましたね」

それくらいで十分です。

知らない土地で誰にも声をかけられずにいた私にとって、あの朝の何気ない一言は、近所の方と話せるようになる最初のきっかけになりました。


※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる

注目コンテンツ